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2026.10.02
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カテゴリ: 浮世見聞記
橫濱市歴史博物館の企画展「横浜絵の深層」を觀る。



文久二年(1862年)に来日したチャールズ・ワーグマンによって日本にもたらされたとされる西洋繪畫の技法を間接的に學んだとされる初代五姓田芳柳は、明治元年(1868年)に橫濱に工房を構へて弟子たちと共に展開したそれは“橫濱繪”と呼ばれてもてはやされ、つひには明治天皇の肖像画を手掛ける榮譽に浴するに至る。

その後じつに昭和戰前期までの長きにわたって制作された橫濱繪だが、もとは外國人相手の土産物といふ性格ゆゑに日本國内ではあまり作品數が確認されず、近代美術史においても外側におかれてゐたきらいあり。


(※展示室内フラッシュなしで撮影可)

しかし、幕末明治の日本人が初めて西洋文明の繪畫を目にし(江戸中期の洋風画はさておき)、強い興味を惹かれ、それを自分のものにしやうと筆をとった原初の様子は、異國風に近づかうとするあまりかえって強調された奇怪味を醸し出し、作者も制作意圖も不明な點が多いのと相俟って、それがまた今日に觀る者の想像力を刺激してやまない。


近年に作品の存在が知られるやうになり、それで私も知った笠木治郎吉は初代五姓田芳柳の孫弟子にあたるとされ、この企画展の白眉である彼の水彩の數々は水彩画の透明感と、顔料を緻密に重ねることで表現した油彩画風の重厚感とが美事に融合されて独自の畫風を確立させ、



五姓田派の發展と云ふよりも最早そこから独立した作品世界は、若い女性を題材にした作品にその魅力が遺憾なく發揮されてゐると、私は觀る。





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最終更新日  2026.10.02 23:37:11
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