創作2



光の速度が一番速い時代が終わって、素粒子の速度が一般的となってきて、より優れた速い理解力を持つものの存在が必要となった。

神は知るか知らぬか、現世に素粒子の速度で動ける脳の持ち主を送り込んできた。

新しい頭脳の子供集団が生まれ、つまらない学校教育から、各研究機関に遊び場を移して行く。
そう、彼らにとって、最高の理論や実験の出来る研究所ですら、ただの遊び感覚、
学んで将来の仕事なすという感覚さえ育たなかった。

彼らは広い研究所の空間のあらゆるところに、自己中心的な創造物?を創り出しては、楽しそうに大人の理論を笑っていた。

それは、まだ、大人達が見たことの無い不思議な創造世界そのものだった。

彼らの意識は常に広く、留まることを知らなかった。

創り出されるものは、日々進化し、創造は銀河宇宙域から、さらに外へ外へと移り変わって行った。

彼らは見ないものを見ているかのように、知らぬものを知っているかのように、遊びとして創り出して行く。

その身体の大きさからは広いと思われた空間でさえ、小さな一部の理論の発現場所でしかなかった。

彼らはまだ大きくなる、必要とする場所はどれほどいるだろう?
誰がこれらを人として正しく導けるだろう?

子供達はいつか大人となり、我々を飛び越えて行く。

育てる術を失う大人社会と、育って行く大きな知識を蓄えるもの...

未来は、もう間近に変わろうとしていた。
いや、すでに彼らの意識の上では、変わっているのかもしれない。

自分達だけが出来ることを知り、遊びとして新しい理論を次々と呑み込んで、当たり前のように次の理論を欲して行く。

彼らの脳の大きさは一体どれほどだろうと思えるようなことが、目の前に起こり、大人達は自己存在の小ささを思い知らされる。

自分達がまだ知らない世界の大きさを、こんな子供が知っているという事実に打ちのめされる。

大人達は、この能力ある子供達を自分達の世界の住人として、いつまで快く扱っていけるだろう?

明日には、自分達の理論を超えて、一年後には別の理論を完成させ、未来には間違いなく宇宙存在として君臨するものとなるだろう...


神は何を与え給ったのかと、問いただしてみる...

これは夢か、現実的大人世界の崩壊かと、ぐるぐると問いだけが、駆け巡って行く...


どこかで声がする。
「殺してしまおう。彼らは人間の能力をはるかに超えてしまった。」と...

「それは出来ない。彼らは未来の為に神が与えたもの。」
美しい女性の声が、それを遮る。


自分の知らぬところで、似たような議論が交わされているのかと、少し安堵の感で、目の前の書類に再び目を落とし、読み始めて、また、心が文章を読んでいないことを知る。

この年になって、何に怯え、何を危惧しているのだろう?

彼らは、まだ子供で、保護者や教育者を必要としている。

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