みどりの泉

みどりの泉

2026.07.02
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カテゴリ: 詩作
大きな公共施設で母と別れた
煙草を吸いに行くためだ

胸のポケットと下のポケットに手でまさぐると
開きかけの煙草はまだ2パックあった
近道かな、と開けた扉の先に小さな部屋があり
高さの分からない白い床を踏んだら
グニャリ、と足が沈み込んだ

絶え間ない落下は嫌だ
私は内心で恐れた


すると、部屋が回転しだした
壁は白と黒で影絵の中に迷いこんだように
上下がわからなくなりそうになった

私はなんとかまた別の扉を開けた
どうやらそこは遊園地らしかった
苺をテーマにした迷路があった
入ってみると閑散としていた

もう夕暮れが迫り、がらんとしたコースの脇道に
捨てられた赤い風船が透けて寂しく落ちていた
コースの先に小さな男の子を連れた私の弟の
背中が小さく見える


しかし、夕暮れなのだ
人もいなければ辺りは暗い
私は寂しさを堪え
古代遺跡のように遠くかすむ苺について考えていた

そして午後の居眠りから目が覚めた





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Last updated  2026.07.02 18:42:00
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