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2010.08.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
なぜ殺人事件は起こったか、と言っても一般論ではなく、私が9歳の夏に我が町で起きたアベック自動車強盗殺人事件のことである。この夜のことは忘れられない。
あの頃、夏の夜は土手に縁台を持ち込み、近所中が夜風に吹かれて、宴会に近いことを繰り広げていた。私たち子供も夏休みだから、大人に混じってワイワイやっていた。あの夜も最初はそうだった。
「なんだか、ぞくぞくする」そのうちに誰かが言った。
暑いはずなのに、何故か底冷えのする夜だった。
「こんな夜は寝るに限る」やがて皆がそう口にし出して、その夜はお開きになった。
あの夜、いつもと同じように、ミニ宴会をやっていたら、殺人は起きなかったのではないだろうか。やがて殺人を犯すことになる男女が乗ったタクシーが、我々の前を通り過ぎて行ったのだから。夜風に吹かれて浮かれて手拍子などで、唄を歌ったり踊ったりしている能天気な私たちを見ながら、そこから300m程しか離れていない所で、刃物を振りかざして運転席に襲いかかれたはずはない。
そうだったなら、運転席にいた二人も死なず、加害者の男女も罪を犯さずに済んだだろう。それとももっと離れたところまで行って、やはり犯罪を犯したのだろうか。
犯行のあと、追いつめられて鉄塔をよじ登り、電線に手をかけて黒こげになった男女の姿を、私は見ていない。見てみたかった思い、見なくて良かったと思い、今でもどちらなのか決めかねている。遊び友達は皆見に行って、見そびれた私にいろいろ教えてくれた。すぐそばではなく何メートルも離れていたのに変な臭いがしたことなどを。
なぜ人を殺せるのか。なぜ人を殺したのか。金品を人を殺してまで奪い取り、それを使う間もなく黒こげになって死んでいった犯人たちを思う時、その虚しさは測り知れない。





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Last updated  2010.08.02 00:51:40
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