野の花・野の豚の自己研究に根ざす、社会的な共生の道を探求する発言・2015年7月1日から

野の花・野の豚の自己研究に根ざす、社会的な共生の道を探求する発言・2015年7月1日から

2006.03.26
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驚くべきことに、ほとんど全面勝訴でした      加藤三郎

 熊本刑務所在所中に提起し、在所中に剣もほろほろに敗訴し、最後の1つだけ残っていた受刑者のメディアへのアクセス権を求める訴訟の、3月23日に開かれた最高才判決は驚くべきことに、私のほとんど全面勝訴となりました。主文は以下のとおりで、それだけ読むと裁判官は退廷しました。 
1、原判決を次のとおり変更する。 第1審判決を次のとおり変更する。(1)被上告人は、上告人に対し、1万円を支払え。 (2)上告人のその余の請求を棄却する。
2、訴訟の総費用は、これを10分し、その1を被上告人の負担とし、その余を上告人の負担とする。
 裁判に慣れた人なら、この様な主文を読まれたら、それだけでほとんど全面勝訴なのだということが分かるのでしょうが、私は何か1部分私の主張が受け入れられたのだというくらいにしか受け取れませんでした。私は私の損害賠償請求の部分が認められるということは、考えられない、想定外のことだったので、事態が飲み込めなかったのです。私はせいぜい熊刑の所長に過失はないが、このような処分は憲法の趣旨からして誤りであり、受刑者のマスコミへのアクセス権は認められるべきだ、といた意見を付けてくれることはありうると考えていました。従来から判例では、受刑者の手紙などによる外部交通は、親族以外には特に必要と所長が認めない限り不許可にしていい、というものだったからです。その意味で本件の私の新聞社への手紙の発信を不許可にしたことには、所長として当然のことであり、所長に過失があるとは言いがたいことだったからです。もちろん訴訟上は所長の過失を主張してもいましたが。
 ともあれ最高才判決は、私が監獄法42条2項が受刑者の非親族への信書の発信は原則禁止し、所長が特に必要と認めるばあいにのみ許可するとしているのは、表現の自由を定めている憲法に違反すると主張したのに対してはそれを認めませんでした。しかしその判じの内容自体では、ほぼ私の主張を受け入れて、42条2項は法の趣旨からして、信書の受発は広く認められ、制限は障害の発生の防止のために必要か都合理的な範囲にとどめるべきもの、と解されるべきと判じしました。このような解釈はその文言からして本来ありえないものです。このような判じは、実質的には42条の違法性を認めるものですが、これまでそれを支持してきた裁判所の面子を守り、できるだけ事を荒立てない表現にするという、苦肉の策を取っているように思われます。
ともあれこのように解釈を変更することで、私の勝訴の土台を整えた上で、最高才は私も考えなかった理由で、所長の本件処分の不当性を明らかにしています。というのも、私は本件の手紙を出す前に、同様の内容の国会議員への請願書、地検への告発状を出してそれが所長に許可されており、そのことからして本件手紙の発信が刑務所の管理などに障害が生まれるはずはなかったのであり、その発信はなんら問題はなかったから、所長の不許可処分は違法なものであると。
 しかしこのような判じは所長に対する責任転嫁のきらいがあります。42条は特に必要がない限り非親族への発信は許可しなくていいとしているのですから、今回のように解釈すること自体が困難であり、そのような解釈をしてこなかった最高才などの裁判官のほうこそ責任を取るべきであると思います。
ともあれこのような最高才が自らの責任を回避した判じにより、私は損害賠償請求においても勝利し、1万円を支払われることになりました。それはありがたいことであり、また裁判の総費用もほとんど支払う必要がなくなったこともありがたいことでした。





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Last updated  2006.03.26 07:23:23
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初カキコです  
Bhavesh  さん
デバン おめでとう。と言っていいのでしょうか?
いつもの業務日誌風な日記とはまた違った、かつてのデバンらしい今日の日記でした。くわしい裁判の経緯はわかりませんが、このようなことを足がかりにして、さらにデバンが元気に活躍することを期待しています。 (2006.03.26 14:13:05)

Re:初カキコです(03/26)  
Bhaveshへ

、このようなことを足がかりにして、さらにデバンが元気に活躍することを期待しています。
-----

 もう少し生活に余裕が出てきたら、やりたいことはたくさんあります。受刑者の処遇の問題などもその1つです。まだ何か機会でもない限り、出来ないですが。

 ところで上記の文には間違いがあります。訴訟の総費用の十分の1は私に支払いを求めています。多分10万ぐらいです。今の私は払う気はありませんが。 (2006.03.27 21:14:30)

引用・リンク許可願います。  
野原燐 さん
はじめまして。野原燐といいます。50代の男性です。下記ブログで最高裁判決を紹介し、参考情報を検索していてたどり着きました。文章をほんの少し引用しリンクさせていただきました。TB失敗したのでご連絡まで。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20060401#p2
(2006.04.01 17:27:31)

Re:引用・リンク許可願います。(03/26)  
野原燐さんへ

引用もリンクもご自由にしてください。
ただ、下記プログと書かれているところをコピーして検索しても何も出てきません。もし間違いがあるならお知らせください。
(2006.04.01 22:16:45)

Re[1]:引用・リンク許可願います。(03/26)  
野原燐 さん
野の花・野の豚さんへ

野原です。了承いただきありがとうございます。
うちのサイトにうまくつながりませんでしたか。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20060401#p2 あるいは
http://d.hatena.ne.jp/noharra/ をコピーして
ブラウザの上部のurlを入れる窓にコピーしエンターしたら移動できる
はずなのですが。
検索なら、野原燐、あるいはnoharraでやってみると
最初の方に「彎曲していく日常」というのが出てくると思うので、そこです。
さて、上記で「最高才の責任回避」を指摘しておられますがおっしゃるとおり
ですね。気負いのない冷静な文体に度量を感じます。
まだまだ寒いですが、お元気でお過ごしください。
(2006.04.02 06:59:51)

Re[2]:引用・リンク許可願います。(03/26)  
野原燐 さん
加藤三郎さま
(たびたびすみません。)申し遅れましたが、私の師である松下昇氏は加藤さんを含む東アジア反日武装戦線の軌跡に強い関心を持ち、『意見書-「大地の豚」からあなたへ』なども読み、加藤さんに強い興味と尊敬を持ち続けていました。なにより獄中の加藤さんへ手紙を届けたいと思っていたと思われます。今日のようにインターネットを介してではあれ加藤さんとメール(のようなもの)で簡単にコミュニケートできるようになったことを知ったらとても喜んだだろうと思いますが、彼はすでに10年前に死去ましたので望みを叶えることは出来ませんでした。そこで松下が1992年に書いた、加藤さんに触れた文章を上に書いたブログの続きに掲載しました。読んでいただければ幸いです。
「私は“非日”の“そよ風”」という加藤さんの詩行も掲載しましたが、原文はもっと長いものなのでしょうか?できたら全文を掲載したいので教えてください。
今後ともよろしくお願いします。 (2006.04.02 10:32:01)

Re[3]:引用・リンク許可願います。(03/26)  
野原燐 さん


「加藤さんを含む東アジア反日武装戦線」という表現は間違って居るのですね。上っ面な知識しか持っていない状態で、書き込んでしまいたいへん失礼しました。 (2006.04.02 20:55:44)

Re[3]:引用・リンク許可願います。(03/26)  
野原燐さんへ
松下さんの文章の1部は、1992年ころだったか、あの本について触れた文章として、コピーされて差し入れられたものを、読んだことがあります。しかしそれは短いほうのもので、今回のようにある作家が朝日に書いた文章に触れて、深く私のことについて書いてくださったものは初めてでした。なにかしっくりと来る文章で、読ませていただいて嬉しく思っています。ありがとうございます。生きておられたら本当にお会いしていろいろ話をお聞きしたかったと思いました。その松下さんの文章も、私のこのページにコピーして貼り付けますのでよろしくお願いします。 (2006.04.05 08:22:58)

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