李春成:J-WORKER

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2008.05.16
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5月15日 キリンカップサッカー2008日本代表メンバー発表記者会見
@日本サッカー協会

【GK】3名
川口能活、楢崎正剛、川島永嗣
【DF】9名
寺田周平、中澤佑二、トゥーリオ、駒野友一、阿部勇樹、井川祐輔、長友佑都、安田理大、内田篤人
【MF】9名
中村俊輔、遠藤保仁、中村憲剛、松井大輔、鈴木啓太、山瀬功治、今野泰幸、長谷部誠、香川真司
【FW】6名


 今回選ばれたのは、総勢27名という大所帯である。ディフェンス9名のうち4名は左右2名ずつのサイドバックがバランスよく選出され、川崎フロンターレからは寺田に続いて井川祐輔が初代表入りとなった。井川の招集は中田浩二の回復の遅れが手伝ったようだが、フロンターレ最終ラインの貴重な駒を一気に二人失うと同時に、同チームからは計4名の主力が抜かれことになる。しかしフロンターレ直近のスケジュールは5月31日、ホームで行なわれるナビスコ杯のコンサドーレ札幌戦だ。肉体的な負担となる移動がないうえ、パラグアイ戦を終えてから中3日のオフがある。したがって彼らの招集がクラブ側に及ぼす影響はそれほどあるまい。
 同様のことは、やはり大量4名の選手が選出された浦和レッズにも指摘できる。ACLのディフェンディング王者である彼らは、21日の同予選を免除されている。同じく31日のリーグ戦は神戸への移動が強いられるが、他チームが羨むような選手層を誇るのがレッズだ。クラブと代表での全力往来が影響したのか、体調を崩してしまった鈴木啓太のような例もある。しかしレッズの土台は、微塵にも揺るぐまい。

 さて、ここで一つ言っておきたい。
 前回のJ-WORKERで浦和ファンと思われる方から意見をいただき、この小さなブログがしばし沸騰した。「疑惑の判定」「狡猾なレッズの闘い方」という表現に気分を悪くされたようだが、同レポートでも触れたように、フロンターレはリーグ側に抗議文を提出しているのだ。しかも現場に最も近い位置にいた村上和弘らが、めくれ上がった芝の「状況証拠」を訴え出ている。「誤審はなかった」と一方的に叱られても、筆者としては困惑せざるをえない。実際に「誤審がなかった」のであれば、映像で何度も確認したうえ、 リーグに抗議した川崎のフロントは、まるでアホではないか。
 前レポート内で筆者が主張したかったのは、レッズよりもフロンターレのほうが好感がもてるということではない。なによりも筆者は川崎の住民ではなく、むしろ埼玉県に近い文京区に暮らす。 日本のレフェリングの質を上げたいのであれば、今のようなアンタッチャブル状態ではマズいのではないかというのがレポート後半の主旨だった。 レフェリーは裁判官であるとともに演出家でもある。今年のスーパーカップのように、試合をブチ壊してしまうレフェリングには誰かが意見を言うべきだ。
 なぜ、大手メディアはこうしたことに目を瞑るのか。チケットがプレミア化した総合格闘技団体のPRIDEが潰れた経緯を見ても、『週刊現代』で告発した人物の背景を誰も追おうとはしなかった。先ごろ宝島社から出版された『プロレス悪夢の10年を問う』では、この件に関して勝者となったのは「アントニオ猪木だ」と断言している。 だが事実上の勝者は、PRIDEのソフトを90%以上吸収してしまった谷川貞治率いるDREAMではないか。
 サラリーマンで占められる現場の記者は、彼らなりの意見があり、また真相を知ってはいても、「デスク」という社の権力者によって「個」を抑えられてしまうのだ。だから協会幹部や人気クラブに対する悪評は世に流れず、論議の場は消され、まるで中国のようにすべてが同じ色で統一されてしまう。その結果、「俊輔のOA枠起用」という万人が喜ぶようなネタが一面トップを飾るわけだ。「ジャーナリストであれば、客観的であるべき」という意見もいただいたが、そうではない。この国では、主観的なコメントができにくいという状況があることを知ってもらいたい。
 たとえばその顕著な例が、スポーツ新聞の試合評価表だろう。Jがスタートして以来の15年間で、現場記者自らの眼で評価されたゲーム分析を拝見した記憶がない。海外のゲームであれば、海外の新聞社の評価を引用し、国内のゲームであれば、読者のアンケートで固める。つまり、日本のジャーナリズムは独立していないということだ。これでは論議の場が生まれるのは、J-WORKERのように信用度の低いネット上だけになってしまう。悪戦苦闘を続ける講談社は戦後初の赤字決算、フジテレビは連結決算で45%ダウンなどの話を耳にすると、もはや日本のメディアは壊滅状態と言わざるをえない。

 閑話休題。


 レッズとフロンターレの2チームから4名ずつが派遣されたが、チーム事情から代表に協力しにくかったのが鹿島アントラーズだった。大量得点が求められる21日のACLナムディン戦では、地元の熱狂的なサポーターが押し寄せると思われるハノイでのアウェイゲームだ。現在グループFの北京国安(=ペイチン・クオアン)と勝ち点12で並ぶため、この予選最終レグでトドメの結果を残しおきたい。間違っても敗戦は許されないのである。
 ミッドフィルダーの9人はボランチ型が4人、同ゲームメーカー型が4人と、ここでもバランスのとれた選出となった。そして残り1名が05年11月のアンゴラ戦以来、久びさの代表入りとなった松井だ。彼の加入で、ドリブルでも相手守備ラインを崩せるというバリエーションの幅広さを予想させる構成となった。フォワード6人のなかでもタマ、嘉人というドリブラーがおり、彼らと松井の組み合わせも点差と時間帯によっては興味深い。

 ちなみに24日の初戦・コートジボアール戦は、後輩の結婚式に招かれており、残念ながら豊田スタジアムへは足を運べない。DVD観戦で今後のレポート材料としていきたい。

【了】





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最終更新日  2008.05.16 22:00:02
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