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2012.03.23
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カテゴリ: 監督の文脈


2012年3月20日@国立競技場
AFCチャンピオンズリーグ【GROUP・F】2nd-leg

FC東京 2-2 蔚山現代
【得点者】
前半37分 徳永悠平(東京)
後半35分 キム・スンヨン(蔚山)
後半38分 梶山陽平(東京)
後半43分 マラニョン(蔚山)



「聞いていた通りだったが、予想外でもありました」
(金鎬坤)

 彼の性格なのかもしれないが、落としたはずの勝点「3」を「1」で凌ぎきった金鎬坤(キム・ホゴン)監督は、笑顔を一度も見せることはなかった。
 天皇杯の優勝チームと同じ組になったことを知った同監督は、元旦にもかかわらず国立競技場を訪れていた。そう、史上初のJ2対決となった、以下のカードである。

京都サンガF.C. 2-4  FC東京
【得点者】
前半13分 中山博貴(京都)
前半15分 今野泰幸(東京)
前半36分 森重真人(東京)

後半21分 ルーカス(東京)
後半26分 久保裕也(京都)

 その後、東京の今野はガンバ大阪へ移籍、京都の久保裕也は2月のアイスランド戦で驚きの代表初召集を受けている。現役高校生の代表入りは、清水エスパルスの市川大祐以来、14年ぶりのサプライズだったともいう。

 金鎬坤・蔚山監督が「聞いていた通りだった」と語るのは、FC東京に起きている変化の兆しだった。「組織的にも戦術的にも良くなっている」と、人づてに情報を得ていたらしい。そこで自身でメモをとった元旦の決勝戦と、3月17日のJリーグ第2節・名古屋グランパス戦の映像を比較しながら分析を重ね、この日の本番に臨んだのだった。
 ところが、前半の序盤こそ主導権を握ったものの、パスの組み立てや中盤の展開で次第に苦しみはじめ、後半に入ると体力の消耗が顕著になっていった。
 同監督が「予想外だった」と語るのは、分析データに基づいた対策が功を奏しなかったことと、選手の疲労スピードが想定外に早かったことだ。「FC東京は攻守のバランスと切替えのスピード、そして両サイドの上がりも良くなっていました」。

筆者がとったメモにも、こう記録されている。
 たとえば前半の終了間際、蔚山がオフサイドをとられた場面があったが、なんとFC東京サイドのセンターサークル付近でラインズマンの旗が上がっている。体力的にキツくなり始める時間帯だが、東京の最終ラインの上がりがいかに高いかを示すフラッグだった。
 前半の東京の攻撃をことごとく断ち切っていた蔚山・左ボランチのエスチベンも、ナオと矢澤達也のポジションチェンジや、トクのオーバーラップ対策などに終始追われ、後半25分にはベンチに下げられている。
 蔚山の指揮官は東京の中盤を潰すことに勝機を見出そうとしたのだが、体力で東京に圧倒され、狙っていたサッカーが前半の序盤だけで頓挫したのだった。

 しかし、対戦相手の分析に怠りなかったのは、ポポも同様である。

 つまり東京は、後半になってからさらにギアを上げたわけだ。前半から疲れが見えた蔚山が、東京の攻撃サッカーについていけなかったのは自明の理だった。

 だが、これだけの差があっても東京は蔚山に勝てなかった。

 隣のテーブル席には、24日のホーム戦でFC東京を迎え撃つ神戸の偵察グループが訪れていた。3日前の名古屋グランパス戦で、東京は怒涛の3ゴールで大きな逆転勝利をたぐり寄せたばかりだ。「今年の東京は違う」と思わせた矢先の同じチームの“敗戦”に、彼らの弱点は、ずばり守備陣にあると看破したにちがいない。

 リーグ開幕2連勝同士の両チームの観戦ポイントは、やはり中盤だろう。ナオとトクの高速右サイドとマッチアップするのは、野沢拓也と相馬崇人のふたりだ。さらに今年のヴィッセル神戸は、第3列に潰し屋の伊野波雅彦と、アタッキングサードに飛び込む橋本英郎という大型補強に成功している。ちなみに、西野朗監督の退陣でボロボロになったガンバ大阪を、神戸はアウェイの万博で3-2で下している。2点目をあげたのが、ガンバから移籍した橋本である。
 はたして、この両チームの闘いは、どちらに軍配が上がるのだろうか。







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最終更新日  2012.03.23 13:49:39
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