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2014.06.22
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6月19日 グループC第2戦@エスタディオ・ダス・ドゥーナス(ナタウ) 39,485人(94%)

日本代表 0-0 ギリシャ代表


 出所にもよるが、それほど大きなちがいはないだろう。筆者の手もとにあるデータは、こう語っている。日本のボール支配率81%、ギリシャ19%、日本の総シュート数18、ギリシャ9、日本の総クロス数25、ギリシャ17……。データだけを見れば、たとえば日本3-ギリシャ1というスコアも想像できる。しかし、結果はスコアレスドローである。ザックジャパンは2戦を終えても、なお自分たちの本当の正体を世界に見せていない。ここまで“もったいぶる”原因は、はたしてどこにあるのだろうか。
 即座に思い浮かぶのは、コンディション調整のミスである。日本のピークはザンビア戦を境に急降下していった。いまさら明かすことに若干の抵抗を感じつつも、筆者には戦前から不安視していたことがあった。それは、キャンプ地をイトゥに決定したことだ。

 サンパウロ州の東部に位置するイトゥは、年間を通じて20度前後と穏やかな気候だが、ちょうどこの時期は乾季にあたる。ブラジル共和国の生誕地ともいわれるこの土地から、初戦のコートジボアール戦が行なわれたペルナンブーコ州のレシフェまで、その移動距離は2000km以上にも及ぶ。北海道の知床岬から種子島宇宙センターまでという、気が遠くなるような移動時間である。しかもレシフェは、イトゥとは正反対の熱帯雨林気候で、気温は軽く30度を超える。コートジボアール戦のキックオフ時間が夜の10時に設定されたのはそのためで、日本国民は日曜日の朝10時から観戦できるという恩恵を受けたのだった。

 日本代表は試合後、この港湾都市からイトゥへ戻り、さらに5日後、レシフェの北に位置するナタウまで、再び2000km以上の移動を強いられたのである。リオグランデ・ド・ノルテ州の州都・ナタウは、高温多湿の土地だ。チャーター便の利用、超高級リゾートホテルでの宿泊など散財のかぎりを尽くしながら、最も注意を払わなければならない選手のコンディション維持に、日本サッカー協会は取り返しのつかない失態を犯したことになる。にもかかわらず何を恐れてか、その過ちを指摘するメディアは皆無で、ザックの迷走ぶりばかりを声高に唱えている。3・11後、東京貯水池の放射線量に関するニュースが大手メディアから一斉に消えたことがあった。首都圏のパニックを恐れてのものだろう。また消費税8%が決定する前、スタジアムで出逢った知人の新聞記者は、筆者にこう囁いたものだ。「消費税を上げても、新聞社の足かせは緩くするという密約が上でできてるらしいんですよ」。

 前半38分、ギリシャのパス供給源であるコンスタンティン・カツラニスの退場によって、日本の選手たちは口を揃えて言う。「10対11になったことで、相手はやるべきことが明確になった」と。ディフェンスラインに4人、中盤に4人、計8人による二重の壁を中央に敷くことで、日本はすっかり攻め手を失った。最大のゴールチャンスは後半22分、乱暴に言えば、このシーンのみだった。香川真司の展開から右SBの内田篤人がゴール前へクロスを送り、大久保嘉人が飛び込む。しかし右足インサイドで当てた幸運のボールは、無情にもクロスバーを越えた。4分後、長友佑都のクロスに篤人が走りこんだが、これも右ポストへ外す。4-3-3から4-4-1へシステム変更し、ゴール前をがっちりと固めたギリシャに対して、多少の脅威を与えたクロスは、この2本だけだった。
 2試合続けての空中戦とパワープレーで勝負するならば、昨季、嘉人と得点王を争った185cmの豊田陽平を招聘すべきだったろう。逆に中央からの突破を狙うのであれば、ドリブラーの斉藤学を投入すべきだったろう。あるいはロングボール一発で戦況を変える能力をもった、青山敏弘の起用もあったろう。だがザックは、3枚目のカードを最後まで手もとに残したままだった。「やるべきことが明確になった」のはギリシャだけではなく、日本も同様だった。いやむしろ、決戦の地へ赴いた日本は、ギリシャ戦の前から「やるべきことは明確」だったのだ。

 勝ち点「1」を得るために耐えるギリシャに対して、真司や本田圭佑、遠藤保仁らはパスを出すスペースを失い、横パスばかりが増えていった。日本がボールを回しているように見えたのは、そのためだ。ボール支配率「81%」の真実は、日本がボールを持たされていただけなのである。



【了】





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最終更新日  2014.06.23 13:45:59
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