概説 日本のスミレ属は種類が多く、さまざまなものが各地に見られるが、花がほぼ同じ時期に見られるため、混同して扱われている場合が多い。種としてのスミレも普通種であるが、それ以上に普通種であり、日本を代表するスミレがタチツボスミレである。いくつかの近似種とともに広く見られる。タチツボスミレとスミレは、次の点で違いが見分けられる。タチツボスミレ V. grypoceras A. Gray茎は地中で短いが、成長すると茎は地表に伸びて立ち上がる。葉は始めは根出するが、茎が伸びると葉もそこにつくようになり、丸っこいハート形。花は薄紫。スミレ Viola mandshurica W. Becker茎は地中で短く、立ち上がらない。葉はすべて根出し、細長い矛型。花は濃い紫。