このお寺には、友人S とそのお母さんが眠っている。墓前に花を手向けて、線香に火をつける。が、なかなか火がつかない。しかも東京駅のキヨスクで買ったライターは電子式でなく石で着火するライターなので火を付け直すとき親指が熱い。ようやく線香に火がついた時には親指に水膨れができていた。すこしぬるくなったビールをあけて墓のわきに地面にかけ、残りを私が飲む。 S に近況を報告してたあとに、ふと墓石の脇に彫られた文字をみてもう10年になることに気がつく。2本目のビールをまた地面にかけて残りを飲んだ。墓石にかかったビールをを水で流して、「また来るよ!」と一言かけてお寺を後にした。