another

waltz


 一人で流されて体を揺すっていた。
 誰かにぶつかり流され体を揺する。
 くるくると回って自分を探した。
 知らない自分を探して回った。
 ヒールの底でターンをした。


     Ж


 真っ暗だった。
 目を閉じているのか開けているのか分からなかった。
 握った手のがもしかしたら君じゃないかもしれない。
 失ってしまっているのかもしれない。
 この結末を誰にも言わないで。
 この先を知っていていいのは僕と君だけだから。
 掴んだその手を離さないで。
 だから僕は、きっとどこへだって行けた。
 この手の先が君でなくても大丈夫。
 君じゃない手に誰かを重ねていても大丈夫。
 思い出になんてしたくなかったから。
 そうやって僕とただずっと一緒にいてくれたらいい。
 真っ暗だった怖かった。
 握った手が汗ばんでいた。
 握り返される事は終ぞなかった。


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