『妖精の棲む森』



いつものことだが、この本もなんとなく図書館の本を眺めていて目にとまった。
この本はタイトルにあるように妖精の棲む森のすぐそばのティー・サロンが舞台となっているのだが、そのティー・サロンがたたずむ高原とティー・サロンと森が淡い色調で表紙に描かれている。
淡い緑色だ。
その色がとても印象的で思わず手にとってしまったのだ。

内容はというと、きわめてまっすぐだ。
妖精はきれいな心がないと生きられない。
だれかが森にゴミを捨てたり、携帯電話で大声で話したりすると、妖精の羽が傷つき、やがては死んでしまう。
子どもの頃の純粋な心が妖精には必要なのだ。
ぼくらが大人になるに連れてわすれてしまった純粋なこころ。
生きているということに素直に感謝できるこころ。
それを妖精たちは教えてくれる。

先にも書いたが、とてもまっすぐな内容で、ぼくは好感が持てた。
この手の内容は、やたら説教じみてしまうことがよくあるが、必死に訴えかける妖精たちにティー・サロンの温和な女主人が上手に対比され、物語を叙情的に仕上げてくれる。
訓話としても、読み物としてもなかなかのできではなかろうか。

ところで、この物語にはたくさんの犬が登場してくる。
これまで猫が登場してくる小説は何冊か読んだことがあるが、犬は初めてかもしれない。
気のせいかもしれないが、犬の方が物語の主張がはっきりしているような気がする。
やはり、猫はきまぐれだからであろうか。

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