愛犬のために

愛犬のために

犬の心臓病


ずっと薬を飲んでいるけれど、高くて困る、とこぼしていました。

犬の心臓病というと、キャバリアの僧帽弁閉鎖不全症を思い出します。
知り合いのキャバリア(雄)も去年亡くなり、現在二代目(雌)です。
犬の病気大辞典 を見ますと、キャバリア・キングチャールズスパニエルは1歳で33%、4歳以上で60%が罹患している、とあります。

小型犬が高齢化すると発症し易い、との事ですけれど、そういえば突然死は割と経験してきています。
昔はペットの獣医さんが一般的ではなく、分からなかっただけで、人間と同様、高齢化して来ると心臓に疾患を抱える例は考えているより多いのかも知れません。



犬の心内膜症の診断・治療及び転帰に関する実態調査結果 (PDFです)の「表2 件種、性別、年齢、体重の分布」 を見ますと、ちょっと面白い傾向があります。

犬種で一番多いのは雑種(総数85)ですけれど、平均年齢が高く、雄雌の比率にあまり差がありませんので、これは老化による発病が多いと思います。

以下、多い順に シー・ズー(74)、マルチーズ(51)、ポメラニアン(33)、ヨークシャー・テリア(22)、トイ・プードル(21)、チワワ(16)、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(15)、パピヨン(12)、日本犬小型(柴犬)(12)、シェットランド・シープドック(11)、ミニチュア・ダックスフンド(11)、ゴールデン・レトリバー(9)、 ビーグル(8)、ミニチュア・シュナウザー(7)、ミニチュア・プードル(4)・・・ですけれど、ミニチュア・ダックスフンドの少なさが目に付きます。

この調査は首都圏に偏っていますので、地域的なものもあるのかも知れませんけれど、ミニチュア・ダックスフンドはJKCの登録件数ではずっと何年も1位です(少なくとも1997年からは)。
2000年の登録数で見ますと、97178頭で、2位のシー・ズーの約3倍です。
勿論、一般家庭の飼育状況と直結するものではありませんけれど、人気度の目安にはなります。
登録件数では約1/10(2000年)のシェルティと同数、というのはちょっと驚きです。

そして、雌雄別では、シー・ズーやポメラニアン、ヨークシャー・テリア、トイ・プードル、チワワ等、多くの犬種では雄の方が発病率が高くなっています。
殊にチワワは13:3です。

年齢別で目に付くのは、やはりキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの若年発症で、平均年齢も低いですけれど、SDが大きいので、かなり若い段階で発症する個体も多いと思われます。
逆に、トイ・プードル等はかなり高齢にならないと発症しないようです。



ちょっと古いですけれど、AllAboutに2006年の臨床獣医学フォーラム・レポート「心臓病」( 小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全 )が掲載されています。
伏せの状態で寝ることが多くなったら、ちょっと黄信号( そのまま放っておくと大変なことになりますよ! )とのことですけれど、私の愛犬は時々仰向けで寝ていますので、まだ大丈夫の様です。
治療に付いても 薬と運動制限と食事療法で安定を保つ で説明されていますけれど、最近、効果が高い場合も多いとされるピモベンダン等には触れていません。


ピモベンダンは2003年の時点では うっ血性心不全の治療:陽性変力作用薬とACE阻害剤の役割 に見られますように、まだ充分に検証されていなかった様な印象も受けますけれど、現時点では、例えばMEDLINEで検索すると最初に出てくるのがこういう Clinical efficacy of pimobendan versus benazepril for the treatment of acquired atrioventricular valvular disease in dogs. (ピモベンダンとベナゼプリルの比較)で、415日対128日だそうです。


前述の 犬の心内膜症の診断・治療及び転帰に関する実態調査結果 (PDFです)では、使用薬、治療方法、治療結果等の分析も行っています。
全406症例の内、判定不能(39)、死亡(29)を除く338症例の分析では、改善率(著効 + 有効 + やや有効 の割合)は83.1%となっています。
その内、著効(NYHA指数が4→3以下)は17例(5.0%)、有効(NYHA指数が3→2以下)が120例(35.5%)ですので、かなり薬によってコントロール可能になってきている様に思われます。


愛犬がある程度高齢化してきたら、血液検査等と一緒に定期的に心臓もチェックして貰う価値はあると思います。





大阪府のブルセラ病に関して、JKCから 「ブルセラ病」に関する新聞報道について というお知らせが出ていました。
ご存知とは思いますけれど、現場の状況はそういう雰囲気ではないようです。( またたび獣医師団 大阪ブルせラ犬Brucella canis救命チーム発足!

韓国では鳥インフルエンザ、ブルセラ症、狂犬病の3つの人獣共通感染症に対応する( 鳥インフルなど人獣共通感染症に政府がR&D推進 )との事ですので、感染力が弱いと安易に考えていい伝染病でもないようですけれど。



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