愛犬のために

愛犬のために

かなりあちこちで書かれていますので

ペットフードをリコール、死亡例10件と 米国 のニュースです。
日本語のニュースで一番詳しいのは、多分犬ニュースゼロワンの ペットフード大手メーカーが大規模のリコールを開始 で、オリジナルはFDAの Recall of Pet Foods Manufactured by Menu Foods, Inc. です。

あちこちのブログ等を見ますと、割と細かいフォローがされていない様ですので、ちょっと補足します。

上記ニュース発表時点でのメーカー(メニュー・フーズ)発表の死亡数は10(猫9、犬1)で、腎不全ということですけれど、猫の解毒能力は非常に低い( 常備薬. )ので、毒性としてはそれほど強くないのかも知れません。

Menu Foods Reveals 7 Animals Died In Tests Of Suspect Pet Food によりますと、メーカーでは20日に最初の死亡報告を受け、27日にテストを開始したそうです。
内訳は分かりませんけれど、40~50頭の犬と猫に問題のフードを与え、7頭が死亡し、犬より猫の方に致命的であった、とあります。


死亡数はメーカー発表より当然多いようで、(FDAのUPDATEでは、メーカーのルーチンテストでの9匹の猫の死亡、消費者から4匹の猫と1頭の犬の死亡報告の計14件)、FDAでは食欲不振、虚脱感、嘔吐等の症状があったら謬医師に連絡する様、呼び掛けています。

こういう状況からも、犬が死亡することはあまりなさそうで、そういえば前回のダイヤモンドの時も、犬が食べないので、飼い主が無理やり食べさせて死亡したケースが多かったと思います。

獣医師には問い合わせが殺到し、最近死亡したペットを発掘(?)して死因を調べることが可能かどうかという、問い合わせも有ったようですし、訴訟も既に提起されているようです。( As FDA searches for source of contamination, first lawsuit is filed.
訴訟を考えている人も多いようです( Poison Cat & Dog Food - Please Read

混乱は前回のダイヤモンドの時より遥かに大きい様です。


そして、対象となる製品情報は、フードの一覧は Recalled Dog Product Information で、それぞれのメーカーをクリックすると対象フードの詳細が表示されます。
例えば、 アイムス ニュートロ ナチュラルチョイス 等日本でもよく売られているものが結構入っています。
他にも、ユカヌバ、サイエンス等あり、考えて見ますと、現状は 輸入 >  国産 ですので、日本にとっても大事なのは当然かも知れません。


各メーカーや代理店では正規輸入品は安全(例えば、ヒルズの メニュー・フーズ社によるペットフードのリコール )とアナウンスしている様ですけれど、並行輸入等もかなり多い筈です。

関係ない筈のニュージーランドでも、既に汚染フードが到着しています( Contaminated pet food reaches NZ

製造年月日と輸送時間から考えますと、日本にも到着していると思います。


ところが、ペットフードはご存知の様に監督省庁が存在しませんので、こういう時は非常に困ります。
これが食品ですと、厚生労働省や農林水産省が管轄です。( 食品安全庁への期待と問題点 の様に、問題もありますけれど)
東京都食品安全条例 等の条例もあり、 自主回収報告制度 も制定されました。


当然ペットフードにはこういった仕組みや意欲が存在せず、精々、国民生活センターの 回収・無償修理等のお知らせ、位と思います。
それも、これまでの分は

1. 日本ペットフード「犬用ペットフード(無償交換)」(回収・無償修理等のお知らせ)_国民生活センター (スコア: 53)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20050517_3.html (10,359 bytes)
2. '04日清ペットフード/ユニ・チャームペットケア「犬用ペットフード(代金返還)」 (スコア: 38)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20041008_2.html (2,708 bytes)
3. アイシア「猫用ペットフード(原材料表示の訂正)」(回収・無償修理等のお知らせ)_国民生活センター (スコア: 27)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20051228.html (10,342 bytes)
4. '03マスターフーズ「ペットフード(代金返還)」 (スコア: 17)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20040312_2.html (3,485 bytes)
5. '04プロクター・アンド・ギャンブル・ファーイースト「猫用ペットフード(無償交換)」 (スコア: 17)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20041016_3.html (3,090 bytes)
6. '03日本ヒルズ・コルゲート「ドッグフード(商品回収)」 (スコア: 17)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20031021_2.html (2,493 bytes)

しか見当たりません。
内容も、誤梱包が多く、とても実態を反映しているとは言えません。

苦情相談も、例えば 今月の原因究明テスト実施状況(2006年12月分)

『商品名:ペットフード
経緯及びテスト依頼内容
缶詰のペットフードを3匹の犬に与えたところ、3匹とも20~30分後下痢を起こしたので与えるのをやめた。その後、再び同じペットフードを与えたところ、また下痢を起こした。商品に問題がないか調べてほしい。』

というものも有りますけれど、未だにテストされていません。


今回の件も、各自が製造No.や年月日等を確認するしか無い様です。



もう一つ、今回のニュースで問題と思われるのは、ペットフードの品質です。

高品質を謳う多くのメーカーが実は大量生産メーカーに外部委託していたということが判明しました。
勿論、IT産業の ファブレス の様に、自社工場を全く持たず、自身は設計だけして全て外部委託、というのも一つの方法だと思います。

けれど、それはファブレスであるが故のデメリットも存在しますので、事前に顧客にアナウンスするべき事柄だと思います。

例えば、ニュートロの ニュートロ社からの広報メッセージ には

『■製造工場の拡大

ニュートロの海外部副社長のマット・デフレイタスは「海外のディストリビューターをこの工場に招くと、事業規模と商品開発への取り組みに感激します。しかし、カリフォルニアの事務所に足を踏み入れると、その地味なオフィスに驚きを隠せないようです。」と愉快に話します。「ニュートロは大きな看板、おおげさな建築物やインテリアによる主張はしません。大企業の多くは数百億ドルをイメージ作りに投じますが、これは商品開発に使う数百億ドルが流れていることになります。ニュートロのやり方は逆です。」ともコメントしています。』

とあります。
これは欺瞞ではないでしょうか。

ニュートロに付いていいますと、ニュースでは、原因は小麦グルテンのようですけれど、 ナチュラルチョイス缶 等は小麦グルテン使用とは記載していません。
他の成分も、メニュー・フーズの発表と異なります。

リコールを受け入れた経緯からは、他社製品と同様の原料を使用していたが故に見えます。

他のメーカーも同様ですけれど、そういえばニュートロは、 どうでもいい補足 で指摘しました様に、ペントバルビタール混入肉を使用していて、発覚すると『ペントバルビタールは足を骨折した牛などに日常的に用いられ、そういった牛と通常の牛が一緒にレンダリングされた結果、フードが汚染された』というちょっと信じられない様な弁解をしています。

確かに設立当時は愛犬のためのフードを作っていたのかも知れませんけれど、現在は
『ニュートロはスーパープレミアムフード、世界第3位のメーカーに成長し、現在40カ国以上で販売され、年商は3.6億米ドルを超えると報告されています。』
という大企業になったようです。
利潤追求に走ったとしても企業原則からは当然の行為ですので、過信する消費者の方にも問題があるのかも知れません。

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