九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として、所轄勤務。
7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚・花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。
放火事件では、経理課長・及川に疑念を抱く。
わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。(Yahoo!ブックス より)
平穏な暮らしを送っていた主婦がある事件をきっかけに、
人生を転がり落ちていく。
また、妻を7年前に交通事故で亡くした刑事、久野。
ひょんなことから暴力団と関わることになった高校生、裕輔。
物語はこの3人それぞれの視点から書かれていきますぅぅ・・・。
恭子はごくごく平凡な人生を歩んでいたのです
そう。
自分にもそんな時代があったなぁ
たぶん幸せだった。
平穏。安らぎ。温もり。それらがあたり前の暮らし。
でも、その生活も、足元から崩れはじめたら、
完全崩壊まではあっという間。
何がなんだかわからないまま私は自分を見失うほどに、
心の安定を保てなくなり・・・・・。
だから、恭子が尋常でない精神状態に追い詰められていく場面は
怖いくらいにリアルで、背景や状況は全然違うのに、
自然と自分自身に重なった。
人間、守るものがあるときは、強くなれる。
プライドを捨てて馬鹿にもなれる。
だけど、守るものも失うものも、何もかもなくなってしまったら・・・
私だったらどうなってしまうかな。
大事なものを守るために費やしたエネルギーが大きければ大きいほど、それがなくなったとき・・・・・
ただの腑抜けになるのかな。それとも・・・
でも、その前に、失うものが何もないなんて
そんな極限状態なんて、そうそうないかっ![]()
あ、、、話逸れ過ぎ・・・
物語にはいろんな要素(警察や企業の暴力団との癒着、
共産党系の市民運動、パートの雇用問題、などなど)、
が盛り込まれていて、一気読みしてしまったのだけど、
結末はなんとな~く中途半端な感じがした。
及川家のその後、子ども達のその後はどうなってしまうんだろう~。
恭子は?
久野刑事の義母へのやさしさや執着はどういう意味だったんだろう~。
洋平はあのままヤクザになっちゃうのかな~。
読了後、レビューをちょっとのぞいたら、
奥田英朗の作品では"邪魔"よりも"最悪"を推している人が多いみたい。
明日、古本屋をのぞいてみようかな
夜明けの街で---東野圭吾 ★ 2007年07月29日
ロートレック荘事件---筒井康隆 ★★★★ 2007年06月15日
最後の願い ・・・ ほか 2007年06月04日
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