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2010.12.02
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SSS

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全然足りない


キーボードの上で踊る指先が、最後の言葉を紡いで漸く動きを止めた。
力の篭っていた目元を解すように指先を押し付ければ、途端に自分が空想から現実に帰ってきたような気になる。
ついさっきまで脳内で動き回っていた宇宙人はすっかりナリを潜め、ふと思い出すのは疲れた時にこそ見たくなる彼女の笑顔だった。

塩田でようやくお互いの気持ちを受け入れあい、二人の新たなスタートを切ったのがつい昨日の事のように思う。
仕事を軌道に乗せ、二人の思い出のコテージを購入に至らせるまで色々な試練はあったが、辛いときも彼女が豪快に笑い飛ばしてくれたからこそやってこれたような気がする。

「……流石のアイツも寝てる、かなぁ」

百面相のようにクルクル表情を変えては龍之介を楽しませ、おせっかいな程に人の心に入り込みんでちゃっかり居座る彼女。
いつしか龍之介にとって無くてはならない存在――一生を共に過ごせる相手と思えたのは、気の迷いではなかった。
自分が自分で居られる。そして相手に其れを受け入れられる事は何よりだ。だが何といっても彼女は――可愛い。子犬をからかうかのように、すぐに反応を返す所はきっと一生変わらないだろう。

時折つまらない嫉妬さえ覚えてしまいそうな程溺れてるなんて、本人には決して言ってはやらないけれど。

「本当、馬鹿だよなアイツ……」

飽きる事の無い表情を思い出せば、無性に逢いたくなるのが人の性だ。
深い笑みを蓄えたままの龍之介が向かったのは、勿論彼女の部屋だった。






「なに」
「なに、じゃないわよ!何なの夜中に突然!?」
「んー夜這い?」
「はぁ!?」

今にも文句が飛び出しそうな唇を、黙らせるように口付ける。
(そーよ、俺って身勝手なの)
(今お前が無性に愛しくって仕方ねーんだ。諦めろ)



(女.神.の.恋/龍之介×吉子)





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Last updated  2011.01.26 21:11:51


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