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2006年05月30日
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カテゴリ: 患者さんとの交流
昨年春に病気が発覚した知子さんは、大のタバコ好きの人だった。

ボールマン3型のスキルスタイプの胃癌で、このタイプの胃癌は胃潰瘍の下によく隠れてしまうので胃潰瘍だと何年も前から診断を受けていた。
いよいよ食べられなくなり痩せてきてから、ようやく胃癌と診断された時は既に末期だった。

タバコは体に良くないし、そもそも病院では吸えないのだから、辞めるように何度も知子さんの実姉と言ったものだ。
手術が決まってから、術後退院するまでは病院から出たニコチンパッチで我慢出来たのだけれど、退院す
るとすぐさまタバコが始まった。
タバコは控えるようにと私が言う分には笑って誤魔化してしたけれど、実姉が言うと何度も大喧嘩になってしまった。

治療の為の入院が始まると、どんなに寒くても厚手のダウンコートを着て、病院の玄関まで点滴台を引きながら、寒さに震えてまでもタバコを吸いに出て来ていた。
真夏の暑い時ですら、厚手のコートを羽織るほどの寒がりだったのに・・・・

タバコを吸いたいから、頑張っているように見えた。
まさしく命がけでタバコを吸っていたのだから・・・

本当の自分の病状を知っても吸っていたかどうかは、わからない。
私自身、タバコはやらないのでタバコを吸う人の気持ちもわからない。
体に悪いことでも、患者さんにとってはそれが唯一の楽しみであったり、それ故に耐えられる事もある。

生きるためにどんな辛さも甘んじて受け、全力で突っ走ったpiccolaさんの姿を見てきた私には、甘えにも見えた知子さんのタバコだったけれど、人は誰しも同じじゃない。
そもそも、自分に当てはめてみたら、絶対に私はpiccolaさんのようにはなれないだろう・・・


いなくなってしまうと、残された者は
「そんなに好きなら、もっと素直に吸わせてあげれば良かった」と思う。
だけど、本人がいた頃は少しでも元気で長く生きて欲しいから、本人には酷な事でもついそれを求めてしまう。
そして、時に喧嘩になり、わだかまりになってしまう・・・

そんな思いの中で、皆過ごしている。






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最終更新日  2006年05月30日 15時39分49秒
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