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2009年02月10日
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カテゴリ: 患者さんとの交流
先日はスキルス胃癌(20代・男性)の治療が凄く上手くいっているお話を書きました
ですが、この20代男性患者さん同様の状態ながら、治療が上手くいかなかった患者さんの話も書いておきます。

もう、ずっと前の話です。
過去に書いた事がありますが、詳しくは書かなかったと記憶しています。

こちらの患者さんは30代男性で、病気判明早々に奥さんから相談メールが届きました。
スキルス胃癌で手術不可、抗癌剤治療を始めたばかりの頃です。
TS-1単剤だったか、シスプラチン併用だったか・・・記憶は曖昧ですが、治療が始まったばかりでしたね。
米村先生のセカンドオピニオンを希望されて、まぁ、治療開始したばかりでもあり、焦ってのセカンドという訳でもなく、また、この頃、米村先生の予約が取れるのは2~3週間先ってのが普通だったんです。
予約自体が入れられなかったんですよ。


奥さんからは、ちょくちょく状態報告メールが届きました。
副作用らしきものも出ず、仕事にも生活にも支障をきたす事もなく、普通の生活を送っていたのですが・・・
ある日、奥さんから「主人の下腹が出て来たような気がします」とのメール。
ん?もしかして腹水?って思ったので、ご主人のシルエットを確認して貰いました。
腹水が溜まっても、少量であれば悪さを働くこともなく、また、傍目から見てわかるものではありません。
ですが、量が増えると独特のシルエットを描きます。
女性でいうアンダーバストの当りから、水の滴のような曲線を描くので、素人でも見てわかります。
体重も増えます。

奥さんに確認して貰ったところ、どうやら腹水のようでした。
治療を開始して、未だ半月程度だったと思います。
抗癌剤が効いていないのか、はたまた、未だ効力を発揮していないのか・・・


セカンドオピニオンまで、あと1週間という時に、救急で病院に連れて行くという事態に発展。
明らかに状態悪化でした。
これは、とてもセカンドオピニンどころでは無いなぁと思ったので、延期されてはどうかと提案したのです。
新幹線に乗ってくる距離ですからね。
ですが、患者さん本人が、どんどん変化していく自分の体に、かなりの不安を覚え、どうしても行くと言ってきないと言います。

奥さんも、本人が強く希望しているので、私一人の付き添いでは心配だから、主人の兄と一緒に行きますと言われます。

それで米村先生に相談し、急遽、日程を早めました。
僕ね、○日の日曜なら病院におるからね、この日に連れてくれば良い
って仰るんで、日曜に病院に行く事になったんですよねぇ・・

こんな状態なので私も心配になり、博士と一緒に日曜に病院に行き、病院の車椅子を借りて玄関で待っていました。
タクシーで降りてきた患者さんは、相当やつれていましてね、緊急入院となりました。
即、腹水を抜き、腹腔内に抗癌剤を投与しました。

患者さんもご家族も、できれば米村先生の元で治療を受けたいと言われるので、このまま入院して治療となったのです。
奥さんは着の身着のままで数日泊まり込み、一端自宅へ帰って、荷物をまとめて病院に送る・・等々、相当ドタバタしました。

ですが、抜いた腹水は数日後には目に見えて溜まるという状態。
その都度抜いて、期間を置いて腹腔内投与を繰り返しましたが、腹水は全然止まってくれず・・・
多少の吐き気と、食欲不振の副作用はでましたが、重篤な副作用は一切でませんでした。
それなのに、どんどん体力が低下していき・・・
病状は進行していくばかり。
体力があるうちに帰らないと、もう地元には帰れなくなると判断。
結局、3週間くらい入院し、帰って行かれました。
そして、帰って1週間後に旅立ったのです。

同じ病気で同じような状態、全く同じ治療をしても、これだけ明暗が分かれます。
これが、抗癌剤治療というものなのです。

奥さんからも、当のご主人からも、感謝の言葉を頂きましたが、何ともやるせなく、辛く、苦い思い出です。
ですから、私、治療が上手くいった20代の男性患者さんのことを、すごく心配していたんです。
先生にも言いました、○○さん(亡くなった30代男性患者さん)の事があるから、心配ですと。
でも、怖がってばかりいたら、治療って前には進めないんですよね。
治療成功の芽を摘んでしまうことにもなるって、改めて感じました。








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最終更新日  2009年02月10日 13時39分17秒 コメントを書く


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