太陽の森

太陽の森

Jul 20, 2011
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カテゴリ: エッセー

最近、ふとした時に幼い頃のことを思いだす。

それも最低だったことばっかり。

「消して~~~~~~~~~。」的な。 

謝りたい人多々。

今日は中でもまだ話せるレベルの「まじかよオレ」な話しをひとつ、懺悔の意味も

含め告白しよう。 

ドン引き覚悟で読んで下さいませ。 

あれは小学校5年生の冬、当時、僕はとなりのとなりのクラスの女の子とつき

合っていた。つき合っていたって言っても小学生、そんなレベルかどうかは置いと

いてとりあえず「彼氏と彼女」、そうお互いに理解はしていた。

ハニーの名前は、「あけみちゃん」としておこう。

あけみちゃんが越してきた家は僕ん家の近くで(あけみちゃんは転入生だった)、

たまに夕食のあと僕らは近所の公園で待ち合わせをし、夜のデートを楽しんだ。

デートと言ってもベンチに並んで座り、ただ「5秒間キッス」をしたり、「じゃあ

次は10秒キッス~!!」なんかをしたり、クラスメートやイジワル先生や宇宙人

なんかの話しを大袈裟に話すくらいのものだった(かなり盛って話してました。半

分はノリで。)。

今思えば、なんなのか分からないデートだけどウブだったに違いない。

そしてあの日はやってきた。

いつもの様に僕とあけみちゃんは夕食後に公園で待ち合わせをした。

外は暗くて寒くて北風ピュ~ピュ~。

先に公園に着いた僕は氷のように冷たくなったベンチに腰掛け、あけみちゃんが

やって来るのをワクワクとしながら身体を丸めて待っていた。

暗くなった夕方の公園、あけみちゃんがやってきた。

寒さの中、街灯の灯りに照らされたあの時のあけみちゃんはやたら可愛くみえ、コ

コロはぽっかポッカコーフィーとなった。

「ごめんね、待った?」とあけみちゃん、 「ううん、それより寒くない?」

あけみちゃんは真冬なのにスヌーピーがプリントされた水色のトレーナー1枚だけ

だったのだ。 

「だいじょうぶだよ」

あけみちゃんは笑顔でそう言いながらも寒そうにトレーナーの袖に手を入れこんで

肩をすぼめていた。 

「んっ?」その時、僕の目に入ってきたのは恥ずかしがって可愛い顔を覆ったその

トレーナーの「そで」。

そこには見事なまでに穴があいており、かなりホツれ、そしてひどく汚れ、黄ば

み、お醤油のシミがつき、その繊維の全てがベッタリグッタリと疲れきっていた。

いつものあけみちゃんにはないパターンに僕は不覚ながら動揺した。

だって可愛いあけみちゃん、可愛いスヌーピー、なのに、いや、だのに、だのにな

ぜ? なぜソデだけが思いっきしヤラかしちゃってるの!?ナンセンスじゃない

か!!

そう、恋は水色 トレーナーも水色 昨日のキミはマーメイド(そういうのいりま

せん)

素直さとは時に残酷だ。僕は自分でも驚く程にひどく落胆していた(ソデに)。 

ちょい冷めモードが始まっちゃった自分自身にも引いた。

駄目だ駄目だ!!

トレーナーの袖がちょっとズタボロくらいでうんちゃらかんちゃら、僕の靴下だっ

て右と左、色ちがうし!!これじゃ、大好きだった女の子のあくびを見ただ

けでキライになっちゃった三年生の時とおんなじじゃないか!etc……、僕は必死に

自分に言い聞かせた。(この数年後、好きだった女の子の腹打ち飛び込みと水圧に

負けっぱなしのバタフライ姿を見てまたキライになる)

意識を逸らそうと試みても見ちゃう、見たらいけないと思えば思う程に、どうして

も袖ばっかり見ちゃう。イケない小学5年生。

更に最悪な事にその空気に気づいたのか、いや、その熱い視線に気づいたのか、あ

けみちゃんはヨレたそのソデをグイッとひっぱり、更に手をそこに入れ込み、その

やらかしてる部分を必死に伸ばし、隠しているみたいだった(よけい目立っちゃ

う)。

「だめだよ~!そんなに引っぱったら、もっとやぶけちゃうじゃないか!!それ以

上ひっぱったらボク、あけみちゃんのことキライになっちゃうから~!!(涙)」

僕は平静を装いながら心でそう叫んだ。

当時そんな気まずい空気の中でカマせるギャグもなく、沈黙が更に僕を真冬の窮地

へと向かわせた……。 

しかもさっきから何だか臭うのも気になっていた。

「あれ?」 

ぎょえ~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!!???????

ボ、ボクはまたしても見つけてしまった。

見つけちゃイケナイものを。。。。 

水色の可愛いトレーナー、スヌーピーのそのトレーナーの「ひじ」今度は「肘」。

そこには

なんと 

NATTO GA、

なってゅ~が、

な、な、な、なってゅってゅ、てゅ~が、 

納豆が!!!!

OH ! MY ガアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッツ石松!!!!!!! 

街灯に照らされた数粒のそれは(金の粒か!)、可愛いあけみちゃんの肘にしっか

りとしがみつき、驚きを必死で隠そうとしている僕をそれはまるで笑っているかの

ように伸び伸びと異臭をまき散らしていた。

「まったく~、こんな所で発酵なんてさせちゃっても~う、おちゃめか!!」

今ならそんな事を言いながらジェントルに肘についたそれをとってあげるのだろう

が、当時の僕はそんなレベルになく、ただただ引きまくり。

かなりのショックに打ちのめされ、動揺を隠すことで精一杯だった。 

先にも言ったが僕らのデートは夕食後。

あけみちゃんは今夜、納豆を食べたんだ 食べたんだ 食べたんだ~(輪唱)。

僕の意識はそこに向かった。

ひどい話しだが子供時代、僕の中で「納豆は朝ごはん!」が常識だった。

「あけみちゃん、納豆は朝ごはん、じゃないの?」

なんて言えるはずもなく。。。。(実際は夜の納豆が身体にいいらしい、あけみ

ちゃん先駆け!ってホロになってませんね……) 

そして「そで」と「ひじ」とほつれと臭いとスヌーピー、その相乗効果も相まっ

てか、どうなのか、何故か僕の脳裏に浮かんだのはいつかニュースで見た警察犬の

訓練で腕に噛み付いたまま離れないシェパードの姿だった。

「ワン!」

混乱していたのか、気づけば僕は小さく吠えていた。

「えっ?」とあけみちゃん

「な、何でもない」とボク。 

ダメだ、僕は「そで」のほつれや「ひじ」のネバネバなんかよりも夜ごはんに納豆

を食べているというあけみちゃんに幻滅した。僕はあけみちゃんをキライになろうとしたのか、そこからは早かった。

「なんで今日に限ってトレーナー1枚なの!?修行かっ!?」とか、心で酷い突っ

込みを入れ始め、更に意図しない想像力が勝手に働きだし、僕の中で可愛いあけみ

ちゃんは妖怪納豆にされ、しまいにはネバネバ婆さんになり、怖い、キライにまで

悪化していった。(し、しどすぎる)

僕もよく服の袖にご飯つぶとか付けてるくせに結局僕はあけみちゃんのことをキラ

イになった(はい、最低です)。

「あけみ!こんな時間にどこ行くの!?」

お母さんに怒られて着替えも出来ず、着の身着のまま外に飛び出して来たのかもし

れないのに。。。当時の僕に大切なそっち側の想像力は欠落していたようだ。

そう「恋は憧れ」だったのだ。

とにかく結果、デートに納豆達を連れてきてしまったあけみちゃん、それを可愛い

と思えなかったボク。

バッドタイミング。 

今なら可愛いと思えたり、なんでもないことが、子供の頃にはそうじゃなかった

りするもので……。

なんつって…………。。。

「どうしたの?」

冬の公園、黙ってうつむく僕にあけみちゃんが問いかける。

「ごめん、もう好きじゃなくなちゃった」 

ひどく残酷な小学生の僕だったのである。

ごめんなしゃ~~~~~~い(涙) 

あ~、やっと謝れた。

PS , その後、何度かあけみちゃんに理由を聞かれたが答えられるはずもなく、その度に何故かあ

の獰猛なシェパードの姿を思い出した。

ひょっとしてそれは当時の僕自身のココロの姿だったのかもしれない。

「ウ~~~~~~ッ、ワン!!」 






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Last updated  Jul 20, 2011 11:29:37 PMコメント(0) | コメントを書く
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