太陽の森

太陽の森

Dec 16, 2012
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長く延びる灼熱のロード
アスファルトにへばりついたコンドルの死骸
それを無表情で見つめるインディアンの精霊
彼の顔に刻まれた歴史
その上空へと意識の残像は羽ばたき もがく
大いなる光の糸に吊るされた自由と孤独
浮いたり沈んだり
共に重なり合ったり 
空なのか 大地なのか 
意図的に分裂し
それは無意識に砕けたりしている 
浮かんだ土地で年老いた精霊は僕にこう言った
「劣ることも勝ることもない、負けることも勝ち得ることもない‥…」
遠くの山肌に白く綺麗な雪が残る 
僕は峠を越え、歩き続ける
星空にほっとして 焚き火の向こうに未来をさがす
誰も知りえない稲妻が僕の中に光り
内なる宇宙から脳を突き破り
空の向こう側へと突き抜けたがる
僕はそれを必死に食い止めながら その行為の無意味さと自分への後ろめたさを
痛感する
  
そうこうしている間に世の中はすれ違う車のように猛スピードで様変わりしていく
僕は自分の歩幅で突き進む
そのリズムの中 
迫りくる暴風雨に飛ばされぬよう
ただひたすらに
留め具のない小さな正気にしがみつき
叫び  問い  進む 
皮肉な事に僕は心の情景が目の前の景色を作り上げてしまう事を知っている 
瞬間と共に僕はいるが
残念ながら誰かが言う「そこ」に僕はいない 
僕の右目は季節の中へと低空で潜り込み
その全てを見渡せる丘の上に左目を置く 
数ある哲学や思想、宗教という物質化されたそのどこにも僕は存在しない
流れゆく経験の中にのみ学び
耳を澄まし
そして吟味する
君自身が創りあげてしまった制御不能のモンスターは自分自身で消し去る他に方法は
ないのだ
もうこれ以上 時代をまたぐわけにはいかない
稲穂が揺れる草原を一人歩いている時もそれは突然やってくる
時の反転した午後、遠くの丘にぽつりと小さな小屋を見つけた
今にも崩れ落ちそうな 古いオルゴール箱のような廃墟を
そこに吹く 幻想的な風の匂い 音 吹きっさらしの別世界  
灰色の空を突き破る無駄のない光線 意識
僕は不思議に思う
幸せな風景とは何故こんなにも残酷なのだろうかと
まるで手触りのない空想みたいに
救い難いほどの残酷さに 僕はたじろいでしまう
 それは死に対する浅はかな思い込みに似ている
そして僕は我に返り落胆する
これが 僕の善良な精神なのかと......
遠い昔 丘の上
あの小さな窓を開け 風に揺れる幸せのカーテンを押さえながら
未知なる誰かが顔をだし
そんな僕を見つけたのだろうか
遠い未来 
知らない顔と 知らない声で 
あのなつかしい仕草で
またその手を僕にふるのだろうか
満面の笑みを浮かべながら
鋭利な刃物を抱えて立つこの僕に
君は「おかえり」と
優しい声で 
その手を僕にふるのだろうか 
その昔も  いまも  そして  いつかの今日も
とても居心地のいい 穏やかな場所で
僕を待っていてくれるのだろうか
だとしたら僕は全てを終わらせるだろう
あの頃から分かっていた
きっとこうなるって事 
何も感じなくなっていく恐怖
どこにも戻れないこの心を
それでも いつの日も
あの小屋は僕を受け入れてくれるのだろうか 
「劣ることも勝ることもない、負けもなければ勝ち得ることもない‥…」
いつかの精霊は僕にそう言った
それでも、まだ未熟な僕は思う
「自分のココロにウソはつけない」と 
まだ僕は感じる
森を彷徨い歩くオオカミのゴースト その思いを 
まだ僕は信じる 
こんな旅路に射し込む微かな希望をも
期待に傷ついても 希望に傷つくことはない
それまで僕は膜の薄いこの世界を歩き続ける
あの精霊の顔に刻まれた未来へと繋がる歴史の上を旋回しながら
強靭なモンスターに打ち勝つ秘策を一つ一つ手にいれていく
僕が僕を突き破るまで
僕が僕を突き抜けるまで 







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Last updated  Dec 17, 2012 11:01:27 PM
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