時計のようなもの




二人








人の心はときどき時計になる

どきどきしたり ズキズキしたり

彼女と同じ時を過ごす時 彼女と別れる時

ほんの数分前は隣に居たのに…

少し横を向けば彼女の笑い顔がそこにはあった

たぶん 恋をしている誰もが同じ想いをしてるんだろう



僕らは昼食にマックへ行ったんだ

別にデート代をけちった訳じゃないんだよ

僕は ビッグマックとチーズバーガー

彼女は…何だったけ?ほらパンの種類がちょっと違うハンバーガー

それを食べながら高校時代の話をしたんだ

僕は貧乏だったから 毎日 学食でカレーばっか食べてた

でね バイト代が入るとカレーにうどんってね

彼女は「毎日食べてて飽きないね」ケラケラ笑った

僕は「カレーだけは毎日食べても飽きないよ」って

窓の脇の席で少し日の日差しが眩しかった


僕らは考えたら共通のモノを持っていない

でも 貧乏な僕はブランドのアクセサリーなんて とても手が出る品じゃない

「そんなモノ持ってても意味ないよ」彼女は言う

彼女の優しさに少し救われる…

僕は携帯のストラップを買った

本当に悲しいくらいの安物

手に取る彼女は抱締めたくなる位の笑顔で喜んでくれた

二つの携帯に同じストラップが揺れてる 僕らの手の中で揺れてる

毎日 それを眺めて 毎日 毎日 想うんだ 

次に逢える日を 隣に居る幸せを 想うんだ

心の想いが溢れて僕らをお喋りにさせる

そして…彼女は何時も青空を僕に連れてくる








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