PR
カテゴリ
コメント新着
開高健著、朝日文庫、520円
今を去る45年くらい前、当時まだ33歳だった著者開高健さんがベトナム戦争をこの目で見ようと焼く100日、戦争最中のホーチミンとその周辺で取材したルポルタージュである
ベトナムは長い戦争に明け暮れた。
中国に1000年支配され・・・・フランスに80年支配され・・・・第2次世界大戦で日本がフランスを追い出すドサクサに1945年独立を宣言・・・・しかし、フランスが再び支配しようとして戦争になる・・・そのフランスを1954年5月デイエンビエンフーの戦いで殲滅・・・・ジュネーブ協定で南と北に分かれる。
南のゴ・ジン・ジェム政権は腐敗に腐敗を重ね、民衆が蜂起して内戦になる。その内戦においてアメリカはゴ・ジン・ジェム政権の肩を持つ。北ベトナムのホーチミン共産党は南の反ゴ・ジン・ジェム政権を応援する。
こうして南ベトナムでは全土がゲリラ戦になり、北へはアメリカが空爆を始める。
そのようなときに開高健は南のホーチミンへ行った。その戦いの様子、ベトナム民衆の貧しさ、アメリカの肩入れする政権のものすごい腐敗・・・
だが、それは序の口に過ぎない。皆川一夫さんの「ベトナムのこころ」、近藤紘一さんの「サイゴンから来た妻と娘」それらに書かれたのは1975年頃のベトナム。その1975年まで、この開高健さんの書いたベトナムから10年。既に10年前戦争に倦んでいたベトナム。その戦争がまだまだ10年も続くのだ。
10年後、南ベトナムは北の共産党ベトコンの総攻撃で陥落。共産党の苛烈な共産主義により数百万人のボートピープルが発生。さらに、ベトナムはその後もカンボジアとの戦争、中国との局地戦争をおこない、漸く1990年戦争が終了する。そして、漸く1980年1種の自由化ドイモイ政策が採用され、経済が復活する。それから20年。
そして現在は・・・
人間というのはどうしてこうもおろかなのか!支配層の腐敗はどうしてそんなにひどいのか・・・
ベトナムはこの本に書かれた時代から較べたらもの今すごく豊かになった。しかし、再び貧富の差が拡大している。
私の個人的感想だが・・・著者の開高健さんもまた故人である。彼は1989年12月59歳で死んだ。皆若くして死ぬなあ!
ベトナム戦記は単に事実を知る事も意義があると同時に、大国アメリカのおろかさを知るためにも是非読んでみる価値がある。
この本の頃はまだアメリカがベトナム戦争を始めて間がないのだが、アメリカがドミノ理論でベトナムに軍を入れてから10年後のアメリカ撤退に至る結論が既に出されている。
そのベトナムの敗戦、実際にはアメリカは負けてはいないのだが、逆に勝つことができず撤退する。その敗戦が・・・それから30年後のアフガニスタン、イラク戦争にまで尾を引いているのだ・・・そのことを書いたのが松岡完著「ベトナム症候群」中公新書。
話は飛んで、さて、北朝鮮の将来は・・・