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March 14, 2006
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以前、神戸大学出身の落語家(名前をど忘れしましたが......)が、 「英語で落語」という試み をして、海外で評判を博したことがある。私は、 「落語を英語で表現するのは、難しいのではないかな」 と思った。でも、あれは、素晴らしい試みだったのではないだろうか。

「落語」という、日本独自の文化の、その雰囲気や、笑いのポイントやオチなどを、英語にする というだけでも、頭をひねる。しかし、それはかえって、英語の「楽しい勉強」になる。英語力がつくのである。

 また、 英語を使って、日本文化を海外に紹介する ということは、日本を理解してもらうためには、とても大事なことである。

 一般の人でも、こういう 「目的」を持って、英語を学習する と、自分が何を勉強すればいいのかが見えて来て、苦痛もなく、楽しみながら英語力がつく。 「一石二鳥」 (Killing two birds with one stone=Serving a dual purpose) というわけである。

 ところで、昨日の続きだが、 『学辞郎』の Personal Dictionary for Windows (PDIC) は、 「『マジ』に『和英辞書』として使う」(To use it as Japanese-English dictionary seriously) ことは、もちろん可能である。

 私も、英文を書く時には、この PDIC のお世話に随分なっている。けれども、この 一見「真面目な」PDIC には「裏の顔」があって、これがやはり実に爆笑もの なんである。

 よくお笑い番組で、タレントが真面目な顔をして、可笑しなことを言う。ちょうどそんな感じなのが、この PDIC なのだ。真面目な「学習ソフト」を装って、人を笑わせるのがホントにうまい。まさに The Two-faced Dictionary (二面性のある辞書) といった感じなんである。

 例えば、私は何かを調べようとして、辞書の検索バーに 「ど」を入力して、そのまま Enter Key を押してしまった。そうしたら、実にこっけいな例文が登場する。

 ●どーした大森くん、遠慮することはない、マグロでもトロでも、ウニでもアワビでもどんどん頼みたまえ。
v(^^)v

 ― What's up, Omori-kun? Don't hesitate to order what you want. You can order anything―tuna, fatty tuna, sea urchin, or abalone.

 口語表現の例文とはいえ、その日本語の書き方がノリノリなのが可笑しい。英語では "What's up, Omori-kun?" は、大して可笑しくない。でも、日本語が笑える。「どうした、大森くん」じゃなくって、 「どーした大森くん」 となっているのが笑ってしまう。

 それに、この「ど」から始まって、「どあほ」の次が 「ど田舎」 という言葉になっている。だが、この「ど田舎」の「和訳」は「真面目に」解説してあるかと思うと、その「例文」を見たとたん、吹き出してしまう。

 ★「ど田舎」: the boondocks/ the sticks/ way out in the country 【例】 「去年、芋町に住んでたん」「へぇ、どいなかやなぁ」 (@@;)

 ― "Last year, I lived all the way out in Imomachi." "Whoa, that's really out in the sticks!"

 英語そのものは「真面目に」和訳例が紹介されているものの、日本語の【例】に思わず笑ってしまう。

 大阪弁が悪いと言うんではないが、普通、辞書に書かれてある「例文」は、標準語なので、 その意外性に笑いが込み上げてくる んである。 (この辞書を編纂した方のお顔を拝したいもんである)

 また、よく小学生から大学生まで、口にする言葉は 「うそ!マジで?」 なんである。この「マジ」を入力すると、また楽しい「例文」が出現する。

 ●マジだよ!君は本当にいい声してるよ、いいなー!

 ― I mean it! You have a great voice. I envy you!

 ● マジなネットワーカー なら、ラップトップコンピュータくらい持ってるもんだ(=ラップトップを持っていないネットワーカーなんて、マジでやってるとは思えない)。

 ― What self-respecting telecommunicator would be without his/her laptop computer?

 ここで "self-respecting" (名に値する・立派な)という表現が、今風に言えば「マジな」となり、 "telecommunicator" (在宅勤務者)が「ネットワーカー」となっているんである。

"laptop computer" は、「ノートパソコン」のこと。「膝の上に乗せられる(laptop) パソコン」ということなので、英語で、"note personal computer" なんて言うと通じない。

 この文を「教室風」に訳すと、 「在宅勤務で立派に仕事をしている人が、ノートパソコンなしでいられるだろうか?」 となるんであるが、この PDIC の「例文」のように、 「マジなネットワーカーならラップトップコンピュータくらい持ってるもんだ」 となると、とたんにお勉強も生き生きしてくる感じである。

 ちなみに、 「マジかよ!」 は、 "Strewth! /Streuth!/Strooth!" と言うそうだ。これは要するに俗語で、「【語源】God's truth」という風に、PDIC は「マジに」説明している。"God's truth" が崩れて、Strooth! となったんだろう。

 他にも、 「あれー」を入力し、Enter Key を押してしまう と、またまた愉快な例文にお目にかかれる。

 ●あれー?! 冷蔵庫が空っぽ、 夕飯どうしようかしら?

 ― Oh, no! The refrigerator is empty. What am I gonna do about dinner tonight?

 これだけを見ると、ごく普通の「マジ」な辞書に一見見える。しかし...

 ●あれえ、まだ覚えてるかな? 昔は振り付きで踊れたんだけど、 ピンクレディーの『UFO』。
v(^0^)v

 ― Hmm? I wonder if I still remember. I used to be able to sing and perform Pink Lady's "UFO".

 ●あれえ、五輪旗の右端の 輪っかって何色だったっけか? (--;)

 ― Oh? What color is the far right ring on the Olympic flag?

 要するに、ここでは「あれ?」に相当する英語表現を紹介しているに過ぎない。それなのに、日本語の例文がお茶目だ。どうして、わざわざ「ピンクレディーの『UFO』」を登場させたりするんだろう? この辞書の編纂者は、よっぽどピンクレディーが好きだったんだなぁ

 それに、ring を「輪」じゃなくて、 「輪っか」 にしたり、「何色だったっけ?」じゃなくて、 「何色だったっけか?」 にしている所が笑ってしまう。
よっぽど、肩の力を抜いて、例文を作ったんだなあーと思うんである。

 ついでに、 「お」を入力して Enter key を押す と、急にこんな例文が顔を出すんである。

 ●お、おい、この吊り橋,本当に向こうまで渡れるのか?ちょっと待ってよ、 俺はインディー・ジョーンズじゃないんだぞ! (@@;)

 ― Listen to me. Can I really cross over to the other side by this suspension bridge? Are you kidding? I'm not Indiana Jones, OK?

 ● お、チャルメラだ 。やっぱり飲んだあとの締めは、屋台のラーメンだよね。
v(^0^;)v

 ― Wow, I can hear the sound of charumera. No doubt about it, the final destination after drinking is a bite to eat at a ramen stand.

例文に「インディー・ジョーンズ」や「チャルメラ」が出てくる所が笑いを誘う ではないか。この辞書の編纂氏は、きっと「インディー・ジョーンズ」の映画を観た後、「チャルメラ」の音色に誘われて、「屋台のラーメン」をすすった感動が忘れられなかったんだろう。

 単に、ここでは「おい」「おや?」「あっ!」に相当する英語表現を紹介している訳なのだ。

 「お、おい」が、 "Listen to me." となり、「ちょっと待ってよ」が、 "Are you kidding?" (=冗談だろ?)となっている。それに、「おっ!」が "Wow!" となって、「やっぱりさ」が "No doubt about it,..." となるんである。

 それにしても、平板な「日本語の例文」と、「今風の口語体の日本語の例文」とを同時に並べているのが、この PDIC の味なところだ。落語ではないが、こういう 「爆笑CD-ROM をインストール」して、面白い例文を収集する というのも、楽しく英語が身につく方法の一つかも知れないとマジで思うんである。





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Last updated  March 14, 2006 07:16:57 PMコメント(0) | コメントを書く
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