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息子は12歳の誕生日プレゼントに、おじいちゃんからのお年玉を使って、 「ドラクエ」 なるものを買った。
「ね~、どうしてもドラクエ...欲しいよ。今すごい人気なのにさ」
「それじゃ、お年玉でね。でもその『ドラクエ』って何?」
「ドラゴンクエスト・モンスター・ジョーカーズ」
「......?ドラクエ...ジョーカー?」
「とにかく、DSのソフトなの。Wi-Fi で繋いだら、全国の人と対戦もできるんだよ」
それで、届いたソフトのケースには、 「DQM」 とある。
「『ジョーカーズ』のJ がないじゃない。これでいいの?」
「いいの、いいの。これがDS用のドラクエなの」
あとでよく考えると、 Dragon Quest Monsters の頭文字で、DQM となっている ことに気がついた。
息子はそれから、ここ1週間というもの、毎日「ドラクエ」で奮闘中。
私は最初は何だか訳が分からなかったが、要するに、 主人公のジョーカー君が、冒険の最中、出遭ったモンスターと戦ったり、時にはスカウトしたりして、自分だけの「モンスター」を作り、育てて強くさせる ーというゲームなのだった。
捕まえたモンスターの雄と雌を「配合」させると、別のモンスターができる。 それが、時にはかっこよいドラゴンだったり、気色悪いモンスターだったりする。
息子は戦いの様子や、新しく生まれたモンスターやドラゴンを私に見せに来る。
「ドラゴンの方がかっこいいね。これがすてき」 などと、私もいつの間にか、お好みができてしまった。
「でもかっこよさを追求しててもダメみたい。ドラゴンは防御力は高いけれど、攻撃力は低いから。 やっぱ、迫力あるモンスターを作らなくっちゃな~ 」
それで、息子は ネットで「ドラクエの裏技」を検索 し、どれとどれを配合したら、すごいモンスターができるのかを研究し、やっとこさ、 「うひゃ~これは...」というグロテスクなモンスターを生み出した。
だが、それでもWi-Fi で全国大会に出場したら、2回戦で必ず負ける。順位は全国では、5万位という低さ。
全国大会で1位となるのは、 「もうこれだけの最強で超グロテスクなモンスターがいる?」 という感じのものばかりが登場する。
しかし、息子がこのゲームをやっていて、ここ数日 「食欲がない。思い出すとむかむかする...」と言いだした。
理由は、ドラクエの中に登場する、悪の世界の会長、カルマッソなる人物。
このカルマッソは、モンスターの「マ素」を大量に浴びて、 「ガルマッゾ」という、とてつもなく気色悪い、最高にグロテスクなモンスターに変身してしまう。
そのガルマッゾを見ていたら、気分が悪くなった、と言うんである。
「ガルマッゾって、『ゾンビ系』のモンスターらしいよ」
「ちょっと...ん~これは...年齢的に少し早かったかな」 とも思った。
しかし、こういうモンスター系のゲームの中に登場する、超超グロテスクな怪物を見ていると、 私はふと、現実にも、こういった、おどろおどろしい生物が存在するのではないか 、と思ってしまう。
年が明けて、ほんの数日経った頃から、この2週間で、 次々と「遺体をバラバラに切断する」という、猟奇的な殺人事件が全国各地で起きたからだった。
昨日の15日には、 京都精華大学の、ストーリーマンガコース専攻の学生が、帰宅途中、何者かに襲われて殺された。
この男子学生の描いていた作品を、テレビでちらりと見たが、ペンタッチもこなれていて、構成もしっかりしている。
1年浪人した後、合格した後は、非常に成績優秀で、質問も活発だったという。その彼が、自らの作品に書いた台詞がある。
「人生何が起こるかわからない」
彼の漫画家への夢は絶たれてしまった。
人を殺したり、遺体を切断したりーこういう恐ろしいことをやってのける人間の心の中には、ガルマッゾもどきの恐ろしくグロテスクな怪獣が存在している。
いや、犯人は、 人間の皮を被ったモンスター そのものなのではないかとさえ思えてならない今日この頃である。
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