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今日、海外のネットニュースに、「英国俳優のD. ラドクリフさん 全裸で舞台に」という見出しがあった。
ダニエル・ラドクリフ......あの「ハリー・ポッター」の看板俳優。今17歳。記事の写真は、上演中の彼の上半身が写っていた。
髪も、あの「ハリー」とは違って、金髪で短く切った、ロンドンの今風の若者スタイル。
「......ち、違う人みたい......それに舞台でヌード?」
映画とは違って、舞台だから、いつでもライブ。
舞台のストーリーや演出の上で、ヌードになる必然性もあったのだろう。
「勇気があるなぁ~」
果たして、ラドクリフの the nude が舞台芸術になり得たか否かは、これは観た人により判断が任される。
(ちなみに、「芸術」 art を意識しない場合の「ヌード」は、英語では、be completely naked というんだそうである。)
ルネサンスの昔、(今はバチカン市国内の)システィーナ礼拝堂の天井画をローマから依頼されたミケランジェロは、聖書のエピソードを基に、自由自在に人物像を描いた。
いつも天井を向いて絵を描いていたので、その大事業が終わった後も、しばらく、首を下に下ろすことができなくなったそうである。
ミケランジェロは、彫刻家でもあったので、人間のありのままの「裸体美」を、油絵で立体的に描こうと苦心した。
それで、現在のような、素晴らしい礼拝堂天井画が完成した。
けれども、その礼拝堂が落成し、天井画が一般公開された時、当時のルネサンス時代の人々は眉をひそめたそうである。
「神聖な礼拝堂に、よりによって、人間の裸体を描くなんて!」
非難ゴウゴウの中、ミケランジェロは仕方なく、腰の周りに衣服を描いたとかいう話も読んだ覚えがある。
それでも、フィレンツェなどで、ミケランジェロなど、中世の巨匠たちの彫刻が、街中に溢れているわけなのだが、それらは衣服をまとった人物像ではない場合が多い。
たいていの人は、「優れた芸術だな」と感じる。
だが、子供は違う。イタリアでも、そういう彫刻を見て、小学生は、「なんでこの人、裸なの~?」と笑うそうだ。
人間のありのままの姿、その曲線美やバランス、立体感や影を研究し、理想を高めて、ひとつの絵画や彫刻として完成した場合、それが「芸術」となる。
でも、人間のありのままの姿を、ただ「情欲の対象」として眺めた場合、それらはただの淫乱な「画像」と堕す。
人間の姿というのは、危ういところで線が引かれていると思えてくる。難しい問題かもしれない。
最近は、小学生から、インターネットを自由に検索することができる時代。
私の息子も、(今は冷めたけれど)DS の「動物の森」の情報掲示板や、今熱中している「ドラクエ」の裏技情報掲示板などを検索する。
それでも、息子が「ドラクエ」を検索したら、なぜか、どど~んと「アダルトサイト」(これを今小学生たちは「エロサイト」と呼ぶ)が表示されてしまうらしい。
もう、言葉では表現するのがはばかられるほどの、淫乱かつ変態的「動画」がネット上、はびこっていて、それを、小学生が見てしまう......
今は、そういう時代なのだ。
そう割り切ってもいられないほど、本当に「健全な青少年育成」の障害となるぐらい、「困ったサイト」が氾濫している。
「健全な」というのは、「年齢に見合った情緒を育む」という意味があるのだと思う。
でも、「困った世の中だなぁ」と思っていたこの私が、冒頭の、「ラドクリフの the nude」という記事を見ている時、息子が学校から帰ってきてしまった。
息子は、この記事を見て、意味がイマイチ分からなかった。仕方なく、私は説明した。
「あのね、あのラドクリフがね、『ハリー・ポッター』 とは別の、演劇の舞台でね、何も着ないで演技したんだって」
「えっ......何も?全部着ないで?」
「そうなの~(汗)お風呂に入る時と同じ格好でね」
息子には、これは相当なショックだったらしい。
普段から、「エロサイトがまた出た。気持ち悪い」と言っては、すぐに画面を消していた彼。
よく学校から来る「不審者(最近は露出狂が圧倒的に多い)のお知らせ」に、笑いながらも、気味悪がっている12歳の彼。
「ラドクリフは、変な目的で、服を脱いだんじゃないよ」
こう言っても、息子はショックを隠せない。
「でもさ......そんなことをする人だったなんて......」
息子は、「ハリー・ポッター」の第五作が映画化されるのを楽しみにしていたのだが、「も~う、観たくない」と言いだした。
あんなに「ハリー・ポッター」のファンだったのに......
そう思うと、私はとても残念な気持ちになってしまった。今は、息子は、「性」というものに、微妙な感覚と関心が芽生えつつある。
それだけに、こういう類いのものには注意が必要なのだった。
本当に、ネットの記事は、不用意に、子供の前で見たりするもんじゃないな、と猛反省したんであった。
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