
そして、3階まで吹き抜けの開放感。
目の前に、そして2階、3階もたくさんのお客さんが詰めかけてくださいました。
その中で奏でられる中村さんの音色は
空間に、溶け込むように、時に渦を巻くように、表情を変えて耳に届いてきました。
「音の旅を楽しんでください」と中村さんが一言言うと
中村さんの表情から笑顔が消えて鍵盤に触れた瞬間、音の旅へ出発です。
一曲目は「龍の涙」。
中村さんの奏でる音色が動き出し、ステージから舞い上がっていくようにふわっと軽やかな美しい音色。
少しの沈黙のあと、その音は強さに変わり、
今にも動きだすような躍動感で溢れました。
体が持っていかれるような不思議な感覚です。
静かになった会場に響く「夜行列車」。
真っ暗な中を列車が進んでいく静けさから始まり、そこから平坦な道、ぼこぼこの道、それを乗り越えた先に見える景色。
静寂の音から、強い音まで本当に表現豊かなピアノに引き込まれました。
最後は暗闇の中に、私の心の中には光のようなきらめきが見えました。
そして「栄光のファンファーレ」。
1つ1つの音が強く背中を押してくれるよう。
眉間にしわをよせながら強さと繊細さを織り交ぜて、
中村さんの音が紡ぐ景色がどんどん続いていきました。
最後は上を見上げて、目をつむりながら何かを考えるように弾いていました。
ライブパート2は
「Mr.Lonely」
JET STREAMのテーマソングでスタートです。
中村さんのアレンジで、楽しいテンポチェンジと多彩なメロディー。繊細さと力強さがMIXされたドラマチックな一曲でした。
さらに雰囲気が変わってケルティックウーマンの「You raise me up」
水面に水滴がひとしずく落ちて広がっていくような神秘的で美しい音の広がり。
中村さんの表情も繊細に、そして鍵盤に触れる手も丸く優しく。まるで儚いものにふれるような柔らかい弾き方です。
会場のみなさんも、通りかかった人も思わず足を止めて聞き惚れていらっしゃいました。
そして美しい水面が激しい流れに変わった「モルダウ」。
岩の間を激しく流れるような水の表情。
ライブパート3は
旅の中で景色や人に出会えたことの喜びを表現するような「一期一会」。どこまでも美しい音色と
今日、中村さんのピアノの音色に出会えたことに感謝したくなる、心がじわっと温かくなる一曲。
そしてラストは「火の鳥」。
中村さんの体や手が何度もキーボードから飛び出して、アクロバティックな圧巻のパフォーマンス。
鳴り止まない拍手に包まれました。
中村さんのピアノの音色に身を任せたら、
頭の中に色んな景色が広がっていきました。
私は曲の中に一瞬光が見えてくるような不思議な感覚になりました。
1曲1曲が終わるごとに心が強くなっていって、旅の終わりには自分の心がすっかりと入れ替わっていました。
繊細さとダイナミックさ。
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1.龍の涙
2.夜行列車
3.栄光へのファンファーレ
4.You raise me up
5.Mr.Lonely
6.モルダウ
7.一期一会
8.火の鳥

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