

藤井君は「角換わりというより相掛かりのような展開になり、急所が掴みづらく非常に難解な一局だった。難しい将棋の中で一手一手考えることができ、充実感のある時間を過ごすことができた。第2局以降も面白い将棋が指せるように頑張っていきたい」とコメント。
一方、敗れた佐々木君は「終始先手にうまく指されていて、見切られていた。一局に見えそうでじっくり考えてみると苦しい将棋だったと感じた。本局は悔いの残る手はそんなになかった。結果は仕方がないので、切り替えてやっていきたい」と次なる戦いへ視線を向けていた。



調べてみると、佐々木君のチャンスは少なかった。そのチャンスは前半の藤井君が15分の少考で「じっと」6筋を支えた、57手 ▲6七歩打 の局面。
1日目の昼食休憩の前の局面だ。
初日の昼食明け、直ぐには指さず、なおも佐々木君は考え続けた。昼食明け1時間が経過して、午後2時半、佐々木君は2時間14分の大長考で3四に歩を打った。
△8七角打 以下の進行例は、▲7七銀 △8四飛 ▲6八金 △8八歩打 ▲8六歩打 △7五歩 ▲4五歩 △5五銀 ▲5六歩 △6四銀 ▲2二歩打 △同金 ▲9七桂 △7六歩 ▲8八銀 △8六飛 ▲6六角打 △3三歩打 ▲8七銀 △同龍などで本譜の進行よりは優った。

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