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弟へお姉ちゃんは気付きました。『パリジャンと思って~』を読んでくださったお母さんのお友達が、お母さんに「良かったよ~」と優しい感想のメールやお電話をくださる時、お姉ちゃんは、お母さんに怒られません。それどころかお姉ちゃん、すごく天狗になったりしています。天狗になるのは、ものすごく気持ちがいいのですが、家の外では天狗であることがバレないように、細心の注意を払って行動しなければと思います。さて、先日のアレヂとの再会の折も、お姉ちゃん、細心の注意を払いました。本題が例の本のことなので、本を見せた時のアレヂの反応を想像するだに空恐ろしく、二人きりで会うには勇気が要りましたので、「私も行くよ」という斉藤さんのお申し出は大変有り難かった。かくして斉藤さん(冷静沈着・有能編集者)と、マコト(アレヂお気に入り・盛り上げ上手のレズ)というアレヂ接待における最強メンバーと共に、東京のど真ん中でアレヂと再会したのでした。半年ぶりに見るアレヂ。変わっていませんでした。研ぎ澄まされたように痩せていて、宇宙人並に顔が小さい八頭身で、ジョークで笑うまでが、日本人より一歩遅くて。私があげたシャツをしわしわのまま着ていて、でもカバンは新しいのになっていて。そうだよね。誕生日にプレゼントした黒いカバン、ずっと使っててくれたけど、かなりボロボロだったもんね。なんて思ったりして。……なんということでしょう。何様なのでしょう。とっくに他人だというのに、アレヂを見るお姉ちゃんの目は、あまり変わっていないのでした。好きとか恋とか、そういうのとはまたちがうと思うのだけれど。あの頃と同じように、アレヂの身だしなみが気になったり、レストランで肉の入った料理を注文できないアレヂに、友達の手前イライラしたり。それでいて、アレヂに触れることと、同じ家に帰ることは許されないのでした。アレヂはその後正社員になり、仕事に趣味にと、忙しい毎日を送っているようでした。あの家から引っ越したらしいけれど、引越し先は伏せられました。本を見せてみて、出版の許可を求めたら、怒ることはせず、パラパラとページをめくり、四コマ漫画を読んで笑ってくれたので、どうなることかと思っていた分、力が抜けるくらい安堵しました。アレヂとは、時々短いメールを交わしていました。アレヂからは正社員になったとか、音楽を作ったとかの自慢報告メール。お姉ちゃんからもイタリア旅行に行ったとか。もちろん自慢報告メール。でも会って話したら、実はお互い良くない出来事も起きていたことがわかったりして。なのにメールでは、張り合うように自慢しかしてなかったなんて。なんだか、アレヂもお姉ちゃんも可愛いなぁと思いました。お姉ちゃん、別れてから随分と、色々反省して、勉強して。もしもタイムマシンがあったら、お姉ちゃんは過去に戻って、あの頃のお姉ちゃんに、「そのセリフは言っちゃいけない」とか、いいアドバイスができたりして、アレヂとうまくいったかもしれない。なんて思ったり。思い返せば、アレヂとの軌道がズレてきたのは、だんだんとなんとなくではなく、いくつかの決定的な出来事があったような気がして、少し大人になって振り返れば、鮮やかにそれがどの出来事かわかるから、きっと、タイムマシンがあれば、今もお姉ちゃんは、アレヂといたのかもしれない。でも、タイムマシンはないから。タイムマシンが簡単に作れないこと、誰もが前にしか進めないこと、それってきっと、意味があるんだよね。ねぇ、弟。お姉ちゃん、難しいことはよくわかんないけど、前にしか進めないって、悪いことじゃないのかもしれないね。前に進んだ先にまさかのアレヂがいるかもしれないし、いないかもしれないし、王子様がいるかもしれないし、いないかもしれない。とにかく前しかないなんて、迷わなくて、わかりやすくて、いいね。ねぇ、弟。当たり前のセリフの前に、「難しいことはよくわかんないけど」ってつけると、途端に青春ドラマになるから、今度使用してみて。例)・俺、難しいことはよくわかんねーけどさ、 焼肉うんめー!! ・俺、難しいこととかわかんないけどよ、 太陽ってあっつくね?!そうそう。アレヂのご機嫌を取るために、アレヂの誕生日も近かったから、斉藤さんとマコトと一緒に、贈り物をしたの。アレヂの好きなカシューナッツと、ピーナッツバターと、綿100%の靴下と、犬のアップリケがついた青いハンカチ。綿100%の靴下って、どこにも違う繊維が入ってない靴下って、結構見つけるの大変なんだよ。昔それでアレヂと喧嘩したこと思い出しながら、アレヂが喜ぶのはこれだと思って選びました。アレヂが帰りにメールをくれてね、〈今日はありがとう。プレゼント三人からと言ってたけど、全部選んだの貴様でしょ〉って書いてあってね、なんかよくわからないけど嬉しくなって、本当は、カシューナッツとか斉藤さんのアイディアだったけど、〈バレた?〉って、お姉ちゃんウソをついちゃいました。好きなものも嫌いなものも知ってるけれど、触ってはいけない、天然記念物みたいな存在の人が、東京のどこかで、元気に暮らしてる。今は不思議と、それで充分だと思えます。…成長した?お姉ちゃん成長した?なお、以上の日記、お姉ちゃん、MISIAの『忘れない日々』を聴きながら、入り込みながら書きました。弟も良かったら『忘れない日々』を聴きながらもう一度読み返して、音楽マジックを体験してみてください。びっくりするくらい感動的になってるはずだぉP.S ワンピース…お友達から返ってきた……?
2010.07.01

弟へ一人暮らしは順調ですか?お姉ちゃんは、今日もお母さんに怒られました。思えば毎週土曜日は、必ず怒られている気がします。お母さんの怒りは、お姉ちゃんがお昼近くまで寝ていることへの怒りから始まり、お姉ちゃんの生き方全否定に至るので、お姉ちゃん、休日正午近くに起きるたび、心臓が止まりそうになります。おどおどしながら、掃除機をかけているお母さんの後ろ姿に、「おはよう」の代わりに「すみません」を言いながら、ご機嫌を窺うのが習慣です。……でもね、お姉ちゃん思うの。そんなに怒るなら……起こしてくれればいいのに……。予定がないのに自力で早く起きれるほど、お姉ちゃんは強くない…強くないよ……。でもお姉ちゃん、お母さんにはなるべく逆らわないって決めてます。だって……両親を養ってもおかしくない年齢なのに…収入のない実家寄生虫ですもの……。ごめんなさい…。常にごめんなさい……。だからお姉ちゃんのお母さんへの返事は基本、うつむき加減で、「はいです…」か、「はい…。はいです…」です。でも今日、朝から怒りっぱなしのお母さんをさりげなく傷つけたくて、去り際のお母さんに、「髪型と雰囲気が男みたいになってるから気をつけて」って言ってみたの。言って即後悔したの。お姉ちゃんが亀だったら、一瞬で甲羅内に手足頭引っ込めてた。「あんたいつも生意気なのよ」って戻ってきたお母さんは、「のび太のくせに生意気だぞ」っていうジャイアンを彷彿とさせました。自身が母親になって、我が子を諭している友達も多い中、お母さんに怒られながら、のび太が母親に怒られてる時に使ってた現実を早送りできるドラえもんの道具について考えてるお姉ちゃんは、生まれてすみませんだと思いました。ところで先日、あなたの元お義兄さんのアレヂと会いました。半年ぶりの再会。アレヂに本を出したことは黙っておこうと思っていましたが、出版社からの絶対命令で、本持参で挨拶に行くことになったのです。……お母さんがジャスコから戻ってきたようなので、つづきはまた書きますね追伸:『ワンピース』…まだかな……? なんてね…。
2010.06.26

弟へ一昨日は突然電話してしまいごめんなさい。お姉ちゃん、あなたにびっくりするくらいの低い声で、「何?忙しいんだけど」と言われた時、正直、怖くて泣きそうでした。「ワンピースの46巻~50巻までがそちらにあるか?」という確認と、あるなら郵送して欲しいというお願いの電話だったのですが、あなたの「あるけど?」という声が、さらに低くなっていることが恐ろし過ぎて、お姉ちゃん、思わず電話を切ってしまいました。……という話を、今日お友達にしたら、「それ、昨日もきいた」と言われたので、よほど心に残っていたのだと思います。あ、今週ブックオフに行く予定ですので、ワンピースのことは気にしないでくださいね。そうそう。mixiで本の紹介してくれてありがとう。一人、女の子で、〈サークル観に来てたキレイなお姉さんですか?〉ってコメントしてくれてた子、いたかと思います。彼女、とてもいい子だと思います。彼女さえ良ければ、今日から“エンジェル”って呼んであげてください。……それでその…実際に買ってくれたお友達…いたかな……全然、全然、買えとかいう意味じゃないの。学生にとっての1260円って、五日分の食事代に相当すると思うし。だから、買ったりすることを望んでるんじゃないの。でもね、学生だからこそ出来ることもあると思うんだぁ。一個前の日記とか見てみてくれてもいいと思うんだぁ。お母さんのお友達はね、皆さん本当にいい方で、すぐに購入してくださって、お母さんの携帯メールに、感動的な感想も送ってくださったの。その中にね、〈ヒロ子ちゃんを息子(弟の友達のS君だよ)の嫁に…〉というメッセージをくれた方がいて、なんだかじーんとしたの。そしたらね、〈ヒロ子もS君のこと可愛いと言ってました〉って、お母さん返事してたの。その返事を見てS君のお母さんは、我に返って警戒されたんだと思う。次のお返事は、〈冗談はさておき、〉でした。中学時代の同級生のO君が、同窓会のときに、「この前ナマの松浦亜弥見たんだけど、ナマで見ると、田丸に似てんのマジ」と言ったとき、場の空気が有り得ないくらい静まり返って、にも関わらず、「いや、マジだって」と言い続けるO君に抱いた殺意と同じものを、お母さんに抱きました。お姉ちゃんの携帯メールも、本を購入してくれた方からの感想で大忙しで、この前バイブが鳴り止まなくて、見たら30件もメールが来ていた……という、夢を見ました。お姉ちゃんに感想をくれた方が3人…しかいないのは、お姉ちゃんに人望がないから……もあるけど、お姉ちゃん、気付いたの……。あの本……読んだら…とてつもなく気まずい気持ちになるよね……。お姉ちゃんが友達からあの本を買うように言われて読んだら、もはや「頑張れ…」か、「が、頑張れ・・・」しか言えないと思う。お姉ちゃん……読まされた相手の気持ちも考えず…般若のようになりふりかまわず宣伝してた自分を恥ました……。ごめんなさい…。皆さんごめんなさい……。たぶんお姉ちゃんの中で、一冊の本になったことにより、自分のことというよりも、桃太郎とか、ハリーポッターとか、そっちの感覚になってたんだと思う……。ごめんなさい……。そしてご購入くださった皆様、この場を借りまして、本当にありがとうございました。お会いした時に、ささやかながらお礼のピーナッツをお渡しできればと思います。また、これは独り言になりますが、サインも練習しております由。本の終わりは暗いけど、お姉ちゃん、今元気です。お姉ちゃんの近況元気に学校に通って、数年ぶりの学生生活を送っています。学生生活を送って、「あれ…?あたし今あの子たちに無視された…?そういえばトイレの時間もズラされてる…?あれ…?もしかして嫌われてる…?」っていう、ジャッジが下るまでの、一番ドキドキする状態を味わっているところです。それから、今日、「自分が芸能人だと誰に似てるか?」っていう話をお友達としていて、お姉ちゃん冗談で「藤原紀香」と答えて笑ってもらおうと思っていたら、「え…?どのへんが…?」と本気で戸惑われたので、思わず「……離婚したところ?」と答えたら、笑ってもらえました。新ギャグが完成しました。それから、ブログランキングやアマゾンランキングに一喜一憂したりしています。辛口コメントに凹んだり、何も変わらない状態に凹んだり、凹んでる自分を快感に思ったりしています。でもね、お姉ちゃんは、本の売れ行きとか、どうでもいいの。ただ、この本に携わってくださった編集者の方や、松本ひで吉さんのためにも、売り上げという形で結果が出たら、嬉しいなと思って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うそお姉ちゃん…自分のために、本が売れればいいって思ってる……。「授業にまったくついていけないんだよ?有り得ないくらい馬鹿なんだよ?TOEICも絶望的な数値で、履歴書の内容は最悪で、面接が苦手で、絶対就職できないよ!本が売れたら書く仕事もらえるかもしれないじゃん!だからお父さんもプライバシーとか恥ずかしがってないで宣伝してよ!今宣伝しないでいつ宣伝するの?!」って、お姉ちゃん、泣きながらお父さんに訴えちゃったもん……。訴えながら、「あぁ・・・、これが私の本音なんだ」って、思ったぁ。。。本出したら人生変わるってきいてたの…。ねぇいつ…いつ変わるの…?サイン会とか、出版記念パーティって何・・・ねぇ何・・・?わかんない・・・。お姉ちゃんわかんないよ・・・・・・。夜分に長々とごめんなさい。体に気をつけて、勉強頑張ってください。お姉ちゃんより
2010.06.15

ご無沙汰しております。……とても。月日が経つのは早いもので、気付いたら、ブログの更新を中断してから約8ヶ月が経っていました。覚えてくださっていたら幸いです…。元気のない日記を最後に消えた私を気にかけてくださった皆様、ご心配おかけして本当に申し訳ありませんでした。共感や励ましのメッセージをくださった皆様、本当にありがとうございました。「この先も悲しみから立ち直れる日は来ない」なんて思っていた時もありましたが、今では「時間が心を癒す」という事実を噛み締めております。といっても、ただ単に時間が流れていたわけではなく、過ぎゆく時間の中で、咲いた桜を見たり、色んな方と出会ったり、人の優しさに触れたり、そういう一つ一つに癒されて、悲しみは薄れていくのだということを実感したのでした。元気をくださったたくさんの方々に感謝しているのですが、中でも心からお礼を言いたい一人に、斉藤さんがいます。斉藤さんは、寝る間も惜しんで働く編集者で、アレヂと仲良く(?)暮らしていた二年ほど前から、このブログの書籍化を考えてくれていた方でした。残念なことに、いざ出版決定!となったのは、アレヂと別れてしまった後でした。当初予定されていた、「フランス人との楽しい(?)結婚生活本」のコンセプトから大きく外れることになりましたが、それでもゴーサインを出してくれた双葉社のIさんに感謝です。別れてしまったアレヂとの本……一体…どうやったらまとまるのか悩みました。しかしながら、文章にまとめるという作業は、私にとって、心の整理をつける特効薬だったようです。優秀なIさんや斉藤さんの編集に、抜群のセンスを持つデザイナーさん、天才ギャグ漫画家松本先生の漫画も加わって、私一人の力では成し得なかった奇跡の(まさかの)一冊が仕上がりました。本当に本当にありがとうございました。パリジャンと思って結婚したら、ただの貧乏なオタクでした田丸ヒロ子 絵 松本ひで吉……長々と書いてしまいましたが、要するに、久方ぶりの更新のくせに、ちゃっかり本の告知をしている私をお許しください……。人生の恥さらし本でも何でも…自ら広めまくる崖っぷちの醜さ……。……何卒…何卒…よろしく…お願いいたします……。 ※ちなみに…上記の「よろしくお願いします」には、暗に下記のようなお願いが含まれております。1.高級ランチが食べられる値段の本ですが……良かったらご購入いただければ…幸いです……。2.お知り合いの方3人に広めていただければ幸いです。願わくば「3日以内に3人に広めなければ、タンスの角に小指をぶつけるらしいよ」という不幸の手紙形式で…。3.本屋さんで見かけたら、目立つところに移動してやってください。出来れば手作りのPOPなどを添えていただけると有り難いです。(←どの時点から犯罪になりますか?)4.本屋さんに置いてなかったら、店員さんに「えっ、ないの?(何この本屋有り得なくね?)」的な表情を見せ、「あれ?もしかして人気のある本なの?」と勘違いさせてあげてください。5.アマゾンなどのコメント欄に書き込みをしてやってください。出来ればDVD特典映像などで見られる、ハリウッド俳優が互いを絶賛しまくるような形で…。例)「スティーブは最高の俳優だわ。頭もいいし、演技も抜群」 6.アマゾンに寄せていただいた素敵なコメントに対する“参考になった”ボタンを一回。下記の“にほんブログ村ランキング”ボタンと“人気ブログランキング”ボタンを一日一回。以上三つのボタンが、クリックすると、押した分だけ幸せが訪れるボタンだそうです。7.皆様のブログで紹介していただいたり、ツイッターで呟いたりしていただけると、“クチコミの奇跡”が舞い降りて、本が売れて、そして私がお金持ちになったら、ケニアの子供たちに大量のサッカーボールを送ったりできます。黒柳ヒロ子になれます。……こういう同情の誘い方で…浅ましい性格がバレバレですか……?どうか…どうか…よろしくお願いいたします……m(__)m
2010.06.06

政権が変われば、日本はよくなるかもしれない。 子どもが生まれたら、この人は変わるかもしれない。 新しい学校に行ったら、友達ができるかもしれない。 彼は奥さんと別れて、あたしと結婚してくれるかもしれない。 この物件は将来高く売れるかもしれない。 この馬券、当たるかもしれない。 ヴィトンのバックをあげたら、僕と付き合ってくれるかもしれない。 ――この世も人も男も女も、"予想"よりも薄く輝く、"希望"でできている気がします。希望。この世や心や状況に、最後に残る、救いみたいなもの。(※希望希望と連呼していますが、突然怪しい教えにハマったとかではないのでご安心を…)・・・別れた方がいいのかな。でも、待っていたら、アレヂが実家に迎えに来てくれるかもしれない。なんだかんだ三年後には、アレヂと幸せな家庭を築いてるかもしれない。救いのはずだった希望はすでに、小悪魔みたいに私を振り回す、厄介なものと化していました。厄介なものに振り回されて、鬱々とした日々を過ごしていて。アレヂを想ったり、想わなかったり。アレヂのいない未来の日々を想ったり、アレヂのいる未来の日々を想ったり。だから私はそこでいつまでも立ち止まったままで。でも私と同じ長さの時間が、アレヂにも流れていて。アレヂが何を考えていたのか、途中経過は到底わからないけれど。アレヂの出した結論は、「別れる」ということでした。自称感情に流されない、冷静なアレヂ。彼の出した結論なら、きっと間違いはないのかもしれない……。サラリと真面目にひと言、「お互いの将来を考えて話し合った結果」とか、何でもないことのように、もしくは笑い混じりに、アレヂと別れたことをお知らせしようかとも思ったのですが、数年後に読んで、こんな時もあったけど、今はこんなに元気だな、と思える日のために、恥ずかしながら、あえて痛々しく記録しておこうと決めました。昔読んだ小説に、「離婚は、お互いの心が半殺しの状態になること」という文章があったけれど、なるほど。まさにその通りでした。子どもを産んで初めて、世のお母さんたちの出産の痛みを知るように、私は、離婚して初めて、世のバツイチの人たちの痛み苦しみを知ったのでした。あの人もあの人も、みんなえらいな。笑って「自分バツイチっす」って言えるなんて、どれだけ強い人なんだろうって思った。あんなにも好きだったのに――あんなにも祝福されていたのに――別れたくないってあがいたり、夜の海を見に行ったり、朝のプラットフォームで涙が出たり、泣き過ぎが原因の頭痛で会社を休んだり、気持ちに整理をつけて、離婚届を書くのには、一文字一文字、随分時間がかかったけれど。今ではたまにヘラヘラ笑いながら、「いい人生勉強になりました」って言えるようになりました。……でも、時々どうしようもなく悲しくなったりする。時々どうしようもなく、アレヂへの腹立たしさや憎しみが湧いてしまったりする。なのに時々どうしようもなく、アレヂに逢いたいなって思ったりする。でも、ぜんぶ、もう、つまりはどうしようもない。もう二度とアレヂと暮らせることも、暮らそうと思うこともないと思うのに。なのに、ある時やけにテンションが高くて元気な自分がいて、自分の記憶と心に問いかけて、原因を追究してみた先には、「縁があったら、またアレヂと一緒に暮らせる」と誰かがくれた、さりげない言葉があったりするから、私の心理はどうなってるのかなって思ったりする。いつかまた、アレヂと分かり合える時がくるかもしれない。いや、すごい大富豪に見初められちゃうかもしれない。大企業の正社員になって、バリバリ働くキャリアウーマンになれちゃうかもしれない。嵐の二宮くんと結婚できちゃうかもしれない。世界一周旅行に出かけるチャンスだってあるかもしれない。悲しみから顔をあげて、ふと周りを見渡せば、ありとあらゆる可能性が転がっていて、どれもこれもが、私につかまれたくて、うずうずしてる予感がして仕方ない。――ひとつの希望を卒業したら、そこはたくさんの選択肢に増殖した、希望で溢れた世界でした。とりあえず、今はバツイチ派遣社員。投げ出された世界に戸惑いながら、笑いながら、日を追うごとに元気になりながら、しばらくは日々を浪費し続けていきそうです――メッセージをくださった皆さま このつたないブログを覗いてくださった皆さま大変長らくご無沙汰してしまい、申し訳ありませんでした。更新を怠っている間にも、温かいメッセージ、本当にありがとうございました。「お返事はなかなか書けないけど、全部読んで励まされてました」…と、一度言ってみたかった、多忙な人気アイドル的発言をしてみましたが、私がお返事できなかったのは、多忙なわけではなく、ただ単に、うじうじしていたからでした。きっと皆さん状況をわかってくださっているからと甘えて、うじうじしたお返事を送って困らせるよりも、どっちに転ぶにしろ、結論が出てからお返事させていただこうと思い…。時々ストーカーのように覗きに来てみて、新しいメッセージを見つけるたび、励まされていたネクラな私…。ご心配だけおかけして、随分長い間、失礼していたこと、本当に申し訳ありませんでした。同じ言葉を、温かい友人たちに送ります…。ブログ越しでごめんなさい…(とんだ芸能人気取りでごめんなさい…)優しく手を差し伸べてくれているのに、メールの返信さえもろくにできなくて、とても心配かけてごめんなさい…。大切な人に心配かけたり、泣いてばかりの状況は、正しい状況じゃないというサインだったのだと、やっとわかりました。こんな私ですが、また落ち着いたら、良かったらまた遊んでやってください。一緒に、笑ってやってください。人気ブログランキングへ
2009.10.05
ここ一ヵ月ほど、目元のデトックスを行い過ぎてるタヒローです。女は泣いて綺麗になると信じていたのに、目が腫れてひどい状態で、伊達メガネで会社に行くという奇怪な行動をとっております。先日の日記を最後に、ブログはなるべく見ないようにしていました。逃げていました。私の身勝手な悲しみに巻き込まれた方々から、被害届を出されても仕方ないと思ったから。向き合うのが怖かったんです。ひとりぼっちの休日に、パソコンを立ち上げて、このピンクのブログを久々に開いてみて、本日三度目の目元デトックス状態になりました。一つとして、優しさを伴わないメッセージがなかった。どこに住んでいるかもわからない、どんな顔をしているかもわからない、見ず知らずの私のために、ただ、こんな私を励ますだけに綴られたメッセージたち。一つ一つメッセージを拝読しながら、悲しみではなく、感動で胸がいっぱいで息ができなくなるほどのデトックス状態になりました。この不景気な世の中で、通りすがりの私にさえ、無償の優しさをくださる皆様の幸せを祈ります。心から。心の底から感謝しています。――どちらかといえば喜劇が好きなんです。どちらかといえば、喜劇の中で生きていたいんです。今の私の状況を、いつか笑い話にして、面白おかしく伝えられる日が、一日でも早く来るように願いながら、あがいています。たとえば、吉田拓郎のライブ映像を必死で早送りしたり巻き戻ししたりしながら、『どうしてこんなに悲しいんだろう』などを聴かせてくれたときの父の背中とか、母に「次に会うのはお母さんの葬式の時でいい!」と叫ばせてしまったこととか。そういうことさえも、笑い話に変わるといい。笑い話にならなくても、穏やかな気持ちで懐かしめる時が来るといい。なるべく早く来るといい。不良少女でなかった私にとって、この年で両親に泣かれることの精神的ダメージは、思った以上に大きく、とりあえずは、両親に私以外のことで楽しいことがたくさん降りかかるよう願うことしかできないけれど、いつか私という重荷からも解放してあげたいと思っています。友達からの誘いをひたすら断っています。会いたくないわけじゃない。嫌いなわけじゃない。私の友達は、驚くくらいにいい人たちばかりで、だから会えないんです。一人だけ会ったけれど、やっぱり優しい言葉をくれて、私は居酒屋のトイレに20分こもって泣くという迷惑な行動をとってしまいました。だから今は会えないんです。ごめんなさい。だからと言って、毎日泣いてるわけじゃない。心から笑える瞬間と瞬間を、飛び石のようにポンポンと、渡ってみたりもしています。下に落ちないように気をつけながら。下に落ちることに怯えながら。ご飯も食べていて、眠ることも大好きで、だから私は元気です。いつか何かを決断しなければならないのかもしれない。でも今はまだできないみたい。だから今できることは何か、そちらの方も模索しながら、笑顔の回数を意識してでも増やしながら、時が来るまで、灰色のまま暮らしていこうと思います。ズルくて弱くて臆病でどうしようもない人間でごめんなさい。読んで下さった皆様に決して尽きない「ありがとう」を。長くてすみません。きっとまた書かせてください。 本当にありがとうございました。 田丸ひろ子
2009.04.19

この日記は、《R‐幸せ》指定になります。現在幸せな方、幸せな気持ちになりたい方、私とアレヂの幸せを祈ってくださっている方……どうか読まないでください……。書いたくせに、矛盾だらけですが、…どうか読まないでください……。そしてこの長い長い日記を最後に、しばらくの間、どのくらいかわからないけれど、ほんのしばらくの間、日記の更新の休暇に入ろうと思います――====================================――ファンデーションでも、歯磨き粉でも、残りわずかになると、使いにくいが故に、心もとないものです。たぶん、夫婦愛も同じく。ファンデーションや歯磨き粉なら、ドラッグストアに新しいのを買いに行けばいいのだけれど、愛の方は、売ってる場所も、それを買えるお金がどこにあるのかもわからなくて、模索して、わからなくて、…そんな日々を過ごしていました。多くの出来事を通り抜け、アレヂも私も、今までと同じ会社に残るという結末を迎えた、久方ぶりの穏やかな週末が、些細なきっかけで一転してから、私の灰色日和が始まりました。――休日にありがちな、明るくてくだらない情報番組を、アレヂと二人で見ていたときのことでした。CMに、赤ちゃんが映ったので、「仕事のことも落ち着いたし、赤ちゃんいつ頃作ろうか」なんて、さり気なく切り出してみたのです。乗り気な反応を期待していたわけではなく、「そうだなぁ」でも「う~ん」でも、とにかく返事がくれば満足でした。でも、アレヂは、途端に沈黙したのです。冷たい表情で目をそらし、そのまま動かなくなったのです。二人の間を、CMの愉快な曲や台詞たちが、次々に変わっては、流れ続けていきました。大きな壁も現れました。前に立ちはだかる壁ではなく、コンクリート仕立てのその壁に、私は体ごと塗り込まれて、動けなくなって、呼吸さえできなくさせられるような、圧倒的な壁でした。――結婚して最初の二年間、主に子供が欲しい欲しくないの問題で、私たちは喧嘩を繰り返してきました。「君の子どもは欲しくナイ」自身のすべてを否定されるような見事なセリフ。何度も別れようと思い、大切な両親や友達に何度も何度も心配や迷惑をかけた挙句、それでもやっぱり、アレヂの傍にいたかった。あのセリフは、喧嘩の弾みで出ただけで、本心の言葉じゃないはずと、思い込むことにしました。それでもいつしか、子供の話題は避けるようになっていました。友達が赤ちゃんを連れて家に来た時、アレヂがどんな風に赤ちゃんと接しているか、アレヂの顔を見るのが怖かった。いつも怖かった。孫の顔を見たがる両親に、「孫が欲しいとか私の前で言わないで!」と理不尽に泣き叫んだりして、おおいに両親を悲しませたりする、いつしか優しさの欠片もない、ひどい娘になっていました。…でも、そろそろ。と思いました。ずっと一緒にいたのだし、そろそろアレヂの意見も変わるのではと。…でも、月日は何も変えてはいませんでした。沈黙を続けるアレヂに、何度か「なんで黙ってるの?」「別に今すぐ欲しいわけじゃないよ?」「少し話したいだけだよ?」と、精一杯の穏やかな声で問いました。それでも黙っているアレヂに対し、行き場を失った言葉たちが、私の体を暴走へと導きました。アレヂに歩み寄り、アレヂの薄い頬を、平手打ちしたのです。アレヂは怒って私の腕を持つと、「今マデ何度も言ったハズ!子供ナイ!子供も結婚モナイ!実家へ帰レ!」と叫びました。私は寝室に飛び込み、枕に顔を埋めて泣きながら、ヒステリックに叫びました。近所の人が聞いていたら、「あの部屋の女性は、頭がおかしいに違いない」と噂になっても仕方ないくらいに。実際、泣き止んでは泣き、泣き止んでは泣き、翌日もそのまた翌日も、会社のトイレでも泣きはらしたりして、こうしてこのまま泣き続けたら、真っ赤な服を着て、野良猫たちに餌をやりながら、道行く人に喚き散らす、そんな女になってしまう気がしました。――人生で5日間だけ滞在したパリで、アレヂの従姉妹、クレアのホームパーティから帰った夜、それぞれのカップルが、別々の帰路につく中、アレヂと二人で帰れることが、とても嬉しかったことを思い出しました。アレヂと「夫婦」という単位になれる気恥ずかしさが、幸せだった時のことを。大好きなアレヂと、今度は「家族」という単位に、自然になっていくのだと、信じて疑っていませんでした。シンプルで簡単なことだと思っていました。街で赤ちゃんを見かけると、自然に顔が綻んでしまう私は、キラキラした瞳や、ぷにぷにとしたふくらはぎ、ズッシリと可愛らしいお尻を持った、私を「ママ」と呼んでくれる赤ちゃんに、簡単に会えると思っていました。――どうして…どうして――――もしもどちらかが病気で赤ちゃんが出来なかったとしたら……夫に子どもを望まれない妻は、この世にどのくらいいるのだろう……子どもを産むために僕と結婚したのかって、そういうことじゃないって、何度言ったらわかってくれるのだろう……色々なことを考えたり考えなかったり、終わらない慟哭から、抜け出すことはできませんでした。――荷物をまとめて家を出た私は、アレヂの言う実家には帰らず、一人暮らしをしていました。長期旅行に行く友人のアパートを、間借りさせてもらったのです。いい加減、両親にも胸がつぶれるような思いをさせたくなかったし、一人でゆっくり考えてみたいと思ったのです。始めは頭で覚えていた駅から友人のアパートまでの道を、体が覚えるようになりました。古着屋と喫茶店の多いその町を歩くことは、一日一日と、私の体に馴染んでくるようになりました。アレヂと二人でいることが、当たり前になっていったように、もしかしたら、どこか新しい町で一人で暮らすことも、当たり前になっていくのかもしれない。生活のどこにもアレヂがいない暮らしに、馴染んでいくのかもしれない。風に揺れる商店街の「夕焼け市」と書かれた看板を見ながら、ふとそんな風に思いました。……でも。通りかかった雑貨屋さんで、アジア風の可愛い花瓶を見つけた時、これを買って、持って帰れる家が、今はないと気付いた時、悲しかったのです。肉を使わないレシピを雑誌で見つけたとき、肉を使わない料理のレパートリーが増えたところで、アレヂはいないと気付いた時、悲しかったのです。アレヂは何を食べているのだろう。アレヂは何を考えているのだろう。壁に塗り込まれても、ヒステリックに泣き叫んでも、両親や友達に散々心配かけても、それでもやっぱり、誰かに背中を押してもらいたい方向は、アレヂと別れる側ではなく、アレヂの元に戻れる側の方だったりする、身勝手過ぎるこの矛盾――だってたぶん私は、アレヂを失ったら、ボロボロに崩れ堕ちてしまう――――アレヂといるのは、時々楽しい。時々信じられないくらい、苦しい。アレヂとの未来は、暗雲に満ちている。――離婚を決意する、凛とした女性たち。結婚生活を楽しく送る、賢い女性たち。どちらもかっこよく、尊敬できる女性たち。……私は今、どちら側にも行くことができず、白黒つかない、灰色ゾーンで、かっこ悪くて、惨めで、道のど真ん中にある粗大ゴミみたいな存在として、毎日毎日、生きています――人気ブログランキングへ《R‐幸せ》指定にも関わらず、読んでくださってしまった方々へ――◇貴重な時間を、この日記を読むことに費やしてくださった皆様へ◇ナルシストな私は、アクセス数やランキングが上がることを、心の糧としたりしておりました。「面白い」なんて感想をいただいた日には、その日一日幸せでした。いつも私にささやかな喜びをくれた皆様、本当に本当に、ありがとうございました。◇メッセージをくださった皆様へ◇忘れた頃にお返事が届いたら、「この人って一体…」と思ってやってください。◇赤ちゃんが生まれる私の周りの方たちへ◇もしかしたら上記日記が、あらぬ誤解を生んでしまうことを恐れ、念のため…。大切な皆さんに赤ちゃんが授かったこと、本当に嬉しいのです。フリフリレースの赤ちゃん用エプロンを持って会いにいきますので、よろしくお願いいたします。◇両親及び弟へ◇口下手でごめんなさい。文章じゃないと、自分の気持ちをうまくまとめられなくてごめんなさい。こんな娘で、こんなお姉ちゃんで、ごめんなさい…。
2009.03.29

前略下着泥棒さま突然、このような便りを差し上げることをお許し下さい。きっとあなたは、驚かれるでしょうね。私がこんなにも、あなたのことを、強く強く想っていると知ったら――まだ顔も見たこともないあなた………あなた、流星のごとく現れて、物凄い勢いで、私の殺すリスト1位に君臨しました。……前々から、なんだか下着が減っている気はしていたのです。でも、「下着がない。盗まれてるかも」と言ったら、夫が「私のもナイ。貴様またどこか違う棚に入れテル」と言ったので、アルツハイマー気味の私が、どこか違う引き出しに入れてしまったのだろうと思っていました。靴下が片方だけなくなるのと、同じ現象だと思っていました。けれどどうでしょう。私は土曜日、確かに下着を各5枚ずつ、ベランダに干したのをこの目で確認したのです。……わかっています。アパートの1階で、外に干していた私がいけないと…。警察官にも友達にも、「下着は部屋干し。1階ならなおさら」とやんわりと注意されました。私のしていたことは、夜の歌舞伎町を裸体で闊歩したようなもの。だから私が悪いのです。でも、良く言えば私は純真でした。世の中に悪い人なんていないと、つぶらな瞳で、信じて疑っていなかった。あなたのような下着泥棒なんて、安い刑事ドラマや、志村けんのだいじょぶだぁが作り出した、架空の存在だと思っていたのです。でも、あなたは実在した。だからたぶん、道路に飛び出した人に、「バッキャロー!死にてぇのか!」と叫ぶおじさんも、浜辺を走りながら、「待てよー」「うふふ。うふふ」「つぅかまえたっ」というやりとりをするカップルも、実在するのでしょう。とにかく、各5枚ずつ干した下着が、ごっそりなくなっていたのです。最初に気付いたのは、お風呂に入る前、洗面所にパンツを持っていこうとしたときでした。――あなたにわかりますか?私の気持ちが。パンツがなくて、毛糸のパンツを直接はくしかなかった私の気持ち悪さが――毛糸のパンツの前は、Tバックでした。友達が誕生日にウケ狙いでくれたけれど、一生はくことはないだろうと思っていたTバック以外、引き出しに残っていなかった――今思えば、痔になったのは、Tバックの食い込みが原因だと思います。実家に帰って痛がっていると、母が、ボラギノールをくれました。恐る恐る塗り込んだりしました。母と父、密かに痔を経験していたのは、どちらだったのか、聞くのを忘れました。あなたにわかりますか?ボラギノール、わかりますか?そして、そういえばブラジャーもどこにも見当たらないことに気付いたのは、月曜日の朝でした。高かったのに!高かったのに!パニックになって、私は夫を起こしました。「大変大変!パンツもブラジャーもホントに盗まれてる!」あなたにわかりますか?頼った夫に、「ドウシテそんなことで起こスカ!」と怒鳴られた時の私の気持ちが。号泣しながら、前日と同じブラジャーと、素肌に毛糸のパンツで、会社に向かいました。あなたにわかりますか?警察官とのラブロマンスを心のどこかで期待していたら、やってきた警察官が、人生で出会った中で一番、メタボな方だった時の気持ちが。失礼なことを言って本当に申し訳ないけれど、空腹のまま応対させていただいた私には、半径1メートル以内に漂う、彼のちょっとした独特の臭いが、ちょっと本当にきつかった時の気持ちが。あなたにわかりますか?警察官に事情を説明する時、「下の下着が…」と、なんとなく濁して話していても、警察官が一生懸命、書類に書かれている文字が、だった時の気持ちが。あなたにわかりますか?「では、私はこれで失礼します。こういうことがあったあとですし、不安なことがあれば、いつでも交番に電話してきてください。今日、ご主人のお帰りは何時頃ですか?」と聞かれたとき、夫の部屋のドアに視線をやって、「……あの…実はもう…いるんですけど…ね…」と気まずそうに笑わなければならなかった時の私の気持ちが。人見知りの夫は、という言葉通り、自室の炬燵に身を潜めて、一瞬たりとも姿を見せなかったのです。……これから先、何か事件が起きても、夫には頼ってはならず、一人でいろいろ処理しなければならないと悟った時の私の気持ちが、あなたにわかりますか――?「ドウシテそんなことで起こスカ!」と言ったのは、きっと寝ぼけていたのだと信じて、弁解でもさせてあげようかと、「どうしてあんな風に言ったの?」と冗談交じりにきくと、「オマエ、私は睡眠が何より大事だと、何回言えばワカル!?」と、説教された時の私の気持ちが、あなたに届きますか――?今回のことで、下着泥棒の被害でも、入居時に入った保険が適用されることを知りました。それは唯一いいことでした。最後に、一つだけ――――いつかあなたが逮捕されて、『下着泥棒から押収した下着、約1000枚』というテロップの背景に、私の下着を発見したら、それがたとえ、どんなに汚れていようとも、取りにいこうと思います。そのくらい、大切でした―― かしこ殺すリスト2位→アレヂ人気ブログランキングへ次回、『ヤッパッパ商事の憂鬱』第4話「誤算祭り。」お楽しみに……してくれてる方……いらっ…しゃ…るのかな……?
2009.03.05

……美しいけれども言われたくない日本語のひとつに「ご縁がなかったということで…」というのがあります。……言われるなんて思ってなかった。面接の時に感じたあの手応えが、ただの勘違いだったなんて思いたくなかった…。面接官たちは和気藹々と微笑みながら、ちゃんと計算してたなんて信じたくない…。でも…思い返せば…あの質問もあの質問も私を試していたに違いなく…。そして思い返せば、私…見事に最低な回答をしていたのに…なぜ…終わった後から、不合格の知らせをきくまで、「つかみはOK!」と思っていたの…?間違いなくここに就職できると思って…その職場に合わせた服装とか…朝起きる時間とか…生活習慣とか…アレヂとの待ち合わせ場所とか…「不況?別に全然関係なかったです。実力がある人間には、景気なんて関係ないですよ」と言って、片方の唇をあげて微笑んでみせるとか……現実的に妄想していた私の…おバカさん!妄想する暇があったら、妙な自信に浸る暇があったら、さっさと他の仕事を探せばよかったじゃないの!何してたのよ!何してたのよ!……落ち着いて。落ち着いて私。落ち着いて、深呼吸。…まず、電話で不合格を言い渡されたからって、人格すべてを否定された気分になるのは間違いよ。そう。たぶん、こういうことだった。アンジェリーナ・ジョリーが、モーニング娘。のオーディションに落ちた。たぶん、そういうことだった。もしくは、こういうことだった。面接官たちが、私を採用した後のことを考えて、「あんな魅力的な子が同じ職場にいたら、毎日ドキドキして、仕事が手につかない!」という悩ましい理由で意見が一致した結果、不採用となった。恐らく、そういうことだった。ポジティブポジティブ。ポジティブポジティブ。……うっ…うっ……落ち着いて、年末から、ありとあらゆるものを失ってる気がするけれど、きっと大丈夫だって考えて。パンドラの箱にも、最後にはちゃんと希望が残ってた。まだアレヂも残ってるよ。前には就職難が立ちはだかり、後ろからは、日々複雑怪奇になっていく今の会社の状況が迫ってきていて、前も後ろも簡単じゃないけれど、でも、大丈夫。落ち着いて、落ち着いて。そんなに自分を責めちゃダメ。ポジティブポジティブ。ポジティブポジティブ。先が見えないと人生に余裕がなくなるわけで、周りの皆さんに、不義理をしてばかりだけれど、時が来たら、頭を下げて、お詫びとお礼をきちんとしよう。落ち着いて、深呼吸して、まずは目の前の問題から逃げたりしないで、ぶつかり稽古していこう。ポジティブポジティブ。ポジティブポジティブ。人気ブログランキングへポジティブポジティブ。ポジティブポジティブ。
2009.02.19

弟へ先日の聖バレンタインDAY、いかがお過ごされたでしょうか?1, 男4人で鍋2, 男4人で麻雀3, 男4人でファミレス…の中に、答えがある気がするのですが…間違っていれば幸いです。m(__)mところで、この前写真を見せてくれたあなたのお友達のJくんはお元気でしょうか。実はお姉ちゃん、携帯の方に、彼の写真を保存させてもらっています。だって彼、イケメンだと思います。以下、Jくんに、宣伝をお願いしてもよろしいでしょうか。大人の男 大人の女↑ご覧下さい。字面だけで既に魅力的です。なぜ「ケツの青いガキ」よりも大人の方が魅力的なのか、お姉ちゃんは考えました。恐らく、大人になると、いろいろなことが、許せるようになるからだと思うのです。お姉ちゃん、校則のオサゲ髪をぶら下げながら、心の中だけナイフみたいに尖ってた思春期の頃は、いろんなことが許せませんでした。不純異性交遊も、道端で泥酔する人も、石田純一のナマ足も。でも大人になるにつれ、人は弱い生物だとわかってくるにつれ、不純に異性と交遊することも、道端で泥酔したくなるほど飲みたい夜があることも、素足で靴を履きたくなることも、あぁ、そんな日もあるよね…と、何もかもに共感できて、許せるようになりました。女は誰しも、ワガママも過去も、ユーモアで包み込んで許してくれる、大人の男が好きなはずです。男は誰しも、「あんた…アホやなぁ…。こないな…アホなことして…。…でも…でもな…世界中の人、敵に回したかて、お母ちゃんは…お母ちゃんだけは…あんたの味方でいたるさかい…だってあんたは、お母ちゃんの子ぉや…!」と抱きしめてくれるお母さんが好きなはずです。誰しも自分を許してくれる人が好きなはずです。さて、奇妙なことに、アレヂはお姉ちゃんより、年上の大人の男のはずなのですが、「愛とは許すこと」を体現するような、大人の魅力が見当たらないのです。むしろ口癖が「許さナイ」なのです。許し合えない者同士は、ひとつ屋根の下で暮らすのは、なかなか難しいのです。だからお姉ちゃんは、アレヂの「許さナイ」もひっくるめて、許す訓練をしていこうと思いました。髪を切ってと言っても床屋さんに行かないことも、高いからと言って、スーツをクリーニングに出させてくれないことも、食い散らかしたいろんなものが、机の上に散乱していることも。「寒い」と言ってるのに、お風呂のドアを開けて、シャンプーしているお姉ちゃんに、自慢話を続けたことも。「貴様のイビキがウルサクテ眠れなカッタ」というセリフも。……お姉ちゃん、許します。するとどうでしょう。許す訓練を続けたお姉ちゃんは、10年後、Jくんのような年下の男の子たちに、聖女(と書いてマドンナと読む)と呼ばれるに違いないのです。「やっぱ大人の女は最高だよ」と感激されるに違いないのです。寛容さを相手に求めず、我が物としたお姉ちゃんは、大人の男の魅力よりも、若いエキスを彷徨い求めているはずですので、どうぞよろしくお願いしますと、Jくんによろしくお伝えいただければ幸いです。人気ブログランキングへ
2009.02.16

1960年に製菓会社が大々的にキャンペーンを行って以来、女性が男性にチョコレートを贈るのが、日本におけるバレンタインデーの基本スタイルとなりました。1980年に第一回目のホワイトデーが開催されるまで、女性たちは、純粋な気持ちで、愛や日頃の感謝を込めて、男性たちにチョコレートを贈っていたのでしょう。私が物心ついたときは、「ホワイトデーはバレンタインの3倍返し」という女性のエゴを全開にした、バブル的概念が、世間に浸透している時代でしたので、私の中で、バレンタインデー=ホワイトデーへの期待という、邪悪な計算式が出来上がっておりました。その計算式に基づいた期待は、伴侶となったアレヂにも、寄せられることとなりました。確か最初のバレンタイン、私はアレヂに小さなチョコケーキを手作りました。小さく分けたチョコケーキに「し」とか「レ」など字を書いて、ひとつひとつラッピングして、部屋のあちこちに隠したのです。アレヂに「全部で7個あるから見つけて」と言い、全部集めて並べたら、<アレヂ愛してる>になるという、小粋な演出を行いました。そして確か、高価なマフラーも贈ったのです。そして確か、外国からきたアレヂに、日本におけるホワイトデーの習慣もきちんと説明して差し上げたのです。そして待ちに待ったホワイトデー。会社に出かける前に、「今日ホワイトデーだよ」とアレヂに教えてあげることも怠りませんでした。期待しながら夕飯を作って待っていると、「タダイマ」と帰宅したアレヂの手に、100円で売っているシュークリームがひとつ、握られておりました。……。アレヂはちょっぴり得意気に、「あげマス」と言って、ポスッとシュークリームを渡してくれました。………まさかですよね?という気持ちでいっぱいでした。……フェイクですよね?この後、ちゃんとした何かをくださるための前振りとかですよね…?という期待でいっぱいでした。期待に応えるかのように、アレヂはカバンをゴソゴソやり始めました。「私の分もありマス」同じシュークリームを取り出し、アレヂは誇らしげにそう言いました。物の価値を意識せず、どんなものでも喜んでみせられるという芸妓さんだったらどんなによかったことでしょう。「ナゼ変な顔しテル?うれしくナイか?」と問うてくる夫に、非常に心のこもらない「……ありがとう(怒)」を言った私は、愛される女失格でした。……翌年からのバレンタインとホワイトデーは、戦争でした。100円ショップの財布がボロボロになっても後生大事に使っているアレヂを見かねて、高価な財布をバレンタインに贈りました。その財布を「汚れチャウ」と言って、何度言っても使ってくれなかったアレヂに、「使わないと離婚する!」まで言って、やっと使用してもらうことに成功しました。そしてその見返りを求めた私に対し、ホワイトデーにシュークリームさえもくれなかったアレヂに、ホワイトデーが過ぎた後も、「カーペットが欲しい!」と言い張り続けました。実家から持ってきた趣味の悪いカーペットが、ボロボロだったからです。嫌がるアレヂをIKEAに連れ出し、始終ご機嫌の悪いアレヂに、触らぬ神に祟りなしと思われる金額のカーペットを「これがいい」とチョイスして、購入していただきました。「ありがとう。大切にするね」と最大限に喜んでみせることも忘れませんでした。その安価で白いカーペットは、間もなく灰色になったのですが、「貴様大切にスルと言っタ。新しいの買っタリ捨てタリするのは許さナイ」と言われており、一生物になる予感です。さて、今年のバレンタインは、非常に穏やかでした。ホワイトデーに何も期待しなくなったからです。期待すると傷ついたり憤怒したりする。何事も期待しなければ心は常に穏やかなのです。朝起きて、チョコレートひとつを、演出なしで渡しました。「王様のブランチで見たヤツデスネ」と、アレヂは嬉しそうに、一瞬で頬張ってくれました。それから、私が会社の癒し系美女Sさんにいただいたグミとチョコレートも見せました。「ユーモアがアリマス」と、Sさんを褒めていました。それから、私の母が、「これアレヂへのバレンタイン」と言って渡してくれた包みを渡しました。中は高価なチョコレートでしょうか。ちょっぴり重いので、アレヂも中身に期待を抱いたようでした。……お…母さん…?特にオマケのこの豆みたいなの、どうゆうこと…?期待し過ぎたからでしょうか。「……侮辱デスカ?」という難しい日本語が、アレヂの口から這い出ていました。期待を裏切られる衝撃を、母がアレヂに身をもって教えてくれた今年のバレンタイン。外は晴れて暖かで、非常に穏やかです。これからアレヂと、久しぶりのお散歩に出かけようと思います。人気ブログランキングへ
2009.02.14

弟へ確認なのですが、異性から、「好きな女性のタイプは?」ときかれる機会があった際、まさか「宮崎あおいちゃんみたいな子」などと答えてはいないでしょうね?そのような答えをしたならば、女の子に、「ふ~ん。そうなんだぁ。宮崎あおい可愛いよねぇ☆」と相槌を打たれながら、心の中で、「は?自分何様?どの顔のどの口が言ってんの?」と思われてしまいます。万が一、その女の子が、あなたに少しばかり想いを寄せてくれていた場合は、「そうなんだ…。私…全然あおいちゃんぽくないし…。全然彼のタイプじゃないんだ…。もう諦めよう、どうせ叶わぬ恋ならば…」と思われて、チャンスを失うハメになるかもしれません。好きなタイプや理想のタイプをきかれたときは、「芸能人…とかだとよくわかんないけど、優しい子がいいかな」などと答えることを推奨します。しかしながら、「優しい子」などは抽象的でイメージがつかみにくいため、「電車の中でお年寄りに席を譲ってあげるような子」などに変換するのもいいかもしれません。また、きいてきた相手の要素に合わせて、「オシャレな子」ですとか、「めがねが似合う子」などと、臨機応変に言い換えてあげると、平成の源氏の君への道が開かれます。ちなみにお姉ちゃんが、今までで一番、「なるほど」と思った答えは、「怒りっぽくない子」です。あらかじめそのように伝えておくと、たとえばその子と付き合うことになった時も、「やだ。私ったら。思わずキレそうになっちゃった。彼は怒りっぽい子が嫌いなのに。あたし、嫌われたくない。ガマンガマン」と、彼女が健気に耐えてくれるかもしれません。ところで、お姉ちゃんは、「好きな食べ物は?」ときかれた時、正直に「イカ」と答えていたのですが、いろいろ考えた結果、今後は「オムライス」と答えようと思ったのですが、いかがでしょうか。黄色くてふんわりとした様子のものを好きというだけで、好感度が上がる気がするのです。「クレープ」もしくは「いちご」という答えも考えたのですが、やはり「オムライス」の方が、料理をしそうなイメージも与えられそうな気がするので、接戦の結果、「オムライス」にしてみました。また、今後カラオケに行った際は、中島みゆきをモノマネ付きで熱唱するのではなく、aikoや大塚愛を、可愛らしく、しっとりと歌い上げようと思うのですが、いかがでしょうか。好きな歌手をきかれたら、「Mr.Children」、好きな作家をきかれたら、「東野圭吾」好きな数字をきかれたら、「3」と答えようと思うのですが、いかがでしょうか。「仕事の時は基本モード系、オフの日は、フェミニンなトップスにデニムパンツを合わせてショッピング」しようと思うのですが、いかがでしょうか。「土曜日は友達と表参道のイタリアンでランチ」でいかがでしょうか。……さて。企業にモテたくて書いた履歴書や職務経歴書が、綺麗事の塊に仕上がりました。異性にモテたくて、企業にモテたくて、自分像を捻じ曲げてみてるお姉ちゃんは、かっこいいでしょうか…?人気ブログランキングへ
2009.02.10

はい?小生の時間配分ミスですか?残業して買物して洗濯してご飯の下準備して遅くに帰られた貴殿にご飯を召し上がっていただき貴殿の召し上がったものを洗わせていただき貴殿にお風呂に入っていただき貴殿にマッサージさせていただきその後でお風呂に入らせていただきパソコンもいじらせていただき23時半までに就寝できないのはやはり小生の時間配分ミスですか?23時半以降は貴殿がご就寝されるので湯沸かし器を消されると?理由はうるさいからと?なるほど。小生の敬愛するIKKO様は、お風呂に入らない女は女と認めないとおっしゃっていました。IKKO様に認められたくて最近の小生の趣味は長風呂ですが、趣味を行ったら途中で寒くなるのですが、それでも追い炊きは禁止だと。お風呂に入ってから家事を行うと寒いじゃないですか。お風呂に入ったらなるべく早く布団に入りたいじゃないですか。だから、小生が早くお風呂に入れるよう、貴殿も家事を手伝ってくださったらいかがでしょうか?以前、貴殿がお決めになって以来、断固として崩さなかった「家計は毎月お互いの給料の割合で決める家計税金型システム」のお考えを、長年の小生の訴えの結果、改めていただき、貴殿には確かに最近、家賃をご担当いただいておりますが、小生は、光熱費及び生活費を担当させていただいておりますが、貴殿と小生の衣類、大小の雑貨なども小生が担当させていただいておりますが、家電なども担当させていただいておりますが、そうなりますと、計算いたしますと、結局家賃と大差ないと思うのですが、それでも家事を一切手伝わないと?「関係ナイ!23時半に寝るノガ優先!洗濯もご飯もイラナイ!23時半までに風呂に入るノガ優先!」と?――湯船の中で、お湯相手にパンチを繰り出すだけでは収まりきらなかったストレスが、「SALE」「クリアランス」「50%OFF」の赤き誘惑に私を狂わせたのでしょうか――過去の私が、私を殺しにやってきます――今日の夕方までには、私の口座からカード請求分の私にとって莫大な金額が引き落とされることでしょう……。去年も犯した過ちを今年もまた犯してしまいました――来年こそは、ストレスフリーでバーゲンの季節を迎えることにより、自制心を保てますように――人気ブログランキングへ
2009.02.04

残業をしていると、アレヂからメールがきました。<今日は節分だから早く帰ります>……。……私の記憶が正しければ、誕生日にもクリスマスにも結婚記念日にも、そのような素敵なセリフ、発したことなどないはずです。今日に限って、恵方巻きも買って帰ってくれるというこのサービス精神の旺盛さは、どうしたことでしょうか。<どこも豆売り切れ。君も探して>駅で待ち合わせて一緒に豆を探しに行くことになりました。けれど節分の豆は、駅前のスーパーでもコンビニでもことごとく売り切れていました。「チョット離れたセブンイレブンならあるハズ!そこになかっタラ、名前のナイ小さいコンビニに行きマス!」私を後ろに乗せて、必死で自転車をこぐアレヂ。……この豆への執念はどうしたことでしょうか。「…ねえ。どうしてそんなに節分頑張ってるの?クリスマスも結婚記念日も頑張ったことないのに」「……ワカンナイ。毎年ヤッテルから、一度でもやらナイとダメな気がしマス(息切れ)」……思えば確かに、毎年節分だけは欠かしていなかった気がします。アレヂが日本で過ごす最初の年に、「鬼は外、福は内」と豆を投げるのを教えた記憶もありますし、恵方巻きを食べる写メールを、キャッキャッキャッキャしながら、撮り合った記憶もありますし、喧嘩して私が実家に帰っていたとき、アレヂから電話がかかってきて、「ねェ…。今日節分ですヨ。帰らないカ?」「うん。帰らない」「……豆も買いましタヨ(ほぼ泣き声)」「一人でやれば?ほら、やりなよ。一緒に言ってあげるからさ、鬼は~外」「…フクは~ウチ……(豆が床に落ちる音)」という記憶もあります。今年は、アレヂの健闘空しく、豆を手に入れられなかったことが記憶として刻まれました。いつの間にか、なぜか節分が、アレヂと私にとって最も大事な記念日になっている不思議。……来年は、ちゃんと豆を用意しておいてあげようと思いました。人気ブログランキングへ節分での頑張りを、クリスマスや結婚記念日に分散してくれればいいのに、と思わずにはいられない記念日。
2009.02.03

弟へこの前言っていた、新しいバイトは決まりましたか?お姉ちゃん、バイトについて、忠告し忘れたことがありましたので、お伝えします。「同年代の女の子がいっぱいいるところにしなよぅッ」と――なぜなら、お姉ちゃんの知り合いのぽっちゃり系男子が、女子大生3人から告白されたからです。バイト先のバーガー屋さんにて。お姉ちゃんも学生時代、いくつかアルバイトをしましたが、思えば同年代の男女が集まるどのバイト先も、ビバリーヒルズ青春白書状態でした。モトカレもイマカレもモトカノもイマカノも同じバイト先でカオス状態が、比較的普通状態でした。なぜこのような現象が起きるのでしょうか――お姉ちゃんが今日読んでいた小説に、こんなことが書いてありました。「好きだから顔を見るのか、顔を見るから好きになるのか」つまり、「人はその人のことを好きだと思うから、その人の顔を見るのか、それとも、人はその人の顔を見ていると、その人のことを好きになってしまうのか」……正解は、「顔を見るから好きになる」、だそうです。これは科学的にも証明されているとのこと。初めて見たときは、気持ち悪いとしか思わなかった芸人さんを、何度もテレビで見かけるうちに好感を持ってしまうのも、これが原因でしょうか。バイト先で良く会う人を好きになってしまうのは、顔を見る時間が長いからかもしれません。芸能人が離婚する時、「お互い忙しくてすれ違いが多かった」という理由が多いのは、顔を見る時間が少なかったのが原因でしょうか。遠距離恋愛といえば別れるイメージなのも、顔を見る時間が少ないのが原因でしょうか。近年、遠距離恋愛を経ての国際結婚率が上がったのは、テレビ電話で、お互いの顔を見ながら話したりすることが、容易な時代になったからでしょうか。「離婚してやる!」と実家に帰り、アレヂの顔を長らく見ないと、そのまま愛を消せる気がしますが、顔を見て謝られると、情が湧いてきてしまうのも、これが原因でしょうか。では、アレヂと正面から向き合って喧嘩しているとき、顔を見れば見るほど嫌いになっていくことや、上司の顔を見れば見るほどどんどん嫌いになっていくことや、定年退職してずっと家にいる夫に嫌気がさして、熟年離婚する妻については、どう考えればいいでしょうか。嫌いな相手は、見れば見るほど嫌いになる、という法則もあるのかもしれません。……気付けば夢中で科学者のように語ってしまいました。とにかく弟よ、バイト先の恋を侮るなかれです。お姉ちゃんが知っているだけでも7人の子が、バイト先で出会った人と結婚したり婚約したりしているのですから。……以上、あなたがバイトを決定するときの何かしらの参考になれば幸いです。人気ブログランキングへ
2009.01.29

ここ1~2週間、家から駅までをスニーカーで歩き、駅のトイレで、ヒール靴に履き替えるという、ニューヨークのキャリアウーマン風に通勤している私がいます。……自転車を盗まれたからです。……もう何度目だろう…。学習能力と運気、ないのはどっちだろう……。…両方……?(特技その1:自転車を盗まれること。)でもおかげで歩くのは、なかなか気持ちいいことを知りました。ヒールやブーツで長時間(家から駅まで徒歩30分。バス及び自家用車なし)歩くのは拷問だけれど、スニーカーなら、軽快に健康的に歩けます。さて、家から駅までの間には、お墓、学校、病院という肝試しスポットがいくつかあるのですが、自転車の時はなんとも思っていなかったけれど、身ひとつの徒歩だと、非常に怖いのです。特に夜は。今日も夜道を歩いておりますと、50メートルほど先、道の中央に、こんもりとした黒い塊が見えました。……人じゃありませんように人じゃありませんように人じゃありませんように。そりゃ死体や物の怪の類より人の方がマシだけど、こんな人通りの少ない夜道で、倒れてる人とかホント怖いから。あ、でも、今横通った人、チラ見して素通りした。あ、次の人も素通りした。人じゃないんだ。粗大ゴミとかなんだ。よかったー。……人でした。先ほどの人たちが、素通りしたのは、次の人が助けるに違いないと思っていたからでしょうか。田舎道で倒れるとすぐに助けてもらえるけれど、人通りの多い道で倒れると、4~5時間は助けてもらえないそうです。「俺がやらなきゃ誰がやる」ではなく、「俺がやらなきゃ誰かやる」精神です。以前、御茶ノ水駅でカップルの男性の方が突然、バタリと倒れた瞬間に遭遇したときも、道端で、頭から血を流している男性を見つけたときも、(特技その2:倒れている人に遭遇すること)いい人ぶって、横でオロオロするだけしか能がない様子を披露している間に、他の誰かが助けてくれていました。今日は、私の後ろから誰もきません。今度こそ私が「誰か」に選ばれました。躊躇なく近づいて、トントン、と肩を叩きながら、「大丈夫ですか?」と声をかけられる人ならどんなに素敵だったでしょう。……私は弱い人間です。お墓のそばということもあり、とりあえず怖いので、数メートル離れて、倒れている人の様子を伺うことにしました。見たところ、年は30代後半でしょうか。血などは流しておらず、恐らく泥酔して眠ってしまっただけのよう。いつかは自分で目覚めるのでしょうか。でもこのまま放置したら、寒さに凍えて死んでしまうかもしれません。スーツという格好と、左手薬指に指輪がハマっていたことに、一応の安心感は覚えたものの、もしも、彼の目が、突如「カッ」と見開いたなら、失神してしまう自信はありました。間合いをとったまま、アレヂに電話をかけました。「道で人が倒れてて、助けようと思います。もし私がしばらくしても戻らなかったら、何かあったと思って」現地から家はそれほど遠くないので、アレヂが駆けつけて来てくれることも願いましたが、「ハーイ」と言って、電話は切れました。……。電話を切ったあとも、豊かな想像力は、マイナスに働き続けました。(声をかけた途端、ガバッと起き上がられて、クビを絞められ衣服を剥ぎ取られるなど)あと一歩、勇気を踏み出せずにいると、道の向こうから、ヘッドライトを煌々と照らしたバイクが数台、やってきました。……このままでは轢かれてしまいます。しかもどうやら、ヤンキーのようです。(千葉県でバイクに二人乗りする髪を染めた若者の集団を、「ヤンキー」以外に表現する術を知りませんが、……死語でしょうか…?)やっと勇気が出ました。私がこの人を守る……!男性の前に立ち、道の真ん中に人がいるのをアピールしました。避けて…避けて通り過ぎてください…!…ヤンキーたちは、私たちの横で、キッと止まりました。……3台のバイクに、5人のヤンキー…。想像力はさらにマイナスに働きました。男性はボコボコにされ金品をもぎ取られ、私は麻薬を打たれて売り飛ばされる……。(↑亡き田舎の祖母が、「東京」を表現する時によく言っていたセリフ)「どうかしたんすか?」バイクからおりて、ヤンキーの一人がきいてきました。「あ、あの、倒れてらっしゃって…」(怯えながら敬語)「知り合いですか?」「いえ、あの、倒れてらっしゃって…」(怯えながら復唱)するとヤンキーは、躊躇することなく、男性の肩をトントン、と叩き、「大丈夫ですか?こんなとこで寝てたら危ないですよ」と、声をかけてくれたのです。男性は呆けたように起き上がり、ヤンキー5名と、マスクをした女に取り囲まれている現実を知りました。「じゃ、俺たちこれで」……ヤンキーたちは、非常に爽やかにバイクを飛ばして去っていきました。……いろんな想像してごめんなさい。助けたい気持ちと、巻き込まれたくない気持ち、二つの狭間で葛藤しながら、結局今日も、人助けはできませんでした。次こそは必ずや…!(特技その3:無責任に決意すること)人気ブログランキングへ
2009.01.25

知らなかったよ――こんな温かさがこの世にあったなんてそう君に会うまでは――正直言うとあたしはずっと敬遠してたんだ君のことみんなは君のこと褒めてたけどあたしは絶対君は面倒臭いところがあるにちがいないって疑ってただから近づいちゃいけないって君に近づいたら火傷するってそう思って逃げてたでもきっとあたしは心のどこかで君を求めてた――君に会ってこの冷たい世界から解放されたいってたぶんずっと思ってた――街はどんどん寒くなる――もう自分の気持ちに素直にならなきゃあたし絶対後悔する――あたしは君を探し歩いた君に会いたくてただ会いたくて――そうして見つけたあたしを待っててくれた君を――君に会ってまだ間もないくせに笑わないでねあたしたぶんもう君から離れられない――確かに君は何かと世話も焼けるけどでもねそれ以上のものをあたしにくれた夜眠る時一人じゃない幸せ――君がいれば冷たくて孤独な世界じゃない喜び――君の隣であたしは安心して眠りにつける君の温もりを知ってしまったからもう君のいない世界なんて考えられない君のせいだよ朝が来ても君から離れたくなくてずっと君といたくて君とこのまま永遠にベッドの中で過ごせたらって強く強く願ってしまう――君のせいであたしはどんどん堕ちていくでもあたしはきっと君を抱いて眠れる喜びを今宵もきっと噛み締める――『湯たんぽ~人生初~』人気ブログランキングへお湯を入れるとき、毎回こぼしてしまうのが面倒ですが、大好きです。
2009.01.21

20才の夏、理由あって、数週間ばかり、ケニアで暮らしたことがある。ケニア=全部サバンナだと思っていた私は、その考えが、「日本人は全員ちょんまげ」と同類の偏見だと知ることになる。首都ナイロビには、デパートもあるし、世界各国の料理が食べられる高級レストランもある。赤い服がトレードマークのマサイ族の中には、携帯電話片手に自転車に乗って、観光客にはマサイ族らしいジャンプを披露して、手作りのビーズのアクセサリーを、商売上手に売りさばいている人もいた。私が間借りさせてもらったのは、ケニアの田舎の村の村長さんのおうちだった。田舎なので、ナイロビのように近代的ではなく、お風呂もなくて、トイレは穴だったけれど、想像よりも、普通に暮らせる場所だった。牛小屋の隣が、ベッドの置いてあるゲストルームだ。牛糞と土でできた小さな台所で、村長さんの次女、ヘレンが作ってくれる、ウガリや豆の炒め物を、家族団欒でワイワイ食べる。小さな火を囲みながら、夕食の途中で、ヘレンの娘、2才のミシェルは眠ってしまう。7才の息子、パウロもうとうとし始めると、ヘレンはミシェルを抱きかかえ、パウロの手を引き、部屋へと帰って行く。それは私の子ども時代の夕食の風景によく似ていた。昼間は子どもたちとボールを蹴って遊んだり。時にはイベントもあって、隣の少し大きな町の、バザーにでかけたり、誰かの誕生日パーティでヤギの丸焼きを食べたり、お葬式で歌を歌ったり、マサイ族のおじいさん手作りの、ハチミツでできたビールを飲んだりする。それ以外は、特に何をするでもない、ポレポレの日常の中で、(ポレポレ:スワヒリ語でゆっくりゆっくりの意)私はまた、自分の考えが偏見だったことを知る。子どもたちが蹴っていたサッカーボールは、ビニール袋の中にワラを詰めて、ヒモでしばった、手作りのものだったのだけれど、テレビでアフリカの子ども達のそんな光景を見たとき、「なんて可哀相な子どもたちなんだ」と勝手に悲しんでいたのだけれど、でもちっとも可哀相ではなかった。戦争と病気さえなければ、サッカーボールがビニールとワラでできていても、それはちっとも不幸ではないと知った。追求すれば、それぞれ悩みはあるのだろう。でも村長さんを始め、出会った人々、子ども達が見せてくれた笑顔は、こちらまで幸せになれてしまうような、上質の笑顔だった。――滞在中、一度だけ、子どもたちの笑顔が消える瞬間を見たことがある。その村から、5キロほど離れた丘の上のキャンプ場まで、村長さんと、子どもたち3人と、ハイキングすることになった時のこと。乾燥した牛糞を発見して、手づかみでつかんで友達に投げたり、森の中に住んでる方に、赤い飲み物や、牛の足をごちそうになったり、子どもたちの楽しそうな笑顔は耐えなかった。丘の上に辿りつき、さえぎるものがないせいで、終わりが見えない、晴れ渡った空をバックに写真を撮った。やがてどこからか、軽快なラップが流れてくることに気付いた。音楽の発信源、キャンプ場の光景は圧巻だった。ニューヨークのクラブにいてもおかしくないような派手な服装の若い男女が、絡み合うようにして曲に合わせて踊っている。横には高級車。――ケニアは貧富の差が激しいという。世界各国から寄せられる寄付金は、一部の政治家の懐に入るときいたことがある。彼らはそのご子息なのだろうか。休日に車を飛ばして、田舎のキャンプ場までバカンスに来たのだろうか。村の子どもたちの笑顔が消えたのは、キャンプ場で踊る男女を、ぼんやりと眺めているときだった。――知ってしまったのだ、と思った。こんな世界があることを。世の中には、知る喜びもあれば、知る不幸もある。もしかしたらその二つは、表裏一体なのかもしれない。かつて某IT社長が、インターネットで世界が平和になると言った。貧しい国の人も、インターネットでアメリカ人の暮らしを見たら、こんな世界があるんだ、俺たちもこんな暮らしができるよう頑張ろうと思うだろう、と。その意見に対し、ある批評家は、「この人は本当にバカだと思った」と全否定した。平和になるどころか、ますますテロが起こるだろうと。――世の中には、知らなくていいことがたくさんある。日本では、生活しているだけで、空気と同じくらいの情報が、目に耳に飛び込んでくる。これはちょっとした不幸だと思う。私は先日、夢を失って、現実に向き合うことになり、一生涯、家事と仕事を両立させなければならないのだと改めて気付いた。一生涯、アレヂといたいから、専業主婦という選択肢はない。だから欲を言えば、やっぱり、自分に合ってる仕事がいい。そして日本には、千種類以上の職業があると知った。仕事や資格探しに真剣に向き合って、何種類もの職業を知ってしまったことは、喜びと不幸、紙一重だと思った。「親の敷いたレールを一生歩いてくなんて真っ平だったんだ」金持ちの御曹司のくせに、不良になったりする男のセリフは、なんと贅沢なのだろう。レールがあるってすごいことだ。父は学生時代に、自分で決めたレールに乗った。先の見通せるつまらない人生だと、思ったりもしたけれど、踏み外さないようにするのは、とても大変だったという。アレヂはフランスにいた頃から計画していたレールに、最近乗ることができた。休日も休まず会社に行き、走り続けている。今がアレヂの踏ん張りどころだ。友達も、それぞれのレールの上で、ちゃんと走っている。私はひとつの幻とも呼べたレールを踏み外し、新しいレールを探すことになった。私がレールに乗れるまで、あと何冊本を読み、何人の人に会い、どのくらいの時間を費やせばいいのだろう。新しいレールにたどり着くまで、あと何キロかかるのだろう。知りたくないことはいっぱい知ることができるのに、本当に知りたいことは、なかなか知れない――人気ブログランキングへケニアで会った、子どもたちに、また会うためにも、頑張りたいと思います。ちなみに当時の一人うるるん滞在記、帰るとき、号泣したのは私だけでした。
2009.01.17

弟へあれから無事、大阪に帰って、授業に出ることができましたか?お姉ちゃんの風邪、うつってないでしょうか?大丈夫でしょうか?先週末は、お正月に引き続き、成人式のために、あなたが帰省してくれて、お姉ちゃんは、とてもうれしかったです。友達の誘いを断って、(H子ごめん)、あなたに会うために、実家に帰ったお姉ちゃんは、もしかしたら、気持ち悪いでしょうか?あなたの成人式のスーツ姿、とてもステキでした。(気持ち悪いでしょうか?)そうそう。言い忘れていましたが、あの細いネクタイ、とてもオシャレですね。学生の時は、ネクタイなど、使う機会は少ないと思うので、あなたのお義兄さんである、アレヂにいただけないでしょうか?というか、次回、お姉ちゃんが実家に帰った折、軽く拝借していきますが、気にしないでくださいね。そうそう。お正月に観れなかった、『笑ってはいけない新聞社』、一緒に観れて良かったです。忙しい中、DVDにダビングしてくれたYちゃんと、Yちゃんの友達であるお姉ちゃんに、深く感謝していただければと思います。そうそう。お正月以外、実家に来ることのなかったアレヂが、あなたに会うために、というよりも、実家の大きなテレビで『笑ってはいけない~』を観るために、仕事の合間をぬって、わざわざ実家まで来てくれたのには、本当に驚きましたね。アレヂは、『笑って~』を、実は夏から楽しみにしていたそうです。アレヂは今しがたも、とメールできいてきました。こんなにお笑いが好きなのに、お姉ちゃんたち夫婦の、ボケとツッコミはおろか、トークさえも、さっぱり噛み合わないという点が、お姉ちゃんにはさっぱり解せません。ところでアレヂは、お姉ちゃんの知らぬ間に、ステテコの愛用を始めていました。似合っていました。そうそう。本題です。……お姉ちゃんは、あなたに謝ることがあります。お姉ちゃんは、中学校の成人式同窓会のため、夜の街へ繰り出してゆくあなたに、下記のようなメールを送りましたね。我ながら、経験者ならではのいいアドバイスができたと自負しておりました。あなたの返事は、下記の通りでした。…………嫌われちゃった。と、軽く返信しましたが、メールを見ながら、お姉ちゃん、実は反省していました。楽しい同窓会に、水をさすようなことをしてしまったこと。お母さんから、あなたが翌日には大阪に帰って大学の授業に出なければいけないのに、今夜は徹夜で飲むかも、だから寝ないで帰るかも、という話をきいて、お姉ちゃんは、老婆心が疼いたのです。成人式おめでとうと言ったばかりだったのに、お姉ちゃん、未だに説教じみててごめんなさい。あなたはもう成人したのだから、誰に何を言われなくとも、自分で責任を持って自己管理をきっちりとしているでしょうし、飲み会続きで寝不足でも、両親がお金を払ってくれている大学の授業で、まさか寝たりはしないでしょうし、ありがたい両親の仕送りを、飲み会で使い切ることもないでしょうし、変なところで節約と称して、卵かけご飯しか食べない日々を続けた果て、奇しくもお母さんの誕生日に、救急車で病院に運ばれる、ということもないでしょうし、夢ばかり追って、ニートになることもないでしょうし、初めて参加した合コンで、皆で終電を逃し、お金がなかったため、一番近くに住む人の家まで、男女8人、気まずい3時間の遠足をし、後日相手の男性の一人がお姉ちゃんたちの学校に編入してきた際、「そういえば、あの気持ち悪い人たちのいる学校だ」と影で言われることもないでしょうし、つまりはお姉ちゃんの二の舞になることはないと、信じていていいのに、お姉ちゃん、本当にあなたに申し訳ない説教ばかりしたと反省しています。お姉ちゃんの言うことは、右から左に流してくれてかまいません。どうか健康にだけは気をつけて、楽しく充実した大学生活を送ってくださいね。20才のあなたへ―― 弟離れできないお姉ちゃんからの反省文でした―― (気持ち悪いでしょうか?)人気ブログランキングへちなみに、当時救急車で運ばれたのは、産婦人科でした。恐らく診断を間違えられて。処女でしたが、例の台に乗ることになりました。今ではいい思い出です。
2009.01.15

お調子者だけど足が速いクラスの男子、運動会で団旗を振っていた笑顔のステキな先輩、新聞配達のお兄さん、イトーヨーカドーで一度だけ見かけたかっこいい人……様々な片思いをしていた学生時代――おまじないや占いが大好きでした。好きな人の上履きをはいて三歩歩いてみたり、(両思いになるおまじない)朝もやの中、ジャムの空き瓶を手に公園に出かけ、葉っぱについた朝露を集めてみたり、(両思いになるおまじない)ミサンガを山ほどこしらえてみたり、(両思いになる願いを込めて)それは時に、おまじないという生易しいものではなく、まじない師の域に達していた時もあったかと思われます。(ストーカーの域に達していた時もあったかと思われます。)そして、まじなうことで、両思いにグッと近づいたと、自負しておりました。雑誌の後ろページにある占いは、隈なくチェックしましたし、ゲームセンターにあったキティちゃんの占い機が、「気になるあの人と急接近するかも」「長年の想いが報われそうよ」などと診断してくれたら、それだけで、意味なく浮かれ、幸せをかみしめたものでした。そんな私に、「モウ占イナンテ信ジナイ――」と思わせてくれたのが、「○△の父」でした。(○△には、『新宿の母』のような都市名が入ります。)――忘れもしないあの雨の日の夕方、私は友人M子と、道行く人が「えっ?これ何の列?」と驚き振り返る、列に並んでおりました。歩道の端に、ささやかに作られたその列は、50人ほどの、悩ましげな人々で構成されておりました。列の先頭には何もありません。これが本当に、噂できいた○△の父の列で合ってるのかと不安になってきた1時間後、噂の○△の父が現れました。父はお手製の整理券を、順番に手渡していきました。後ろに並んでいた男性たちが、「前は40番で、結局終電来ちゃって、占ってもらえなかったんだよな」「えっ。そうなんすか」という会話をしておりました。○△の父の人気ぶりに、改めて高揚してきたM子と私。……5時間。M子と私が、列に並んでから、父に手相を見てもらうまでにかかった時間です。足腰が非常に疲労した状態で、恋愛について占ってもらったM子は、処女だということまで打ち明けた結果、「ぎゅーっと抱きしめられて、気持ちいいと思った人とつきあいなさい。なんなら私が相手をしようか」というお言葉をいただきました。…3千円。恋ではなく、漠然とした未来について占ってもらった私は、「君はマーフィーの本を読むといい」というお言葉をいただきました。……3千円。しかも、父が手相を見るために使用していた懐中電灯が、私の占いの途中で電池切れし、「悪いけど君、電池買ってきてくれ」というお言葉をいただき、終電ギリギリの時間、電池を探しに走るハメになりました。必死で走りながら、従順にパシリをこなしたら、占い費用が多少差し戻されることを、どこかで期待していたのは事実です。ゼェゼェと息をしながら、電池とレシートとお釣りを「先生ッ(なぜ先生と呼んでしまったのか)、買ってきましたッ」と渡したところ、目も見ず「ありがと」と受け取っただけの父に、私は二度と会うことはないでしょうし、今後どこかに並んで占ってもらうことも二度とないでしょう――スマップも歌っていました。占いなんてなまけ者の人生、と――そんな私は、ここ数日、人生の小さな岐路に立たされ、(自分で立ったわけですが)ちょっとした決断を迫られていました。(自分で迫ったわけですが)悩みました。アレヂや友人や家族に相談しました。葛藤しました。身悶えました。悩みました。…そして最終的に、友人S子が教えてくれた、『決定版 あなたの全運勢 2009』を、本日拝見し、「ジーニー」という人の助言に、従うことにしました。……安達祐美のお母さんが、○○の母に、「あんたの娘も離婚するよ」と言われていたのを、以前にテレビで見たことがあります。また、藤原紀香が結婚を決める背中を押したのは、占い師の助言だった、というセレブエピソードは、今の心の拠り所です。人気ブログランキングへちなみにあの翌日、マーフィーの本は買いました。
2009.01.10

昨日は、会社を休んで、病院に行ってきました。ゲイの疑いがあるそのお医者さまは、診療時間の、わずか5分の間に、「う○ち」という単語を、5回ほど発しました。そのうち2回が、後ろに、「どっかんどっかん」という擬音語がついているものでした。「うんちどっかんどっかん」というフレーズを、元気良く2度浴びせられた乙女は、喉の激痛と高熱について訴えており、お腹についての症状は、何一つ訴えていなかったので、そこはちょっぴり解せないと思いました。「個性的なお医者さま」つながりで、かつて訪れた病院の、カツラの疑いがあるお医者さまのことを思い出しました。彼は、私の症状を半分ほどきくと、両手で私の頬をはさみ、「んー、可愛いでちゅねー」と言ったのです。驚きのあと、悪寒がしました。……でも正直たぶん、乙女はちょっぴりうれしかったのです。赤ちゃん言葉はさておき、糖分ならぬ「可愛いと言われる分」が、大いに不足していた乙女にとって、その出来事は、その後一週間の貴重な栄養源となりました。栄養源を求め、乙女は日夜、研究に励んでいます。乙女はこの前のクリスマスの翌日の朝、会社のエレベーターで、密かに「女豹」と名付け、その動向に注目している、ナチュラル上目使いの、フェロモンたっぷりの女性と乗り合わせました。(女豹は乙女のことは知りません。片思いです。)女豹は、次の階から乗ってきた顔見知りの男性と、会話を始めました。「昨日(クリスマス)何してた?」という会話でした。なかなかにイケメンの男性は、自宅でビールを飲んでいた旨、自嘲気味に話されました。その次の、女豹の回答の完璧さに、乙女は心を撃ち抜かれました。『私?母親とバレエ鑑賞。ふふっ。なんかいい感じでしょ?』まず注目すべきは、「バレエ鑑賞」です。一般人には敷居の高いバレエ。女豹の高貴さに圧倒されます。次に注目すべきは、一緒に行ったのが「母親」という点です。「友達と」といえば、その友達が男性の疑いもあり、イケメン男性は、「会社の上役の愛人だ」と噂されている女豹の背後に、パトロン的何かを感じてしまうかもしれません。「母親と」なら、男性の疑いは一切ないどころか、女豹の血筋に脈々と流れる、育ちの良さを感じさせることができます。クリスマスだからといって、慌てて恋人を探したりせず、家族と過ごすという優雅さの漂わせ方も◎。そして極めつけは、「ふふっ。なんかいい感じでしょ?」 ↑ここです。「バレエ鑑賞」「母親と」が高貴な印象であるということを踏まえたうえで、最後に可愛らしくおどけてみせる。手に入らないと諦めかけていたものが、自分のところまで、突然ストンと降りてきてくれた、愛らしさと共に――女豹の実際のクリスマスの過ごし方は、「友達と映画を観に行った」だと後日人づてに聞き、ますますいろいろと参考にしたい存在となりました。「高貴ストン可愛い」については、ハイレベルなテクニックが必要なので、今後も研究を重ねていきたいと思います。さて、すでに出ている研究結果の中に、「笑顔上手」「褒め上手」「喜び上手」は、可愛いと思われる女の三大上手、というのがあります。影でブタゴリラとあだ名されていた男性に、「おまえ笑うとブスだな」と言われた過去を持つ私は、未だ笑顔上手になれず、アレヂの話にも、笑顔で相槌が打てず、よく「…私ノ話ツマラナイヨネ」と言われてしまいます。「褒め上手」については、「すごい」の引用の練習を続けていくことで、七割方大丈夫だと思います。「ご」と「い」の間に、「ぉ」を入れる引用は、昼も夜も役に立ちそうです。「喜び上手」については、まず、相手が喜ばせることを試みてくれないと、成り立たないのが難点です。私のこの前のイヴの過ごし方は、『私?イベント重視しない彼氏を持つ友達と、人生初のうらビデオ鑑賞。ふふっ。最低でしょ?』というものでしたが、その友人S子も私も、翌日のクリスマスにパートナーと大喧嘩をし、後日、「別に高い物が欲しいわけじゃないのに。何か気持ちのものくれるだけでも、すごく喜ぶのに。すごく喜ぶ準備はできてるのに」と慰め合った夜が、いい思い出なるまであと三年――アレヂに「可愛い」と言われれば、かなりの栄養源が補充されるのに、喜び上手の私を知らないアレヂは、私の可愛さの半分も知らないのです。ともかく早く風邪を治そうと思いました。人気ブログランキングへ皆様、どうぞ風邪など召しませぬようご自愛ください…m(__)m
2009.01.07

年越し蕎麦を、年が明けた深夜1時から食べ始めたのがいけなかったのでしょうか。「年越し蕎麦は、何の意味がアリマスカ?」という外国人の素朴な質問で、家族全員で、初めて意味を調べたところ、<年を越す前に食べきらなければならず、蕎麦を残すと翌年金運に恵まれないなどと言われる>という事実が発覚したのがいけなかったのでしょうか。『絶対に笑ってはいけない新聞社24時!』の録画に失敗していた母に、ドメスティック・バイオレンス並に怒り狂っていた弟(もうすぐ成人式を迎えます)を、止めに入らなかったのがいけなかったのでしょうか。兄弟愛のドラマ、『流星の絆』のテーマソングを口ずさみながら、免許取り立ての弟と、初日の出を見に行き、心の中で、自分を戸田恵梨香と重ねていたのがいけなかったのでしょうか。新宿という都会まで、初売りに繰り出し、熱気に浮かされて、コケシ顔のくせに、アニマル柄の洋服を購入してしまったのがいけなかったのでしょうか。……すごく風邪を引きました。看病してくれる人がアレヂしかいない、自宅に帰ってすぐに。布団から起きることができず、ノドが痛くて声も出せないので、隣の部屋にいるアレヂにメールを送りました。〈風邪で動けない。ミカン持ってきてください〉アレヂにお粥という高度なものはお願いできないけれど、ミカンの栄養を体内に取り入れれば、多少は動けて、お粥を作るエネルギーになると思ったのです。でもミカンはなかなか来ませんでした。寝正月をしていたくせに、風邪を引いた私をアレヂは怒っているのでしょうか。だって引いちゃったものはしょうがないじゃない。動けないんだもの。しょうがないじゃない。一人でいろいろ想像し、一人で逆切れしながら、〈お願い!せめてミカンだけでも!〉とメールを打ち続けると、ドアが開いて、アレヂが現れました。寝床から見上げたアレヂの手には、なぜかご飯茶碗があり、ポスっと布団に置かれたご飯茶碗の中には、皮をむかれた丸いミカンが入っていました。…わざわざ皮をむいてくれた。それでホコリがつくといけないから、わざわざご飯茶碗に入れてくれた。すごく愛されてる気がしました。そういえば、年末にバイキングに行く機会に恵まれた時も、すごく愛されてる気がしたのを思い出しました。デザートが、プチケーキだったのですが、友人と二人、席を立たねばいけなかったため、アレヂに、「ケーキ、私たちの分も確保しといて!」とお願いし、お皿に盛られた数種類のケーキを想像しながら戻ってくると、お皿に盛られた数種類のケーキを食べているアレヂの横に、お皿に載っていない、(つまりテーブルに直接置かれた)、プチケーキが、私と友人の席に、それぞれひとつずつポスッポスッと置かれてありました。友人は、一瞬ですが、絶句していました。すごく斬新に愛されてる気がしました。ともかく風邪を早く治そうと思います。人気ブログランキングへ遅ればせながら、明けましておめでとうございます。落ち込んでいる私への、皆様からの温かいお言葉に、本当に本当に助けられました。不束者ですが、この先一年、(何かしら)頑張りたい所存ですので、本年もどうぞよろしくお願い致します。
2009.01.05

きれいに磨かれた丸い窓から、星のない夜空を背負い赤く光る、東京タワーが見えていた。東京の真ん中にある異業種交流会のその会場を、泣きそうになりながら後にすることになるなんて、寝不足の体を引きずりながら、重いドアを開けた時には、微かな予感さえしていなかった。……私の浅はかさのせいで、尊敬していた人に、「がっかりした」と言われた。そこに至る物語は数あれど、小さくまとめるならば、ただそれだけのこと。でもそれは、私を絶望の淵に立たせるのに、充分過ぎる出来事だった。私は何も持っていない、そう改めて気付くのに相応しい出来事だった。誰かから見れば、私は持っているのかもしれない。たとえば夫を。たとえば単調な仕事を。たとえば時間を。でも私は、一番欲しいものを持っていない。それだけで、自分は何も持っていないと、哀しみに襲われた。少なくともその時は、世界中の人々を差し置いて、誰より自分が不幸だと思った贅沢者だった。帰りの電車で、アレヂの声が、耳に入らなかった。体と洋服を電車の蛍光灯の下に残し、たぶん心だけ、闇の中にいたのだ。自転車に二人乗りしてアレヂの背中を借りて、溢れてくる涙と鼻水を拭いた。家に着いたら私はアレヂに、涙の理由を聞いてもらいたいと思っていた。そして慰めてもらいたいと思っていた。本心でなくてもいい。かりそめでもいい。アレヂに優しい言葉か態度をもらえたら、きっと心が楽になる。家に着いて、靴を脱いでも、アレヂは何も聞かなかった。なぜ聞かないか問うと、面倒臭そうに聞いてきた。私は話した。まとまりのつかない自分の気持ちを。アレヂは泣きながら話す私を無視した。もどかしさを感じながら、私は話し続けた。「アレヂは語学の才能もあるし、好きなアニメの仕事してるし、あそこで皆に褒められてた。でも私は何も持ってない。あの会場で、私はただの皿洗いで、ただのフランス人の夫を持ってる女。なのに私はその夫に、愛してるってひと言も言ってもらえない!」まとまらない言葉の影には、甘えが隠れていた。優しさに包まれたい想いに、気付いてもらえると思っていた。けれどアレヂはわめく私にひと言、「…ムカつく」と言い放った。求めていなかった脈絡のない返事が降ってきた衝撃で、私は絶望の淵から、見事に足を滑らせた。たとえ広辞苑のすべての単語を知っていても、自分の本当の気持ちが夫に伝わらない、果てない孤独を想った。――疲れがたまっていた。お酒も随分飲んでいた。何もかもどうでも良くなった。終電もない深夜、行くあてもないのに、ただどこかへ行きたかった。電話で話を聞いてくれる友達がつかまらなかったら、アルコールと煙草の臭いにまみれたまま、漫画喫茶か安宿に一人で泊まって夜を明かしたら、死ぬとまではいかないけれど、アレヂにも社会にも戻るのが難しい、暗い段階へ突入してしまうだろうことをぼんやり思いながら、私は小さな鞄だけ持って、アパートから出て行った。アレヂが呆れたように、自室のドアを閉めるのを後ろに聞きながら。気付けば坂の上に立っていた。星も見えなかった。寒かった。どうすればいいかわからなかった。ふいに後ろから、腕をつかまれた。怒った顔のアレヂが立っていた。足音がしなかったのは、靴下だったからだ。アレヂはグイグイと私を引っ張り家に連れて行った。「明日も仕事ナノニ!オマエは何も協力シナイ!」アレヂの文句を聞きながら、ガスヒーターの前で、私はまた泣いていた。泣きわめいて泣きじゃくって泣き疲れて、気付いたら、朝になっていた。三日前のチョコレートケーキを食べて、ベタついた髪の毛のまま、会社に向かった。欲しい言葉をくれない人だ。甘えを許してくれない人だ。愛の国のイメージがある、フランスから来たフランス人のくせに、愛しているとは、口が裂けても言わない人だ。愛しているかきくと、軽蔑した目で私を見る人だ。恥ずかしいだけかもしれない。本当に愛していないのかもしれない。…でも信じたい。たとえば、賑やかなところが嫌いなのに、家族ぐるみの忘年会に一日付き合ってくれたアレヂの中に。たとえば、暗い世界へ行こうとしていた私の腕を、グイグイと引っ張った手の平の中に。今はただ、いいか悪いかわからない、日々を積み重ねるしかないけれど、いつかその年月が、私の自信になりますように。来年は、弱音を吐かない強い女になりますように。自信を持てる自分になるよう、弱音を吐く前に頑張る女になりますように。失ったものが戻らなくても泣かないで、次に進める女になりますように。アレヂに愛してると言ってもらえる日がきますように。今日より明日。今年より来年。どうか。どうか――人気ブログランキングへ後ろから追いかけてきたアレヂに、腕をつかまれたドラマチックな話をしたら、友達に、大爆笑されました。
2008.12.28

白くて毛深く、独特の臭いを発する生物、「A」の観察を始めて、5年が経過しようとしている――◇12月某日◇テリトリーへの他者の侵入を、頑なに拒んでいたAが、小屋の扉を開け放った。ついに私に、心を開いてくれたのだろうか。…と喜んでみた後で、Aの小屋には、暖房器具がないことに気付く。リビングの温もりを小屋に入れるため、仕方なく開けたようだ。寒かったようだ。◇12月某日◇夕食のラタトゥイユにAにわからぬよう、ひとかけらのベーコンを忍ばせてみる。Aは幼少時から肉を毛嫌いしている。騙し通せるだろうか。「……肉入っテル。食べれナイ」一瞬で見抜かれた。頭のいい犬は、エサに薬が混ぜられていたら口にしないという。Aは頭のいい犬並の能力を持っていると考えて間違いないようだ。ひと口でもいいから、食べるよう命じる。ひと口食べて、大変苦しそうに顔をしかめた。相手をイラっとさせる表情にかけては、頭のいい犬より能力が高いと考えて間違いないようだ。◇12月某日◇イカ墨パスタを与えてみた。翌日、排泄物が黒かった旨、メールにて報告が来る。◇12月某日◇冷蔵庫に、トマトとモッツァレラチーズとバジルを混合させたサラダがあると教えておいた。後で冷蔵庫を見ると、モッツァレラチーズとバジルだけが抜き取られた残骸があった。証拠として、下記に写真を添付する。証拠写真↓【え…?トマトもこんなにも嫌いだったっけ…?】◇12月23日◇夕飯のテーブルに、ケーキと、その横にプレゼントを添えてみる。高価なものを与えると、感謝の代わりに、文句を言ったり、使用しないことで反発の意志を示す、特殊な習性を持つA。今回は、気持ちばかりのタオルハンカチにしてみた。素直に喜んでいた。成功だった。23日に与えたのは、Aに12月24日と25日の意味を思い起こさせ、2日間ものチャンスを与えるためだった。数年に渡り、この日は、人と人の間で、贈り物を贈り合う風習があると教えてきた。今回は最終テストだった。Aは気付くだろうか。タオルハンカチやケーキの意味に。あらかじめ、赤い服が似合うふくよかな老人のオブジェや、空を飛ぶ鹿に似た生き物のオブジェも、Aの目につくところに散りばめておいたのだ。気付かないわけがない。◇12月24日◇Aは通常通り生活していた。◇12月25日◇Aは通常通り生活していた。……。……過信していた私が悪いのだ。お返しする能力、相手を喜ばせる能力、風習を覚える能力などが、Aには、まだ欠けていることが、改めて判明した。「求めない、求めない」「期待しない、期待しない」と心の中で唱えることで、Aへの攻撃を回避するつもりだったが、無理だった。攻撃してしまった。攻撃を受けたAは布団にもぐりこみ、また固く心を閉ざしてしまった――……いつの日か、Aに心を開かせ、Aの能力を進化させてみせよう――いつか来るその日まで、私の観察記は続く――人気ブログランキングへ
2008.12.27

弟へ元気ですか?お姉ちゃんは歯が痛くて、昨日、新しい歯医者さんに行ってきました。担当してくれた女性の先生は、ELTの持田香織似の美人の上に、言葉使いも美しい上に、優しい上に、診断も的確な上に、処置も早かったのです。……眩しかったのです。あまり年齢は変わらないのに、かたや前掛けをしてヨダレを垂らしているお姉ちゃんと、どこでどう間違って、こんなに差がついたのでしょうか。きっと、お姉ちゃんが、「趣味は寝ることです」と答えていた頃に、一生懸命、勉学に励まれていたのでしょうね。…可愛い弟よ、どうか、あちら側へ行ってください…。お姉ちゃんだって、できることなら、あちら側へ行きたい…。 …さて、お姉ちゃんが手遅れ的な年齢になってから感銘を受けた本のひとつに、『レバレッジ時間術』というのがあります。この本は、あなたもご存知の、家族全員美男美女な上に、性格も良い上に、学力優秀な上に、スポーツ万能な上に、三人のお子さんたちがそれぞれ、敏腕社長、外資系税理士、エリート公務員になられた、あのご近所のスーパーご家族の奥様が、「うちの主人と子供たちが読んでいいって言ってたから。よかったら読んでみてね」と、くださった本です。これを読んだら、あのご家族に少しでも近づけるのかと、お姉ちゃんは、夢中で読みました。無駄な時間を頭を使って削り、そうしてできた時間を有益なことに使う、「時間投資」のノウハウが、たくさん書かれていました。これを読んだ後、お姉ちゃんは、「行ける…!」と思いました。あちら側の世界へ。今の無駄な時間をなくして、余った時間を資格取得などの勉強にあてれば、簡単に、行けそうな気がしました。あちら側の世界へ。本を読んだばかりの頃、周りの時間を無駄にしている人たちが、愚かに見えて仕方ありませんでした。……あの本を読んでから、約一年が経過しています。…今日は風が強くて、干していた洗濯物が、飛ばされそうになっていたのを知っていたのに、お姉ちゃんは、干し続けたまま、お昼寝に突入しました。起きたら、茶色い枕カバーが、消えていました。「もう外は風が強過ぎて怖いよぅ。早くおうちに入れてよぅ」あの子は、バッサバッサしながら、そう必死で訴えていたのに、お姉ちゃんは、心を鬼にして試練を与え、そしてあの子を失ったのです。隣の畑まで、長い時間かけて探しに行きましたが、あの子は、姿を現してはくれませんでした。あの本に感動するだけでなく、きちんと実践し続けていれば、お姉ちゃんは今頃、美人女医さんの前でヨダレを垂らしはしても、内側に秘めた確固たる何かを持っていたでしょうし、洗濯物が飛ばされないうちに、早めに取り入れ、畑まで探しに行くという無駄な時間は作らなかったでしょうし、不況の今、いつ今の仕事をクビになって路頭に迷うか、ビクビクすることもなかったでしょうし、「今日風強カッタ外でこれ見つケタ。これ貴様ノ?」と帰宅したアレヂの手に握られていたのが、期待していた枕カバーではなく、見知らぬシャワーキャップで、ガッカリすることもなかったでしょう。…可愛い弟よ。飲み会や麻雀に興じるのもいいですが、お正月に実家で会ったら、あの本を渡しますので、ぜひ読んでください。そして無駄な時間と有益な時間について考え、時間投資の術を実践して下さい。なおかつ、実践したものを継続してください。そうすれば、あちら側の世界が近づくはずです。あなたのやりたいことなら、どんなことでもいい。あなたの夢なら、お姉ちゃんは応援します。ちなみに、どんな資格や仕事が存在するのか調べたところ、お姉ちゃんの目に止まったのは、“MBA”でしたが、“MBA”を取得した場合の平均年収○○円~△△円の○○のところに、900万と記入されていましたが、あなたのやりたいことなら、どんなことでもいい。ちなみに、歯科医師の3年目の月収は、約40万円だそうですが、あなたの夢が見つかったなら、お姉ちゃんはなんでも応援します。ちなみに、裁判官になってキャリアを積んで最終的に最高裁判所長官に任命されれば年収は4000万円程度だそうですが、あなたのやりたいことなら、なんでもいい。あなたが就職する時、世間が不況でも、路頭に迷わないよう、好きな夢に向かって、あちら側の世界に向かって、がんばってください。人気ブログランキングへ
2008.12.21

もう何年前になるのだろう――あれは、アレヂが日本で迎える初めての大晦日の日だった。アレヂと二人、実家に帰り、家族と談笑しながら、母の作った数々のごちそうを、ガツガツガツガツたらふく食べたり、お酒を飲んだりしていた。ご飯を食べ終わり、紅白歌合戦を見ていると、アレヂが突然、「…寝マス」と言って、リビングと、ふすまを隔ててつながっている、客間へと消えて行った。「アレヂと紅白最後まで見たかったな」ちょっぴり淋しくなりながら、時々、お笑いや格闘技にチャンネルを変えたりしつつ、いつも通りの大晦日を、のんびり過ごしていた。…突如、客間のふすまが開き、アレヂが出てきて、問い合わせしてきた。「……コーラ…ありまスカ?」その時はまだ、アレヂが、お腹が痛いときや、吐きそうなとき、コーラを飲む生き物だと知らなかった。「お腹痛いカラコーラ飲まナイと…」……?と思いながら、実家には、コーラがなかったので、「飲みたいなら買ってくるよ」と私は一人、近所の自動販売機まで、散歩がてら出掛けて行った。一年が終わる日――寒くて透き通った夜空がキレイだった。アレヂともうすぐ結婚一年目、いろいろあったけれど、最後は、愛するアレヂのためにコーラを買いに行ったりして、なんだか平和に締めくくれてよかった、なんて思いながら、コーラを買って、帰ってくると、家の様子がちがっていた。玄関を開けると、弟が、「大変大変アレヂが吐いちゃった」と言った。ど…こに……?ま…さかね…。だって…大人だもの。大人だもの。リビングのドアを開けると、絨毯を、濡れた雑巾で、必死に拭いている、父と母がいた。……。……かくして私は、私がコーラを買いに行ってる間に、実家で起こった悲劇をきくこととなる。父と母と弟が、平和に紅白を見ていたら、客間から、ズボンをずり下げた(ベルトとボタンをはずして眠っていたため)アレヂが、口を押さえながら、パニック状態で出てきて、でも口を押さえた指の隙間から、嘔吐物はすでに溢れ出ていて、ボトボトと落ちては、絨毯の毛と毛の間に吸い込まれていき、平和に紅白を見ていた家族は、アレヂと、アレヂからこぼれ落ちるものに驚愕し、アレヂをキッチンのシンクまで誘導。アレヂのズボンが完璧に下まで落ちているばかりか、アレヂのヒモのゆるいパンツも、半分ズリ落ちていたため、アレヂが嘔吐している最中、母が必死でパンツをズリ上げていたという。…家族総出で絨毯を拭いていると、お風呂に入って、綺麗なパジャマ姿になったアレヂがやってきて、照れ臭そうに笑ってた。除夜の鐘が鳴っていた。…後日喧嘩したとき、「あの時、吐イテ苦しかったノハ、まるで貴様との一年を表しテタ」と言われ、「こっちのセリフだ」と思った。――年の瀬がせまるたび、食べ過ぎてしまう忘年会と共に、あの時のことを思い出す。吐く時は、トイレまで絶対にガマンしよう。だって、大人だもの。大人だもの。 人気ブログランキングへ
2008.12.19

新しい家での暮らしは、隣の家のおじさんのニンニクを焼く臭いや、同じおじさんの、放屁の音が聴こえてこない分、前より平和だと思っていた。一目惚れして買った可愛いスポンジが、意外に怖いことが事件だったくらい、平和だった。駅から遠いけれど、帰ってくるのがなんだか楽しみな平和なアパートだった。……平和は終わった。私たちは一階に住んでいるのだけれど、引っ越す前、不動産屋さんから、二階に住んでるご夫妻の、奥様の方が、心を病まれていて、床をドンドンしたり、叫んだりして、現在入院されていると教えてもらっていて、それでも構わないと引越したのだけれど、引越しのご挨拶に行ったら、温和で気弱そうなご主人が出てきて挨拶を交わしたのだけれど、それから別に物音も気にならなかったのだけれど、昨晩から……ひどいことになっている……。尋常じゃないくらいドンドンドンドンしていて、叫んでいるのは、ご主人だった――……ヒッチコックの『サイコ』を思い出した。モーテルの若い管理人、ノーマンが必死でかばう謎の母親の正体が判明した時の怖さを思い出した。……アパートではいろんな音がこんなに響くということがわかったので、今後、アレヂとの喧嘩は控えめに行おうと思うと同時に、一人じゃ怖いので、アレヂに早く帰ってきてほしいと思ったりして、愛を感じたりして、怖いことは悪いことばかりじゃないけど、今もまだドンドンドンドンしていて、どうしよう…怖い……。人気ブログランキングへ
2008.12.18

抽選――それは、スーパーで買物して、300円で1枚もらえる抽選補助券を、地道に10枚貯めて、(貯めると言っても、財布の中でレシートと絡まっていたりカバンの奥とかでヨレヨレになったりしてるので、大切に貯めてるわけじゃないけれど、とにかく10枚引っかき集めて)抽選1回の権利を手に入れて、列に並んで、温泉旅行が当たったら誰に自慢しようかとか、アレヂも無料だから絶対行くよねとか、有休残ってたかなとか、ワクワクしながら、でもそんなに期待してもどうせ当たんないんだからって、希望に満ち溢れる自分を抑えたりしながら、ガラガラと回して、赤い玉が出て、……ポケットティッシュかペコちゃんのキャンディーを選ばせてもらう行為――ペコちゃんを握りしめ、陰影がかった表情で温泉のパネル写真を見ながら、「あ~あ、こんなところで運を使い果たさなくて良かった」って、前向きに自分を慰める行為――…温泉に行きたい。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.12.18

……アレヂ、あなたはいつだって、本当によく気がつく子ですね。今日も冷蔵庫の中を見て、「この納豆は昨日マデ」「このキムチは9日までダッタ」「このコーンポタージュはもうヤバイじゃナイ?」って、賞味期限を越えさせてしまった私を、ぶつぶつネチネチ責めましたね。私はあなたを黙らせようと、つい大声で、以前何かで読んだセリフを叫んでしまいました。「賞味期限なんて飾りだ!」私は、少々の賞味期限越えは、むしろ免疫になると考えている人間です。「いいよ!私が食べるから!」という、苛立ち混じりの私の男らしいセリフを、あなたは小バカにしたように、せせら笑っていましたね。…でも、あなたは気付いていませんでした。一番重要なことに。今日、あなたに与えたオムレツに使った卵二つの賞味期限が、13日までだったことに。ほらごらん。賞味期限を越えていても、お腹壊してないでしょう?…でも、その事実は言えない。あなたはきっと、私がビックリするくらいビックリするから…。…あなたがキムチの賞味期限を確かめているすぐ隣に、「08.12.13」ってシールが貼られた卵が4個あったこと…気付きませんように…気付かれませんように…って祈りが通じて、気付かれなかった…。あなたがお風呂に入った隙に、急いで卵のシールを剥がしたわ。以上で偽装は完了。明日は何の卵料理にしようかしら。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.12.15

休日に惰眠をむさぼる…それは私の至福の時間――休日なのに会社に出かけるアレヂを見送ったあと、まだ温かい布団にもぐりこみ、夢の続きを見れる幸せ――…起きたら15時だった…。こんなこと、お姑さんと同居してたら、絶対に許されないんだろうなとか、今日は特別予定もないし、ご飯を食べてから、ゆっくりネットサーフィンでもしようと、自分の幸福に感謝しながら、枕元にある携帯を見ると、アレヂから、メールがいっぱいきてた。《暇だったら寝室のかどなど汚いので、二分でも掃除機よろしく》《風呂場のカビも取れたらうれしい》《外から見ると窓がびしょ濡れてカビが発生するわけ。だから一週一回窓の掃除が必要と思います》……。…………なるほどですね。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.12.14

私の声は、可愛い――……この事実が発覚したのは、最近のことである。先日、会社の先輩男性から、こんなお話を聞いたのがきっかけだった。「△△支店の○○くん(26才,独身)が、『やばいんすよ~。田丸さんと仕事のことで電話で話したら、超可愛いんすよ~。めっちゃ声可愛いんすよ~。やばいんすよ~』って言ってたよ。『どんな子なんだろ。俺会いに行っちゃおうかな~』って言ってたから、『阻止します』って言っといた。『なんでですか~。超会いたいんすよ~。やばいんすよ~』ってしつこかったから、『阻止します』って繰り返しといた」…その「阻止します」には、「おまえなんかに、うちの大切な事務員の田丸ひろ子を、会わせるわけにはいかねーんだよ」という、冗談混じりのナイト(騎士)的響きではなく、「王宮の真実の秘密は絶対に死守しなければならない」という、本格派のナイト的響きが、多めに含まれている気がした。……。…洋服屋さんのお姉さんに、スカートを試着した姿を披露したら、「あ~、可愛い……。…(洋服の)色とか?」と言われた時のことが、走馬灯のように甦ったりした。…だが、そんなことがなんであろう。信頼できる友人S子は言っていた。「あぁ。確かにひろ子は声可愛いよね。大丈夫女は声が5割だ」……5割。私を形成している5割のものが可愛い…。…池袋の書店の前で声をかけてくれたイケメンのお兄さんと、マクドナルドで1時間ほど談笑して、お兄さんとクリスマスを過ごすところまで想像するくらい、好きになりかけた最後の頃に、お兄さんがカバンから英語の教材を出してセールスを始めたあの日の思い出、そんなことがなんであろう。私の声は可愛い――池袋駅構内で、小綺麗な年配女性に、「私、エステティシャンなんだけど、あなたお肌がとってもキレイだから、今度でるコンクールのパートナーになってくれないかしら?」と声をかけられ、ついていった雑居ビルの一室には、私と同じように勧誘されてきたらしい、私と同じように冴えない女の子が、隣の席で、エステ入会の書類にサインをしているのを見た瞬間すべてを察し、入会したら大金がかかるというその書類に、「小泉今日子」と偽名を書いて、店から脱出したあの日の思い出、そんなことがなんであろう。私は声が可愛い――この武器を、生活や人生に生かさなければと考えていた矢先、「ツンデレカルタ」なるものの存在を知った。ひらがな全44文字それぞれの音で始まる「ツンデレ的なセリフ」が書かれているカルタとのこと。アレヂの臭いがプンプンした。アレヂに《ツンデレカルタって知ってる?》とメールをすると、数分後に《「お」。おはようじゃなくて、おはようございますだろー!などがあります。萌え。》というメールが返ってきた。その日、アレヂが夕飯を食べてる横で、魅惑的な声で、「おはようじゃなくて、おはようございますだろー!」と言ってみた。……アレヂの無表情に、喜びの色が浮かんだ。「早く食べてよね。あなたのために待ってる時間なんてないんだから」思いつく限りのツンデレ的なセリフを、英会話の教材並みに浴びせてみた。…アレヂが私に傾倒していくのが、手に取るようにわかった。「なによ、こっち見ないでよ」嬉しそうなアレヂ。「別に、あんたを喜ばせるために、こんなしゃべり方してるんじゃないんだからね」嬉しそうなアレヂ。「食べ終わったら食器下げてよね」…悲しそうなアレヂ。…「……いつもに戻っチャッタネ」…同じツンデレのつもりだったが、どこが境界線だったのだろう。その晩、アレヂとyoutubeで、ツンデレカルタの朗読を聴いた。「あ。あんたなんて、豆腐の角に頭ぶつけて死んじゃえばいいのよ!」「い。いい加減目覚し時計で起きなさいよね。なんで私がいつも起こさなきゃいけないのよ!」・・・「れ。連絡くらいよこしなさいよ。し…心配したんだから」「ろ。ろくなことがないわね。あんたが一緒にいられるのは、私くらいなんだから」「わ。わ、私だけを見てればいいのよ」……44文字、ぜんぶ聴いた。極意を学んで、これからのアレヂとの関係が、より良きものになる気がした。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.12.09

クリスマスカラーが街を彩る12月の晴れた日曜日。セレブだと噂されていたインド人マダムLさんのホームパーティに、あまり親しくないのに、(どのくらい親しくないかと言うと、恐らくLさんは、私を知らないほどです)どさくさに紛れて、参加させていただきました。私ももうすぐ、新居に友人を招いて憧れのホームパーティを開く予定なので、飾りつけとか何か、参考になればいいなと思いながら。……Lさん宅の玄関は、10畳(恐らく材質は大理石)ほどあり、ご家族の写真がたくさん飾られていました。……Lさん宅の斜め前だか隣だかには、デヴィ夫人宅があると伺いました。……Lさんの旦那様は、大手金融会社の外国人役員だと知りました。…「参考」ではなく、「次元」という単語が浮かびました。次元…のため、広いリビングの大きなテーブルの上には、グラスに逆さまに立てられたポッキーや、オシャレなカゴに移し変えられたポテトチップスや、一口サイズに切られ、クラッカーに生クリームと共にのせられた様々なフルーツ(↑私がパーティで一番オシャレだと思う食べ物)などは、見当たらないようでした。料理上手なLさんの、丹精込めた手作り料理………ローストビーフですとか、サーモンのオーブン焼きですとか、インドカレーですとか、チキンの中にバジルなどをいれたおいしいものですとか、アップルパイですとか、ショートケーキですとかが、ホテルのバイキング顔負けで並んでいました。料理を入れている銀食器は、まさにホテルのバイキングにあるものと同じ製品かと思われました。ホテルのバイキングにあるものと同じ製品(↓こういうの)がある一般人宅。(リピート)お腹はおいしさで満たされ、足の裏は、床暖房で温かく満たされます。帰り際には、30人弱の参加者全員に、お土産が満たされました。とにかくもう満たされたのです。悪いことをしてる金持ちは、罵倒したくなるのに、自分にいい思いをさせてくれたお金持ちは、崇めたくなります。お腹も心も満たしてくれたLさんご夫妻を、私は心の中で、今も崇め続けています。たとえLさんご夫妻が、私の顔も名前も覚えていなかったとしても。そんなLさんご夫妻の馴れ初めは、ニューヨークの同じ支社で働いていたとき、旦那さまが、Lさんをランチに誘ったのがきっかけだったそうです。休日は会わずに、平日だけ、ランチやディナーを共にする、プラトニックな友達関係が3年ほど続いたある日、彼が突然、愛を告白してきたそうです。「僕が二人きりで食事をしている女性は君だけだよ」と。それからLさんも彼を意識するようになり、38才にして初めての結婚。セレブはラブロマンスも上質でした。上質な愛や友情を育んでこられたからこそ、今もお互いを愛し気遣う様子が、こちらまで伝わってくる仲睦まじいお二人でいられるのでしょうか。Lさん宅での幸せの余韻に浸ったまま帰宅。上質でない恋をして、後先考えず結婚してしまったアレヂとの、昔の写真を引っ張り出し、玄関に飾ってみることにしました。(←Lさん宅の影響大)素敵に飾ることができました。Lさん宅のようなセレブ感はでないけれど、うちはうちで、それなりに、いい感じに飾れたのではと思いました。写真を飾ったことに満足して、お風呂に入って出てくると、アレヂはもう就寝しており、静まり返った台所に、異変のようなものだけがありました。 ↑一番上の引き出しについている黄色い付箋が異変。……。《この中はもうカオスだ。カザリよりこんなとこをべんりにすることだ!》と書かれているようでした。翻訳すると、《台所の引き出しの中が散らかって混沌としているから、写真とか飾る暇があったら、この中を整理しろ!》ということのようでした。…付箋は見なかったことにしたのですが、今朝、会社での休憩中に携帯メールをチェックすると、私が最近入れ替えたなぎさ(植物)の入れ物について、《これは植物ようのやつじゃない穴がない。なぎさは黴るかおぼれる。スグかえてください。命令だ。最低じゃないか君は。》とアレヂからメールが来ており、続いて、《あと、写真は自分の部屋お願いします。今は邪魔でみれるとこじゃない。よろしく。自分の部屋があるわけ》《シンプルイズベスト》《おねがいですから。邪魔ですから。玄関に置かないで欲しい。押入れでもいいから。》《私の写真を貼るなんて気持ち悪い。ゴッホだったら、みようとする一応。お願いいらない。何もないほうがいいケースです》といった、玄関に写真を飾るなという念押しメール、最終的には懇願のメールが、合計7通ほどきており、アレヂの本気の様子が伺えました。……。…………次元。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.12.08

月曜日残業して夜遅く帰ると、自転車の後輪がパンクしていた。自宅までは、駅から徒歩30分。しかも寒くて雨…。自転車が使えないそれ即ち死…。雨に濡れながら、自転車を押して帰る。週始めの予定外の疲労に憤りを隠せず、アレヂに八つ当たり。《何者かに自転車をパンクさせられていた。誰かはわからないが、必ず探し出して殺してやる》と父にメール。《許すなんならわしが》と返事がきた。父の深い愛情を感じた。火曜日残業。自転車屋さんの受付時間ギリギリに駆け込んで、待ち時間2時間。自転車復活。修理してくれた男の子が可愛かった。ところで石川遼くんと結婚したい。水曜日理不尽に上司に怒鳴られる。心の中で呪い殺す。木曜日1時間半かけて、上司に抗議メールを作成。送信ボタンを押してしまった後、予定より早いクビを予感し、魂が抜けた状態になる。金曜日会社の男性20人弱の飲み会に、空気を読まず強引に参加。紅一点。……まったくチヤホヤされなかったことに、驚きを隠せない。お好み焼き屋のお姉さんに連発される「可愛い!」や、会社の可愛い子の噂話を、微笑みながらきいている、ワンピース、つまり勝負服姿の私。……お世話になった方を、送別できた金曜日。求めていたのは、それ以上でもそれ以下でもありません。土曜日待望のインターネット接続業者がやって来る。腰まである長い髪を、後ろで一本に結んだ、煙草臭いおじさん。目が怖い。アレヂは会社で、家には私ひとり。……犯される…犯されず、2分で作業終了。ひと月以上待って、2分…。とにかくつながってよかった。続いて、友人Bちゃんから荷物が届く。《遅くなったけど、結婚と、誕生日と、引越しおめでとう。私、やっと自分に余裕がでまして。アハハ》Bちゃんからの手紙と優しさと高級な贈り物に号泣。夜、部屋を片付けていると、ガラクタばかりが入っている袋の中から、1万円が5枚でてきた。……。透かしてみた。本物だった。数えてみた。やっぱり5枚あった。雄叫びをあげそうになった。必死でこらえた。アレヂに気付かれないよう、そっと財布にしまった。総合すると、とてもいい一週間だった。生きているって素晴らしい。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.12.06

弟へお姉ちゃん、最近、いろいろ思うことがあり、資格や就職のことを、いろいろ伝える前に、先に伝えたいことがあります。お姉ちゃんは先日、ひょんなことから、大人のビデオの制作会社を訪れる機会に恵まれました。何も知らずに、門をくぐると、まず目に飛び込んできたのは、ナスやきゅうりなど、比較的長い野菜を手に持って笑っている、半裸の女の子たちの、等身大パネルでした。棚には、色鮮やか(主に肌色の面積が多い)なDVDが、ズラリと陳列されていました。勘がいいお姉ちゃんは、自分の来た場所が、どういうところなのか、瞬時に察することができました。全面ガラス張りの会議室から、外を見ていると、マネージャーさんに連れられて入って来る、無名の女優さんの姿が見えたりしました。お手洗いを借りると、その横が、小さなシャワールームになっており、そこには、使いかけのクレンジングやら石鹸やらが、並べられておりました。その奥は、恐らく撮影ルームかと思われました。生々しさに、切なくなりました。この石鹸を使う前後に、女の子に起きる出来事に、思いを馳せました。そしてその後の、彼女たちの幸福を、心から祈りました。彼女たちを、商品として考えている男性たちの、お話をききました。彼らは、驚くくらい無邪気でした。無邪気に人を尊敬したり、夢を語ったりしていました。どんな真新しい企画を出すか、どんな面白いことをやるか。そこに使われるのはもちろん、女の子の裸なのですが、「あの女優たちは、テレビって言ったら、五千円でも出るからね」と、屈託なく、少年のように目を輝かせながら、お話しされる様子のどこにも、悪意など見受けられませんでした。彼らはただ、夢と情熱をもって、仕事をしているだけでした。たとえば、ビデオに出た後、人生が狂ってしまった女の子がいても、彼らにとっては、たぶん、関係のないことなのです。でもそれは、仕方のないことなのでしょう。彼の携帯の待受画面は、彼の幼い娘さんの写真でした。「娘」と「妻」という女性と、それ以外の女性は、彼にとっては、たぶん、まったくの別物なのだと思いました。でもそれは、当然のことなのでしょう。また、先日、お姉ちゃんは美容院に行ったのですが、夫がフランス人ということで、美容師さん(とてもいい方です)は、→ 俺パリに行ったことある → 娼婦みたいな人がたくさんいた → → 俺風俗にはトラウマあるから行かないという話の流れで、初めての風俗について、お話してくれました。「17才のとき、先輩に連れてってもらったのね。待ってたらなんか、こんなフワッとした、赤に白の水玉が入ったワンピース着たおばちゃんが出てきて、俺最初、お話してくれる人なのかなって思ったのね。だから、『初めてだから楽しみっすよ。どんな子くるんすかね』っておばちゃんと話してて、そしたらおばちゃんが、『じゃ、始めましょうか』って、胸ペロンて出してきたのね。俺、『マジかよ!』って思って、超キレちゃって。『帰る!』っつって、受付の兄ちゃんと、殴り合いとかになっちゃって」……お姉ちゃん、笑顔で相槌打ちながら、心の中では、その赤いワンピースのおばちゃんに、かなり感情移入して、とても悲しい気持ちになっていました。お姉ちゃん、「私のために喧嘩しないで!」というシチュエーションに憧れていたけれど、お姉ちゃんのためでも、こういう喧嘩は、ちっともして欲しくありません。「だってさ、町にはタダでできる若くて可愛い子がいっぱいいんのに、なんで金払ってこんなブスなおばちゃんと?って思うじゃん?俺、あの頃、週末は必ずナンパしに行ってたからさ。当時はホント猿みたいでさ、女の子ナンパしたら、もうストレートにきくよね。俺とヤルか、ヤラないか。で、ヤルっつったら、とりあえず、カラオケボックスとか行って、そこでやっちゃう場合もあるし、そのあとホテル行ったりさ。あぁ、でもあれは辛かったな~。俺と一緒にナンパしてたヤツは、すげーカッコいいやつだったから、もう、すげーの。もう、百発百中?俺、ナンパに失敗したときは、車の中で、朝5時までそいつのこと待っててさ。辛かったな~。あ、一番よかったナンパは、そいつが車運転してて、俺が助手席で渋谷走っててさ、そしたら、たぶん、モデルかレースクイーンなんだろうね。すげーキレーな二人組が歩いててさ、友達が、車のウインドウ開けて、『乗ってく?』っつったら、乗ってきたからね。マジビビッたよ。さすがって思ったね」そう無邪気に語る、美容師さんのどこにも、悪意の欠片などありませんでした。「ナンパして一晩過ごした子と、また会ったりしないんですか?」ときいてみたら、「会うわけないじゃん。番号教えねーもん」と無邪気に言っていました。「あの頃は女の子もみんな若いからさ、遊びたい年頃じゃん。だからお互い、同意の上?」……お姉ちゃん、そのような世界は、漫画の中だけの出来事だと信じて疑わない、地味な高校時代を過ごしていましたので、美容師さんのお話に、「信じられない」という、素直な表情を浮かべればいいのか、「そうよね。私も若い頃はそうだったぁ」という、空気を読んだ表情を浮かべればいいのか判断つきかね、不気味なうすら笑いを浮かべることしかできませんでした。ちなみに、お姉ちゃんが、そこの美容院に、次回から、行くのをやめようか、悩んでいるのは、決して、そのお話が衝撃的だったから、というわけではなく、会う人会う人に、「あれ?自分で切った(笑)?」←(笑)がポイント。「大丈夫、そこまでひどくないよ」と言われたからに過ぎません。(…でもアレヂとお母さんは、超可愛いって言ってくれました。)…弟へ。あなたがこの先、出会うであろう女の子たちは、あなたにとって、特別な人じゃなくても、きっとだれかの特別な子。もしくは、だれかの特別な人になりたくて、頑張ってる子。うまく言えないけれど、真意を汲み取っていただければ幸いです。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.11.30

先日、アレヂと一緒にいない時、アレヂから、私を罵倒するメールが、5通くらい飛んできた。《あんたは不便なセンスがあるのに!》《あんただけの使い物ではない!》《あんたの感覚がわからない!》……いっぱい、「あんた」って書かれてた。夫からの、初めての「あんた」。……許さない。すぐに電話して、「あんたっていうのは一番最低の呼び方だよ!超失礼!絶対許さない!」と言うと、「……ごめんナサイ。ニュアンスがヨクわからナイ。“おまえ”と“あんた”、どちガ失礼?」「あんた!」「“貴様”ト“あんた”ハ?」「あんた!」「わかりマシタ」わかってくれた。周りの女友達に、男性から「おまえ」と呼ばれるのを嫌がる子が多い。でも私は、「おまえ」はドМ心をくすぐられるので、悪くないと思っている。例)「ったく、おまえはホントにめんどくせーやつだな」今回のことで、「あんた」がすごく癇に障ることがわかった。例)「まだわかんねーのかよ!だから、俺は…ッ!あんたのことが好きなんだよ!」上記のセリフ以外で、アレヂが私に「あんた」を使用するのを、私は認めない。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.11.30

……弟へ以前雑誌で読んだのですが、女性は、男性の前で、神田うのや叶姉妹のことを「嫌い」と言えても、長澤まさみのことを「嫌い」とは言えないそうです。爽やかで健康的でナチュラルで演技派で性格も良さそうな子の悪口を言ったら、性格が悪い女だと思われてしまうから、だそうです。……お姉ちゃんが、長澤まさみのことを嫌いになったのは、長澤まさみが20才になる際のインタビューで、「20才になるのがイヤで泣きました」と、爽やかでクシャッとしたあの笑顔でコメントしたときでした。……20才になるのがイヤで泣きました…?最近、心の中で復唱してみたら、またしても憎々しさが込み上げてきました。お姉ちゃん、今特に、若さが憎い…憎いです…。先日お話した転職活動のその後ですが、お姉ちゃん、夢と希望をもって、就職紹介所に行き、現実に夢も希望も潰されて帰ってきました。隣で紹介を受けていた若々しい女の子は、敬語も使いこなせていないのに、「次にこちらが化粧品会社の事務のお仕事ですが…」と、事務職を何ケ所も紹介されていました。お姉ちゃんは、その横で、「今、事務の募集というのがないんですね」と言われていました。「接客のお仕事は、経験を積みたいという20代前半の方に優先的に紹介するんですね」など、「20代前半」という単語を、何度か聞かされ、最終的に、お姉ちゃんを傷つけないよう遠回しに、丁寧に、紹介を拒否されました。最後に、紹介所について、匿名アンケートを提出するのですが、とても満足満足普通やや不満とても不満のうち、「やや不満」に二重丸をつけることを、ささやかな復讐として、帰ってきました。……年齢だけが原因じゃないってわかってます。不況が原因だと思いたいけれど、もしお姉ちゃんが、何か特殊な能力を持っていたなら、年齢も不況も関係なかったのだと思います。というわけで、次回、転職活動報告シリーズ第三回『だから資格とっときゃよかったのに』第四回『こうして私はニートになった』第五回『“専業主婦”と“夫に養われる”が載ってる辞書をください』をお送りします。お姉ちゃんの、学生時代の、悲惨な就職活動のエピソードは必見。これを読めば、あなたの人生は変わるはずです。お楽しみに。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.11.21

弟へ……お姉ちゃん、この不景気に、密やかに、転職活動を始めてみました。いろいろ勉強してわかったのですが、やはり企業は、ポジティブシンキングな人を求めているのですね。たとえば面接で、「あなたは運のいい方だと思いますか?」という質問をされたら、まず「はい」と答え、「私は半年前に、階段から落ちて右足を骨折したのですが、致命傷にはなりませんでした。その時、自分はとても運がいいと思いました」など、あえて一見、運が悪そうな話をして、「でも自分は運がいいと考えていますよ」という経験談などを挙げると、面接官に「おぉ!」という好印象を与えるそうです。それを聞いて、お姉ちゃんも、「おぉ!」と思いましたので、最近の経験を元にして、面接の時の答えを考えてみました。↓「運…ですか…?…そうですね。いいと思います。たとえば私は最近、主人と以前より広いアパートに引越しをし、主人に自分の部屋ができたのですが、主人はその部屋を、立入禁止にしたんですね。始めは冗談かなと思っていたんですが、冗談で入ろうとすると、本気で怒ったので、以来、本気で『開けられずの扉』になったんですね。もしかしたら、主人は、ひとつ屋根の下でも常に新鮮な気持ちでいたいから、あえてこのような扉を設けたのかも…と思いまして、彼氏の部屋に遊びにきたつきあいたての彼女を気取って、『遊びにきちゃった。入ってもいい?』と、可愛らしくノックしたら、顔を出した主人に、『ダメに決まってるダロ』的なジェスチャーをされて、ドアを閉められたんですね。こんな困惑を味わえるなんて、私はなんて運がいいんだろうと思いました。また、引っ越して、ひと月近く経つのですが、主人は自分の部屋の雨戸も窓も、一度も開けた形跡がないんですね。主人の留守中、そっと『開けられずの扉』を開けたら、案の定、かすかな腐臭がしましたので、こっそり雨戸を開けるなら、今しかないと思って、そっと部屋に入って、窓を開けたんです。雨戸のロックが固くて、なかなか外れなくて、今、もし主人が忘れ物をしたと帰ってきたら一巻の終わりだわ!、と、ドキドキしながら、スパイ映画の主人公になった気分を味わえたんですね。無事開けることができ、主人が帰って来ないことを祈りながら、しばらく換気をして、雨戸と窓を閉め、侵入した痕跡を残してないか確認して、主人の部屋を出ようとしたとき、窓ガラスに、私の指紋がついていることに気付いたんですね。戻って、指紋を拭き取りました。これでもかというほど、完璧に。その時、『私キャッツアイ』と思いました。昔から、キャッツアイですとか、ルパン三世ですとか、華麗な泥棒系の方たちに、憧れておりましたので、結婚生活の雨戸ごときで、憧れの体験ができてしまう私は、なんて運がいいのだろうと思いました」……どうかな?国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.11.18

何度言っても、アレヂが私のボディタオルを使うことに対して、抱いた気持ちは、憎しみでした。ビショビショになっている私のタオルに触れたとき、お風呂から飛び出して、このタオルでアレヂの首を絞めてやろうかと思うほどの、憎しみでした。…友達の結婚式に行ってきました。小柄で可愛い友達のウェディングドレス姿は、想像通り可愛くて、そしてやはり想像通り、神父さんのお馴染のセリフは、胸に突き刺さりました。結婚式に出席して、愛についての言葉を聞くたび、胸が痛みます。愛は…愛は永遠であり、愛は親切であり、愛は嫉まず、愛は憎まず、愛は怒らず、愛は自慢せず、愛は礼儀に反することをせず、愛は自分の利益を求めず………「愛」とは、なんと難しい行為なのでしょう。今の私にとって、最も縁遠い感情及びプレッシャー以外の何者でもありませんでした。私はアレヂに対して、親切でなく、嫉まないことがなく、憎まないことがなく、怒らないことがなく、自慢もするし、礼儀にも反しているし、いつだって自分の利益を求めています。神父さんの言っていた、愛の欠片もありません。愛がないため、アレヂと新しいアパートに引っ越して、今までと勝手が違うことが起こるたび、喧嘩しています。私は会社に行ってる間も、雨戸を開けて、光を部屋の中に入れたいのに、私の後に出かけるアレヂは、防犯のためと、雨戸を閉めて出かけます。アレヂより早く帰宅して、きっちり閉じられた雨戸を見るたび、抱く感情は苛立ちでした。一人で暮らした方がストレスなく暮らせると、何度思ったことでしょう。換気の問題も大問題でした。アレヂは換気を重要視していませんが、私は病的なほど、換気を重要視しています。(前のアパートでのカビのトラウマがあるからです。)お風呂から出たら、換気扇を、タイマー限界の90分にセットして、洗面所で髪を乾かしていました。アレヂが洗面所に、歯を磨きにやってきて、出て行った後、タイマーは、5分に変わっていました。また90分に戻しました。アレヂがやってきて、出て行くと、また5分に変わっていました。不思議現象にもめげず、またタイマーを90分に戻しました。アレヂが来るたび、5分になります。90、5、90、5と、冷戦の被害者になっている換気扇のタイマーを、また90分に戻そうとしたとき、ふと、自分たちの滑稽さに気付いて笑い出してしまいました。私の突然の笑い声に、アレヂも笑いました。張り詰めていた空気が、一瞬で綻びました。「タイマーは、間をとって、30分にしよう」と折り合いをつけました。愛にはまだまだ遠いけれど、笑い合うことと、折り合いをつけること、素直になれば簡単にできる、この二つのことを繰り返していけば、いつの日か、心を痛めず、愛についての定義を聞ける日が来ると信じて、もう少し優しくなってがんばろうと思いました。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.11.08

結婚してから二年間くらいは、体を洗う石鹸で、顔も洗っていました。洗顔石鹸を買う余裕がなかったからです。また、セレブたちが雑誌の中で、「アロマの香りでリラックスできるバスタイムは、わたくしの至福の時間」「わたくしは休日の大半を、バスルームで過ごしています」などと語られているのを見るたび、憧れを抱いていましたが、換気の悪さと根気のなさで、カビが輝いていた前のアパートのお風呂場は、アロマの香りともリラックスとも、無縁でした。むしろ一刻も早く立ち去りたい場所でした。ところが、今はどうでしょう。窓もタイマーの換気扇もついている、カビがいないお風呂場で、洗顔石鹸があるのはもちろんのこと、私は湯船に、数滴のアロマオイルまで垂らしてしまいました。アロマの香りに包まれ、リラックスしながら、入浴をしたのです。セレブと同じセリフを言えることを行えたのです。ボディタオルも、以前から使っていたものを処分して、セレブ感溢れる、シルクでできた2千円のものを購入してしまいました。しばらくして、アレヂ用のボディタオルを買ってきていないことに気付いたので、800円のものを購入してあげました。(アレヂとは、絶対にボディタオルを共有したくないのです。ワキガがうつる都市伝説をきいたため。)アレヂに「ごめんね。アレヂの買ってきた」と見せると、「あ、私ボディタオル使わナイ。チュートリアルの徳井と同ジ洗い方してるカラ」と言われました。……どのような…?「まァ、あったら使ウケド」…その晩、アレヂの後に、お風呂に入ったら、アレヂの使った痕跡として、ビショビショに濡れていたのは、私の2千円のタオルの方でした。お風呂から出て、アレヂに「タオル間違って私の方使ったでしょ」と指摘すると、「エ?何がチガウ?」と言われたので、「……大きさが」と答えました。「それなら大キイ方が私ノダカラ合っテルじゃナイ?」と言われたので、「…大きい方が値段が高級だから」と正直に言ってしまったら、「……許さナイ」と言われ、あかずの間へ消えられました。……お父さんは、お母さんが、自分より高い石鹸やシャンプーを使っていても、何も言っていなかったのに、アレヂの目は、なんだか私を敵対視していました。一人の男(タオル)をゲイと取り合っている気分になり、こんなことなら、「チュートリアルの徳井と同じ洗い方」とやらをさせておけばよかったと思いました。その数日後、チュートリアルの徳井さんを見る機会がありました。お世話になってる方のお誘いで、新宿のルミネで、漫才や新喜劇を見たのです。帰ってから、『エンタの神様』などのお笑い番組を愛しているアレヂに、「チュートリアルもフットボールアワーも、キングコングもロバートも出てたよ」と自慢すると、「エッ、ロバートも?!」と驚きました。アレヂがロバートを好きだったことは初耳だなと思いつつ、「そう。3人組の…」というと、「あの外人じゃナイ?」と問われました。「外人…?」「ソウ。日本のコト何でも知っテルあいつ」……だれ?誰かはわからなかったけれど、アレヂは、ロバートのことも敵対視している様子でした。……ガンバレ。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.11.07

ボロは着てても心は錦、とでも申しましょうか。どんなに貧しい生活をしていても、生まれつきの高貴さを、隠し切れない方はいらっしゃるものです。アレヂ様も、そのお一人でございました。引越し屋の男性たちが、駆け足で、何度も階段を往復しながら、ダンボールを運んだり、家具を梱包している中、何をしていいかわからず、邪魔にならない場所で、床を拭いたりしている私の横で、モグモグとメロンパンを食しながら、皆を眺めているアレヂ様は、必死で畑を耕す農夫たちを、馬上から優雅に眺める、貴族のお姿そのものでございました。また、引越後の最初の休日、ダンボールの開封に取り掛かった私の横をすり抜けて、「大きい漫画ノ店ニ行っテキマス」と、近所で見つけたフィギュアやゲームや漫画が並ぶ、お気に入りのお店に、出かけていくアレヂ様もまた、「狩りに行ってくるよ婆や。今日こそはあの鹿を仕留めてやるんだ」と、マントを羽織って颯爽と出かけられていく、貴族のお姿そのものでございました。また、引越後のご飯中、ずっと携帯をいじっているアレヂ様に、「誰とメールしてるの?」ときくと、「フィリップ」と答えていたアレヂ様ですが、さりげなく後ろから覗くと(視力1.5)、メールの文章は、《ではでは、引越し頑張ってね》と、日本語で書かれており、フィリップの片鱗もなく、日本人女性からのようでございました。その文章に対し、《イェイ!》と返答されたアレヂ様は、背後からの私の視線に気付かれたのか、ビクリとして、振り向こうとなさいました。私は《イェイ!》のセンスとテンションに混乱したまま、そっと目をそらしました。気まずそうに、ご飯を口に運ぶアレヂ様は、貴族のお姿そのものでございました。また、アレヂ様は、新しいご自宅に、ご自分のお部屋をお持ちになれたことが、よほど嬉しかったのでしょう。お風呂から出た私が、アレヂ様のお姿を探すと、固く閉じられた、アレヂ様のお部屋のドアに、紙が貼られてございました。《立入禁止(集中が必要)音楽を聴いている場合は声が聞こえないため、緊急な連絡は携帯で(>_<)お願いいたします!》と書かれてございました。……。気持ちよくお風呂を出てきたら、何の前触れもなく、自由に伴侶の姿を見ることが許されない世界に変わっていました。鶴さえも、お爺さんとお婆さんに断りを入れてから、部屋に閉じこもったというのに、突然にお触れを出すアレヂ様は、やはり貴族のお姿そのものでございました。当然、お触れを写真におさめましたところ、ガラッと扉が開き、アレヂ様が「まさか写真撮っタ?」と顔を出しました。声が聞こえないどころか、写メールの小さな音まで、きちんと拾える聴力は、貴族のお姿そのものでございました。新しい自宅には、雨戸がついているのですが、朝起きたら、雨戸と窓を開けて、太陽の光と新しい空気を入れるのが、通常の人間の生活だと、私ずっと思っておりましたので、アレヂ様以外の部屋の雨戸と窓を開け、アレヂ様に「アレヂの部屋も開けなね」と申し上げると、アレヂ様は、首を横に振られました。「私の部屋開けナイ。イツカ私ガ開けタイ時ニ開ケル」……一日中真っ暗で、空気の澱んだ部屋を好まれるアレヂ様は、貴族のお姿そのものでございました。どんなに説得しても、決して意見を聞き入れてくれないアレヂ様は、貴族のお姿そのものでございました。愛想と気力を尽かされて、城から出て行く私を見送るアレヂ様は、貴族のお姿そのものでございました。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ↑家のネットがつながるのが10日ほど先となり、ブログ中毒症状が出たため、アレヂへの報復も手伝って、…実家へ帰ってきました。ランキング結果を知って吃驚しました。(……すみません。ちょっと嘘つきました。本当は、お友達のジュンリンさんに、メールで教えてもらった時に、吃驚を終えていました。)本当に、人の優しさと温かさに触れました。心から心からありがとうございました。
2008.11.02

アレヂは、恐らく私より、植物(名前:なぎさ)を愛していると思った。今夜は引越し前夜なのだけど、なぎさの事は、引越し屋さんに任せられないと、自転車で今から、新しい家に運んでくると、なぎさを抱えて、寒い夜の町に飛び出していった。5秒後に蒼白な顔で戻ってきて、「…マフラーアル?」と聞かれたので、探したけれど、すでにダンボールの中だったので、なんとなく、手ぬぐいを渡してみた。しばしの沈黙の後、手ぬぐいを首に巻いて、アレヂは再び、夜の街に飛び出していった。明日からしばらくネットが使えなくなるので、荷作りをさぼって、ブログを書いていたら、《超寒い死にます》というメールがきていた。手ぬぐいを首に巻いたアレヂが、死なずに帰ってきたので、また荷造りにもどります。 ブログを読んでくださっている皆様、ランキングボタンを押してくださっている皆様、いつもお礼も言わずすみません。押していただくことで、弱った心でいるときに、頭を優しくなでてくれるのと、同じ効果がもたらされています。私に。本当に本当にありがとうございます。 国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ寒くなって参りました。風邪など召しませぬようご自愛ください。さようなら、また会う日まで(たぶん3日後くらい)
2008.10.29

弟へお姉ちゃん、引越しの準備で疲れているところに、会社の人間関係で、心が弱ったりして、あまり元気ではありませんが、…元気ですか?お姉ちゃん、あいのりにも、Qちゃんの引退会見にも、泰葉の会見にさえ、なんだか涙してしまうほど、いい具合に弱っていますが、…元気ですか?最近、お母さんから、《最近音沙汰なくてお母さん寂しいよ。元気?》というメールをよくもらうのですが、《元気》とだけ返しています。実際は、元気がないからです。元気がないときの、お母さんからの「元気?」には、ただただ胸が苦しいばかりです。……お姉ちゃん、決して背伸びしているわけではなく、たとえ背伸びしたところで、お姉ちゃんの手に届く世界が、小さなものであることに変わりはなく、なのになぜ、ほんの小さな世界のくせに、うまくいかないことが多いのでしょう。良かれと思ってしていたことが、実は相手を、不快にさせていたと知ったときって、誰かに故意的に意地悪されるときよりも、申し訳なさと悲しさで、途方に暮れるものなのですね。血でもセックスでもつながっていない相手との人間関係は、甘えの配分も、相手の思いもつかめない分、KYなお姉ちゃんには難しく、相手に認められたいと、深く入り込もうとすればするほど、ますます難しく。この世に誰からも好かれる食べ物なんてないし、あの白いお米だって、嫌いな人はいるのだし、ましてやお姉ちゃんは、白いお米よりも、パクチーとかに近いのだから、傷つくことには慣れていました。お姉ちゃんは、傷つきのプロのくせに、学習能力がなく、新しい傷が増えるたび、あがいたり、愚痴にまみれたり、眠れぬ夜を過ごしたりして、さらに深く傷ついていきます。だから、お姉ちゃん、「傷大歓迎派」に転向することにしました。傷つかずに生きていきたいと願っていた日もあったけど、今は、もっと傷つきたい。新しい傷が増えるたび、今まで気付けなかった、誰かの苦しみを知れたり、人の優しさが身に染みたり、わからなかったものが見えてきたり、自分がこの先誰かを傷つけないための、いい勉強になったり、遠くない未来には、笑い話として、ひとつのネタにもなるでしょうし、時が経つにつれ、いいことだらけだからです。――いつか笑い話に熟成される日まで、お姉ちゃんは、あがいたり、愚痴にまみれたり、眠れぬ夜を過ごしたりして、今日の傷と向き合っていこうと思います。お姉ちゃんから、お母さんに、心から「元気」と電話できる日まで(今電話したら、お姉ちゃん、声プルプルさせて泣いてしまいますので)、どうかお母さんが寂しくならないよう、不良以上マザコン未満で、メールとか電話で、相手してあげてください。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.28

まだ“さよなら”は言えないんだ――死んでしまった夫から、ある日、突然届いた消印のないラブレター………テレビで予告を見るだけで、毎回胸が熱くなる『P.S.アイラヴユー』。「観に行こうよ」とアレヂを誘ってみたら、「オエェ。外人が出テル」と断られた。……。会社の男性が、飲み会の席で、奥様のことを、「俺の奥さんは、目がパッチリしてて、性格はパーフェクトにいいよ」と褒めちぎってらしたのを聞いて、アレヂは会社の方に、私のことを、どんな風に言ってるのか、ちょっぴり気になった。「会社の人に、アレヂの奥サン(夫のワイシャツにアイロンもあてないで弁当も作らないで夫を痩せさせてそれでも)日本人デスカ?と笑ワレテマス」……。P.S.アイ……ユー国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.27

懐かしのホリエモンは、「愛は金で買える」と発言して、世間から叩かれたけれど、……私の愛は、きっとお金の元にひざまずく。だって私の心は、お金がないと、貧しくなる。たとえば、会費制でもコース予約でもない、友達との飲み会の席に、仕事で大幅に遅刻していったとして、明らかに、最初の一杯しか飲んでいないのに、お会計のときに、携帯の電卓で金額を弾き出した幹事に、「じゃあ各自3540円ずつで」と言われたら、…大ショックを受ける。みんなに気付かれるか気付かれないかギリギリの線で、うっすらと、抗議の表情を浮かべながら、かばんから財布を取り出す。なるべくモタモタしながら出して、誰かに、「あ、でもひろ子は遅くきたから、1000円でいいんじゃない?」と言うチャンスを与えようと、試みたりしてみる。「ごめん私2000円と1万円札しかないや」と、大きめの声でアピールして、「あ、そういえばひろ子は遅くきたから、2000円でいいんじゃない?」と、誰かが言ってくれるように、最後の賭けに出てみたりする。「大丈夫だよ。私お釣りあるから」と優しく申し出てくれた誰かは、その時の私にとって、ちっとも優しくなんかない。心の中で、「でも私、後から来たけど充分楽しんだし。みんなの話おもしろかったし。みんな仕事大変だったねって言ってくれたし。そういえば前にこのメンバーで飲んだとき、私ぜんぜんみんなより食べてたし」と、必死に過去まで遡ったりして、帳尻を合わせることで、かろうじて笑顔を取り繕ったりする。……お金があれば、大切な友達相手に、こんな醜い葛藤、しなくてすむと思うのだ。…お金があれば、アレヂとの喧嘩も、半分ですむと思うのだ。新しいアパートは、台所が今より広くなるから、知人宅で見て以来憧れていた、ウォーターサーバーを置きたいと言って、ネットで値段を見せたら、「ペットボトルより高イ」と、一瞬で一蹴された。そんなアレヂを罵倒して、一週間無料お試しを申し込んだら、隣の部屋に行って、口をきいてくれなくなった。「ねえ」と言っても、「おい」と言っても、目をつぶって、瞑想に入っている。私という存在を、アレヂの世界から追い出そうとしているのかのように。アレヂが立ち上がったところに、思いっきり、カンチョーしてみたけど、ピクリともしなかった。私の存在も肉体も、アレヂの中から、完璧に消し去られてしまったのだろうか。カンチョーした指が泣いている。……こんな日は本当に、輝いてた日のホリエモンに、一晩でいいから、抱かれたいと思う。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ……ウソ。やっぱりホリエモンは無理。(上から目線)
2008.10.26

思えば3人の男を時間差で相手しようだなんて、私も罪な女だったわ――一人目の男は、午前中に約束してたアート。初めて会う男だから、アートが来る前に、部屋をキレイにして、私もメイクしてって考えてたのに、「もしもし。お引越しのお見積りの件ですが、10時から12時でお約束いただいてましたが、少し早めにお邪魔してもよろしいでしょうか?」って、アートからの電話が目覚し代わり。アートは5分後に、私のアパートのベルを鳴らした。あぁ、せっかちなアート!私はまだ、顔さえ洗ってないっていうのに!仕方なく、ラフな部屋着に見えなくもないパジャマ姿で、ルームメイトと一緒に、アートを迎えたわ。ルームメイトも私も、目ヤニをつけっぱなしでね。対してアートは、きちんとしたスーツに身を包んでた。無防備な姿で、きちんとした男の名刺を受け取るのって、たとえるなら、プールを一人だけ、裸で泳いでいるみたいな気分?新鮮な不安に襲われて、なんだかちょっぴり興奮した。アートは私の部屋の家具や電化製品を、舐め回すようにチェックして、誇らしげに、見積りを叩き出したの。アートったら、私がすぐにOKする軽い女だと思ってたのかしら。簡単に首を縦に振らない私に、アートは戸惑ってた。そしてハッとしたように言ったの。「……他にも男がいるんだな?」NOって答えても、誤魔化しきれないのはわかってた。私は答えたわ。「…いるわ。あなたが帰ったあと、私、彼らに会うの」突き放した台詞の中に、アートの誠意を試したいっていう、策略も秘めていた。案の定、アートの目に、嫉妬の炎が宿った。「今この場で俺を指名してくれたら、この値段にする。後から連絡を寄越すなら、最初に言った通りの値段だ」アートは駆け引きにでた。あいにくと、駆け引きする男は好きじゃなかったから、私もルームメイトも、決してYESと言わなかった。「……ふぅ。わかったよ。…他にどんな男がいるんだ?名前だけでも教えてくれないか?」私は正直に、アリオとアークの名前を告げた。「そうか…。…アリオには気をつけろよ。俺とは比べものにならないくらい、しつこいぞ」アートは紳士的に捨て台詞を吐いて去っていった。スーツの膝元に、安い絨毯の毛と、ルームメイトの頭皮のカサブタをつけてね。次の男、アリオが来るまでには時間があったから、今度こそ部屋をキレイにして、私もメイクしてって考えてたのに、なんてこと!私もルームメイトも再び眠りに堕ちてしまった!アリオが鳴らしたアパートのベルの音が、目覚し代わり。時計を見ると、アリオを呼んでいた時間をだいぶ過ぎていた。「すみません。遅れてしまって…」アリオもスーツで名刺をくれて、家具を舐め回すように見て、私とルームメイトには目ヤニがついていて、なんだかデ・ジャヴュな気分だった。アリオは若くて、誠意に溢れた男の子だった。ルームメイト曰く、「ヨン様より優シイ感じがスル」。アリオの弾き出した見積りは、アークより遥かに安かった。そして勘のいいアリオは、私に他に男がいることもわかっていたの。「僕は駆け引きとかしたくないんで…。もしこの場で決めていただけたら、この値段で上に掛け合ってみます」そういうのを駆引きって言うんじゃ…と思ったわ。…アートの捨て台詞通り、アリオは確かに粘り強かった。真っ直ぐな目で、私とルームメイトを見つめ続けた。そんなアリオを、うまくあしらいながら、私は内心違うことを考えて、不安に怯えていた。遅れてきたアリオのせいで、次に約束しているアークと、鉢合わせしてしまうんじゃないかって。不安は的中し、アパートのベルは鳴ってしまった!「……はい」「俺だ、アークだ」…部屋の空気が凍りついた。「……すみません…。僕が遅くきたから…」「もうチョット話キイテたら、きっと決めてたトモ」「そうですよね。次の方、今待たてますもんね…。すみません…。僕が遅くきたから…」アリオはさみしげに呟きながら、帰り支度を始めた。スーツの膝元に、絨毯の毛と、ルームメイトのカサブタをつけて立ち上がるアリオが、なんだか可哀相になってしまって、「ごめんなさい。あとでTELするから、待ってて」って、優しく微笑んで、アリオを励ましたわ。…あぁ、ついにドアのところで、アリオとアークがすれ違ってしまった!最高に気まずいったらありゃしない!!「…今のアリオだよな?」違う男を部屋に入れてたって、最初に知ってしまったアークは、なんだか冷たかった。事務的に家具を舐め回すように見て、予算をきいて、アートとアリオの見積りをきいて、「…正直、太刀打ちできねーよ。俺じゃおまえを幸せにしてやれねー」って、遠まわしにフッてきたの。アークがスーツの膝元に、絨毯の毛とカサブタをつけて出て行った後すぐに、まだ間に合うかしらっていう、不安に震える指先で、ダイヤルを回した。私にとって、誰が一番大切な男だったか、やっとわかったの――。「もしもし」突然の電話に、アリオは驚いていた。「あ、先程はすみませんでした。アークさん、こんなに早く終られたん…」「しっ。黙ってきいて、アリオ。…さっき言ってた通り、まだ私のこと好き?もし…まだ私に気持ちが残ってるなら、付き合ってほしいの…。あの値段で。ルームメイトも、ヨン様に似てるって言って、あなたに夢中なのよ」隣でルームメイトが、「もうっ、ドウシテそういうこと言っちゃうノヨっ」って、照れていたわ。受話器の向こうから、アリオの嬉しそうな笑い声がきこえてきた――それからアリオは、たくさんのダンボールを持って、戻ってきた。今度のデートまでに、用意しておいてくれって。ダンボール、全部使わなくても、多いに越したことはないだろうって。…あぁ、狭い部屋には多過ぎる、40箱のダンボールたち!…以上が、私に先週起きた出来事。あれから徐々に、アリオのダンボールに、私は命を吹き込んでいる。本や食器を詰められ、生き生きとした箱の形となって、アリオのダンボールは、部屋の面積を占領していく――踏み場のない、危険なこの世界で、生き抜いてみせるわ私……。明日に希望がある限り――国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.25

アレヂが…いつものクセで…頭皮のカサブタ(つまり多分フケ)をはがして…指でつかんだそれを……リビングにいる植物(名前:なぎさ)に……与えているのを……見てしまいました……。…い…つ…から…?……いつから…肥料として…デビューさせてたの…?国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.22

弟へこの前電話した時は、出てくれなくて、「なに?」ってメールで返事がきたけれど、昨日は電話に出てくれてありがとう。お姉ちゃん、うれしかったです。家庭教師のアルバイトを始めたそうですね。「今なにしてるの?」ときいたら、「勉強。生徒に教えるための」と答えたあなたと、「テレビに出ちゃうかもぉ」と浮かれているお姉ちゃんは、同じお母さんのお腹から生まれたのに、なんだか、距離がありましたね。 …勉強がんばってください。ところで、あなたの義理のお兄さんの話ですが、彼…ここ一週間で…「節約しなかッタラ離婚しマス」というセリフを、お姉ちゃんの記憶が正しければ、3回…3回…発したのですが…どう思われますか…?引越し先の家賃が、今より1万8千円高くなるので、彼はピリピリしているようです。……お姉ちゃんは…社会人3年目くらいにやっとオシャレに目覚めたわけですが、(引越しに備えて、いろいろ整理していたら、お姉ちゃんの昔の写真が出てきて、それはもう悲惨でした。)そんなお姉ちゃんが…街のウインドウを彩る、秋物の魅力に…負けないでいられると…思いますか…?…お姉ちゃん、お姉ちゃんにとても良く似合う、可愛らしい秋の洋服を買いまして、自転車でダッシュで帰りまして、家についたら、必死でハサミを探して値札を切りまして、紙袋もビニール袋も、破って捨てまして、「木を隠すなら森の中」という言葉を頭に過ぎらせながら、押入れの中の、他の洋服の間に、真新しい洋服をまぎれさせまして、購入した全ての痕跡を、消滅させました。あとは、近いうちに、見たことのない洋服を着ているお姉ちゃんに、アレヂが気付いて、「ソレ、いつからアリマスカ?」ときくでしょうから、「え?前からあるじゃん」と、きょとんとした顔で答えれば、お姉ちゃんのいつもの完全犯罪は成功です。一度、「前からってイツの前カラ?」と追求された時は焦りましたが。また、お姉ちゃんが日々行っている完全犯罪は、モノを増やすときだけに限りません。以前、あなたのお義兄さんの靴下に、大きな穴があいていたので、お姉ちゃん、妻として処分したら、ゴミ箱からそれを発見したあなたのお義兄さんが、「勝手に捨てるナンテ有り得ナイ!」と、怒り狂ったことがありました。「は?めっちゃ穴あいてるじゃん!日本では妻が夫の服の管理もするんだよ!縫えばいいの?縫えばいいわけ?ザ・ピーナッツの歌みたいに靴下直せばいいわけ?」と、お姉ちゃん、高度に言い返したわけですが、わかってもらえませんでした。あなたのお義兄さんは、モノを大切にする素晴らしい方なので、あの靴下事件以来、捨てたいものは、お義兄さんの目につかない、一定の場所にためておいて、ゴミの日に、ゴミ捨て場まで、隠れるようにして、持っていくようにしています。これから引越しするにあたり、お姉ちゃんの価値観では、必要のないもの(たとえば前の住人の方が置いていってくれたスノコ)がたくさんでてくるのですが、それらのどれか一つでも、あなたのお義兄さんの中では、捨てることは許されないでしょうから、気付かれないように捨てなければいけないという、大変な完全犯罪を短期間の間に、繰り返さなければなりません。ゴミの日も限られているので、完全犯罪も楽じゃありません。……完全犯罪を苦労しながら繰り返すのは、やはりお姉ちゃんは、アレヂを愛しているからでしょうか。それともアレヂに怯えているからでしょうか。――いつかあなたにも彼女や奥さんができた時、完全犯罪の痕跡を見つけてしまったら、奥さんを責めるのではなく、完全犯罪をやろうと思わせてしまった、あなたのことを、反省してくれればいいなと思います。話してわかってくれる人なら、奥さんは、完全犯罪をやらないのではと思います。……ところで、今気付いたのですが、以前、お姉ちゃんが電話したとき出なかったのは、もしや彼女が部屋に遊びにきていたからでしょうか。彼女ができたのでしょうか。……図星の場合、至急メールください。図星じゃない場合、家庭教師の勉強と共に、女心も勉強するようにしてください。 お姉ちゃんより国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.20

『北の国から'08 謝罪』父さん……実は先日…ブログを見てくださった…テレビ制作会社の方から…メッセージをいただいていたわけで…お電話でお話させていただいたら…素敵な女性の方だったわけで…国際結婚のカップルを取材したいというお話だったわけで…胸が…弾んだわけで…今日、その女性の方がアレヂの話をしてくださった上の方から…ダンディな声で…お電話をいただいたわけで…アレヂは自転車を買いに行っていて…ちょうど留守だったわけで…まずは会ってお話をということで、明日自宅に取材に来てくださるという話を、「部屋狭くて汚いですけど、片付けときます」と、二つ返事で、OKしたわけで……胸が…弾んだわけで…。アレヂに電話したけど、つながらなかったので、《至急連絡ください》とメールを打って、「どうしよう、どうしよう」と、ウキウキしながら、部屋を片付けたわけで…「どうしよう、どうしよう」と、ウキウキしながら、友達や弟に電話したわけで…「ブログで来た話だって、アレヂに言ったら殺されるから、知り合いの知り合いってことにした方がいいよね?」と、ドキドキしながら、計画を練ったわけで……ドキドキウキウキ…していたわけで…アレヂから電話がきたわけで…明日、私たちの仕事が終わった後、取材に来られる話をしたわけで……「ヤダ」と、ひと言、言われたわけで……。……まさかの答えに…戸惑ったわけで……。「で、でも…アレヂのアニメの宣伝にもなるかもしれないし…。お義母さんにも元気な姿見せてあげられるし…。あれ…?前にテレビ出たとき、喜んでなかったっけ…?」ともう一押ししてみたけれど、「ヤダ。本当はテレビ出るの好きジャナイ。あの狭い部屋見せて笑ワレルのヤダ。新シイ自転車乗りニクイ」と、ヤダの一点張りだったわけで…。アレヂのまさかの答えを…予期しておらず…具体的な話になるまで…アレヂに黙っていたことが仇となり…メッセージをくれた、女性スタッフの方の顔をつぶしてしまったわけで……。本当に…申し訳ありませんでした…。同時に、笑われるのが嫌だというアレヂに、ブログの内容が知れたら、間違いなく、離婚されるか殺される……と、改めて思ったわけで……。父さん……私どうすればいいですか…?国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.19

アレヂは今日、21時頃から0時過ぎまでずっとテレビを見ていて、私が洗い物をして洗濯物をたたんでお風呂から出てきても同じ姿勢でテレビを見ていたので、イラッとした。「なんで今日ずっとテレビ見てるの?」「…エ?何がイケナイデスカ?」キョトンとした顔に、イラッとした。お風呂に行こうと、私の前を通り過ぎたアレヂから、フワッとヨダレの臭いがしたので、イラッとした。イラッとしたから、今まで言いたかったけど言えなかったことを、一気にまくし立てるように言ってしまった。「おまえからヨダレの臭いがする。おまえが顔につけてるクリームは、夜になるとおまえの肌の臭いと混じり合って、ヨダレの臭いに変わってる」…アレヂは一瞬、傷ついた目をした。ヒゲの濃い頬を手でつかんで、頬の肉を、出来る限り鼻に近づけて、自分の顔の臭いを嗅ごうとする人を初めて見た。「……臭いシナイ」「するよ」「……毎日デスカ?」本当は毎日だけれど、アレヂの枕にも、同じ臭いが染み付いているほどだけれど、なんだか可哀相になったので、「……時々…だけど」と答えてしまった。アレヂは、「じゃあクリームジャナイ。私あれ毎日ツケテル。」と勝ち誇ったように言った。「やっぱり臭いの元はクリームなんだ」と、心の中で確信すると同時に、中途半端な優しさを見せた自分に後悔して、「毎日」と言い直したけれど、クリームに絶大なる信頼を寄せているらしいアレヂは、「貴様の鼻が繊細ジャナイ」とまた勝ち誇ったように,意味不明の言葉で、私を罵倒し返したので、またイラッとした。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.18

アレヂの頬を、渾身の力で往復ビンタした後、襟元をつかんで顔を引き寄せて頭突きして、よろめいたところに、鼻をへし折るような、パンチをお見舞いしてやって、ひぃひぃ言いながら鼻を押さえて、ガードがあいた鳩尾に、全身全霊をかけて、膝蹴りを決めることができたなら、どんなに幸せだろう――――引越しはお金がかかるってどうしてわからないのですか。洗濯機だって買い換えるいい機会だって、どうして共感してくれないのですか。深呼吸。私、深呼吸。次回引越しのこと話し合ったら、引越しの荷物に、外国人の遺体がひとつ増えてしまうかもしれない。深呼吸。私、本当に深く深呼吸。今日はもう見ない。アレヂを見ない。大丈夫。視界に入っても口をきかなければ大丈夫。オブジェ。He is オブジェ。He is 臭い的オブジェ。国際結婚ブログランキング人気ブログランキングへ
2008.10.14
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