くつろぎかふぇ

2009年04月25日
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スポーツビジネス、スポーツマネジメント、社会学で気になった本を図書館から借りて読んでみました。資料探しと、街の散策なども兼ねて、一橋大の図書館にも入館して読ませていただいたほど。一橋大図書館は、この手の本の蔵書は、予想以上に充実していて、大変参考になりました。2回か3回かに分けて書くので、長文になりますが、僕の記録としても残しておきたいものでして。それでも読んでいただければ嬉しく思います。

参考文献

「スポーツ社会学」
「スポーツマネジメント入門 ~24のキーワードで理解する~」広瀬一郎
「スポーツ研究論」内海和雄
「スポーツとは何か」「Jリーグからの風」玉木正之
「スポーツと国力~巨人はなぜ勝てない~」大坪正則

参考サイト「第106回「J.I.フォーラム」2006.05.30
スポーツで地域おこし・成功例


http://www.kosonippon.org/forum/cont.php?m_forum_cd=135&cont_type=2

 とくに、広瀬一郎氏の本は参考になりました。スポーツ界だけでなく、一般の企業や仕事にも応用できるノウハウやマネジメントもかなりありましたし、今までおぼろけながら考えていたことも整理できましたし。しかし、最後の参考サイトの最後の方で、玉木正之氏が、「こういうフォーラムにはプロ野球、高校野球、大学野球関係者は出てこない。呼んでも来ないのでしょうが・・・。」と言っていたのには、なるほどなあ、と思わされました。そもそも、そういう考えを持っている方々が野球関係者には少ないのでしょう。自分でクラブチームを作った野茂や、早大大学院でスポーツビジネスの勉強をした谷沢健一氏、四国独立リーグを設立した石毛宏典氏くらいでしょうか。読んでいて感じたことは、日本はスポーツを、「体育」として捉えて導入してしまったことが全ての不幸であるということ。長年、日本ではスポーツは、教育と興業という観点、そしてこれは特に野球で顕著ですが、仕事の役割分担になぞらえる考えでしか捉えてこなかった為、ビジネスになるということが、ここまで、やるスポーツも見るスポーツも発展してこなかったんだろうなと。教育はそこで終わり。興行は親会社が儲かればそこまで。だからスポーツと産業とビジネスがリンクしてこなかったんでしょう。当然、「スポーツビジネス」や、「スポーツマネジメント」という考えもなかったんでしょう。
それどころか、一般の人たちには、「スポーツビジネス&マネジメント=大企業が湯水のようにお金を使う。でもその企業の調子が悪くなったらオシマイ。」と思っている人たちも多かったのではないでしょうか?
 あと、大分の溝畑社長、やっぱりすごい人なんですね・・・。参考サイトにしたフォーラムを読んでいただければ、それが分かると思います。

 さて、気になった箇所、興味を引かれた箇所は・・・。

 ・スポーツ業界の生産者は、「チーム」と「リーグ」。これらが生産する商品が「ゲーム」この点がスポーツ業界は非常に特異。映画や音楽と違い、単独で商品を生み出せないエンターテイメント産業は、スポーツのみ。まずはこれを基本に。「ゲームという製品」の質を上げるには、実力の拮抗が大事。よって1チームの突出は経済、産業的に無意味。リーグ全体が「共存共栄」型であることが重要。そういえば20連覇を!何て言っていた某球団オーナーがいたな。
(いくら巨人中心の構造とはいえ、巨人だけが放映権料、商業圏を独占するのは
本来不自然←やっぱり!)1チームが利益を得ている現状を改革し、他球団にも利益がいきわたるようにし、リスク分散しておく。れらが制度上でもキチンとつくられていないから、産業として大問題に。「共産主義」だの、「資本主義」だのといった問題は無関係。単なる無知のなせる業だからまともに取り合わない。ここの努力に任せるなら市場参入が容易でなければならない。(今のNPBは高給会員クラブのようなもの)そうなったら全てのチームに相当な覚悟が。

・勝敗と事業性をリンクさせない。「興業」はハイリスク、ハイリターンでリスク大。いかに勝敗に左右されずに収益を上げるか?
 勝つことは大事で大前提だが、ファンにとって、勝てなければ何も残らない、ということになってしまっては、マネジメントとして成立しているとは言えないし、スポーツマネジメントとしては機能していない。「負けても楽しい」何かが残らないと。エンターテイメントや付加価値を創出するマーケティング活動が要。

スポーツが持つ公共性とは?


  よって、チームは情報の公開性がが公共の担保に最低限必要。公的施設を利用してビジネスを行うスポーツ組織が財務内容を公表していないのはスポーツが持つ公共性を満たしていない。スポーツというソフトを扱う以上、「公共性」を担保するのは、「公開性」に他ならない。

(2)観戦することによって個人レベルで「公共的文化に触れている」という実感が得られる重要な機会。

(3)勝利という一つの大きな価値を通じて地域社会とのつながりを実感共有できる。
  マーケティングとしては、この公共性を利用することが大切。地域のアイデンティティ作りプラス産業としての公共性。

 ○岐路に立つ企業スポーツ


また、それに反比例してスポーツ自体が以前より格段に大きな存在に。
(おそらくこれは、スポーツが、「学校体育」と「企業スポーツ」だけの存在では図れなくなってきていることの表れか?)
今後の展望として、「社会の変化」と「スポーツと社会のコミットの大きさ」を基本要素にして考える。
 「以前は許された」「考えなくてよかった」ことが通らなくなった。2004年のプロ野球再編問題はその象徴。→自分達の経営問題が社会的問題に成るとは思っていなかった。裏金も、「何を今さら」

○地域密着
 ~成績に左右されない安定した収入の確保という点からも重要。地域住民こそファンを顧客化させる中核~

 ・公共性をスポーツの中でどのように反映すべきか?社会とのかかわりの中でどう還元すべきか?「地域密着」は端的に現している。

 ・スタジアムからの距離と来場頻度の関係は反比例する。つまり来場頻度が高いのは、スタジアムの近くの人たち。ファンというカテゴリーよりも、顧客というカテゴリー。その地域に住む限りサポーターとして支えてくれるという構図に。

○「ファン」という顧客とサポーター組織

・サポーターを正しく扱うと強力な経営資源に。
・スポーツマネジメントにおけるサポーターの存在価値は、「いかに経営上のリスクを下げるか?経営上のリソースを増やすか?」
・顧客の階層化
年1回、月1回、毎試合。来場頻度の分類は必要。
少ない層にはもっと来てもらう。頻度の高い層には満足度を上げる。
一般的に、「現ファンを維持するコスト」は、「新規開拓のコストに比べ6分の1」
「レプリカを着る」=コストのかからないPRマーケティング。
・クレームにも価値
クレームは大変価値のある情報。業務改善のコンサルティングと同じ。(センモンノコンサルティングに依頼すれば数千万円のコスト)サポーターからのクレームは、よりダイレクトの問題点を指摘。
 Jリーグには、社長自らがサポーターの意見を聞く文化ができている(一部を除く)。自分の応援しているチームを、「わが(うち)のチーム」と1人称で語るサポーターをどれだけ増やせるか?

・サポーター=擬似株主。だが本物の株主ではないので、発言権はあっても決定権はないと考えるのがよい。決定権も与えると、経営のリスクとなり、チームもサポーターも不幸な関係に。

○自治体との関わり方

・自治体のプロクラブ参加は?サポーター組織を作る。ハード面の提供。

・ネーミングライツは、予想赤字分を補填するのが基本。

・日本のスタジアム使用料は、スポーツ産業に対して、決して優遇的ではない。「プロ料金」ということで一般価格より高値を提示される。
→多くの施設は、教育委員会に利用法をゆだねている為(学校体育の延長?)、「教育的見地」になり、プロチームの利用を学校体育より優先させることはない。わざと高い料金で妨害しているとも。自治体がまだまだスポーツを有効なソフトとして認識していない。さらにいえば教育委員会には、「スポーツによる地域振興」のミッションはない。が、地域振興のためのスポーツ拠点作りは総務省推進。しかし、教育委員会との連携は不可欠。

・2004年秋、我が国初の、「国民スポーツ担当相」が生まれた(麻生現総理)。総務省兼任ということもあり、「地域振興のためのスポーツ」が国に認知された。

施設建設と運営

ソフト感覚欠如とハコ物行政。「耐震性」「外から見たデザイン」「街のシンボルたり得るか」と建造物としての視点を重視し、使う人、見に来る人のことを考えておらず、作ることが目的に。CS(顧客満足)の視点がない。

・バスケが多くの競技人口を持ちながら観客動員が少なくメジャーになれないのは、
高校までの体育館にスタンドがないから(「見る」がなく「やる」だけになっている)。ただ、指定管理者制度により一変する可能性も。

例:千葉マリン 千葉ロッテマリーンズ
  鷺沼フットサルコート 川崎フロンターレ

○新規参入と入会審査

規制は排除の論理。いかに参入させないか?(NPB)
    ↓
    ↑
47都道府県にJクラブを。(Jリーグ)
いかにすれば入会できるか?いかにして増やすか?

現地調査 サポの人数、地元企業、金融機関との関係、商店街との結びつき、自治体の指導方法などをチェック。

スポンサー どこ?払えるの?キャッシュが足りなくなることはないのか?

責任企業がないケースでは、問題発生しやすい。かつての神戸のように責任の所在が自治体という場合も同様。

自治体との関係は良好か?

ファンクラブ(動員とは別)会員登録数は何人か?は重要なポイント。
最後は社長と面談。人となりを判断。

 まずはここまでにしておきます。
まずは、日本のプロスポーツ(特に野球?)を語る時、「勝てば儲かる。負ければ儲からない」と、勝敗と事業性をあまりにもリンクさせすぎではないか?負けても極力動員が落ちないようにしないとだめなんじゃないの?勝敗以外の魅力はどうなの?と思っていましたが、この点がまず一番クリアになりました。
 『「共産主義」だの、「資本主義」だのといった問題は無関係。単なる無知のなせる業だからまともに取り合わない。』というくだりも痛快でしたねえ。これを言っているのが、まさにあの新聞屋の爺さんだけに(もっとも、こういう人間が権力を持ってしまっているから困るんですが)。
 それから、公共性の問題で、スポーツは公共性を持つソフトなので、「公開性」は不可欠。ということも。これも今までのプロ野球界で、それをやってきた球団はほとんどないのでは?
 自治体との係わり合いにおいても、使用料がプロ料金で割高にされていたのも
初めて知りました。現在は随分変わっているかもしれませんけど。
 ハードとソフトに関しては、続きで書きたいと思います。ここまでは主に、広瀬氏の著作を参考にしました。





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最終更新日  2009年04月25日 21時32分28秒


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