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2012年06月28日
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ここ数ヶ月、このブログのことを忘れていました(^▽^;)


さて、今日は本当に久しぶりに手焼きせんべいを焼きました。
長いお客さんで1年近く待っていただいているのにこんなにお待たせした理由は・・・

先日試作した菓子にうぬぼれていた自分を見つけたのでもう一度初心に帰るため・・・と言えばかっこいいんですけど慢心している自分ほどみっともないと感じたからです。

これまでも気が向かなかったのと時間がなかったから長い期間、お客さんをお待たせしました。

それでも気長に待ってもらっている(忘れてるかも)お客さんがいるのはありがたいことです。
焼いたら電話しますと言っておきながらなかなか電話をすることがなかったので多少気まずい気持ちもありますが毎回喜んで取りに来ていただけるので良しとしましょう。

ご来店、あるいは電話でお客さんからこの手焼きせんべい《福の舞》のご注文を頂くと


お客さん「どれくらいかかりますか?」

カミさん「さぁ~。主人の気が向いたときなのではっきりとは・・・」

お客さん「わかりました。電話番号は〇〇〇です。宜しくお願いします」

このせんべいの存在を知っているお客さんは気が長いのかのん気なのか判断できませんが
こんなわがままな菓子屋を相手によく怒らないものだと他人事のように思います。


常連さんの中には一部上場企業の会長さんもいらっしいます。
京都まで電話をかけると必ず一週間以内にご来店されます。
数は決して多くないけど大きなベンツに運転手つき(ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォォォォ-
御年は間もなく100になろうかというほどに見えます。
「あと何回食べられるかな?」と言いながら帰りの車に乗り込むお姿を拝見すると
次も早く焼かなければ・・・とは思うんですが・・・


まず、焼けた分は冷めたらすぐに小分けして包装して数を把握。
注文の古い人から順番に電話をかけて数量をお聞きして出来た分がなくなったら次回は次の人から電話をする要領です。
稀に出来た分が注文数を上回ると見本も出さずに店頭に置きますがいつもあっという間になくなるので今回は頑張って2日間連続で焼いて皆さんに喜んでもらおうと思っています(思うだけ)


そんな幻の手焼きせんべい《福の舞》のこだわりをこの際に書かせてもらいます(長いよ)

なぜ、和菓子屋が手焼きせんべいを?と思う人は少なくないでしょう。

僕はその人のせんべいは日本で一番美味しいと思っていたのでその技術が途絶えるのを黙って見過ごすことが出来ずに弟子入りすることに決めました。
約1ヶ月、短くても内容の濃い修行でした。
職人さんにとっても僕にとっても時間があまりなかったのでたった1ヶ月の間に2年分の修行をしたほど必死に教え、教えられました。
道具類一切も僕に譲ってくれたので今では遺品になりました。
職人さんは仕事を辞めて数年後に他界されましたがいつも僕の焼くせんべいを褒めてくれたのです。

基本は機械では焼けない本来の手焼きせんべいです。
下の写真を見ると違いがよくわかります。

NCM_1134.jpg




NCM_1133.jpg



上は機械焼きのような状態で下が理想の手焼きせんべいです。

上はこんがり全てが小麦色に焼けています。綺麗ですね。
断面も小麦色です。これがスーパーなどで販売されている大量に生産されるために焼かれたせんべいなんです。

下は扇形に焼けたせんべいの表面にグラデーションがあります。
断面も白い部分があります。
これがこだわりなんです。
なぜ、グラデーションになるのか?
それは生地の柔らかさからくるものです。
生地が超柔らかいので機械で定量を充填するのは無理です。
そしてせんべいの外側に行くほど気泡が大きくなり食感が変わります。
また、断面も表面になる厚さコンマ数ミリは茶色くなっていますが中心部分は白いまま。
白いといっても完全に火は入っています。
何が違うかというと味のグラデーションです。
味、食感にグラデーションをつけることによって驚きのせんべいになるわけです。
手焼きだからこそ出来る技です。

ですが柔らかい生地を使用すれば出来るものでもありません。
実はいたるところに職人技が隠されています。

材料は単純です。卵、小麦粉、砂糖、ピーナッツだけ。
でも卵の攪拌具合、小麦粉の混ぜ方、最終的な生地の柔らかさはもちろんリズムや火加減も大切です。
ガスの直火で焼くのですが微妙な火加減が物を言います。
ほとんどの方が気付かないと思いますがお昼時や夕飯時に各家庭でもガスの消費量が増えるのでガス会社も苦労してガス圧を一定に保とうとします。
そのために目には見えない微妙な範囲で圧力がホンのわずか強くなったり弱くなったりします。それを目で見てせんべいの状態で感じて調整します。
言葉では説明できないたくさんの職人技を厳しく指導してくれたおかげでこのせんべい焼けると思っています。

でも、これで満足しないのが自慢なんですo(^o^)o ワクワク
教えてもらった配合を調整してさらに難しい、もっともっと柔らかい生地にしています。
これまでのせんべいの観念は《パリパリ》ではないでしょうか?
僕が日本一だと思った職人さんに教えてもらったせんべいは《サクサク》でした。
ところが今焼いているせんべいは《サクッサクッ》なんです。
生地を柔らかくするだけでなくもっと気泡を含んだ生地にしています。
これがどれほど難しいかというと焼きあがったせんべいを金型から剥がす際に
数割の確率で破れて商品にならないほどなんです。
でも、僕のポリシーである《100点の菓子ではなく120点の菓子を作る》にはそんな無謀な挑戦も楽しいものなんです。





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最終更新日  2012年06月28日 22時30分35秒
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