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蹴上(けあげ)近傍
みやこホテルから金地院に行く時最初に潜るのは写真の煉瓦トンネル。
こ れはインクラインの下を潜るためのトンネルだ。明治期、東山にトンネルを
掘って琵琶湖の水を京都に曳く大事業が行われた。南禅寺脇の蹴上で姿を
現した琵琶湖疏水は一部関西電力の水力発電所に向かい、日本で初めての
市電を走らせている。 そして一部は疎水として哲学の道の景色を作りながら
鴨川に逆行して京都の景観を作りだしている。一方トンネル運河を遡航して
きたに舟はここでインクラインと呼ばれる水中にまで伸びたレール上の船貨車
に載せられて一気に岡崎の運河溜まりまで登降され、鴨川・桂川・淀川と航行
して商都大阪に繋がっていた。
そのインクライン下のトンネル写真を見て気が付いたので部分を拡大、トリミ
ングしてみる、と上部にかかった扁額は「雄観奇想」と読めた、雄観とは見事な
眺め、奇想とは優れた考えを意味すると云う。明治期この一大公共事業を発想
した京都府北垣知事の筆という。
このレンガ積みは実に装飾的な産物である。扁額上下の枠の美しさ、アーチ
の美しさ、トンネル内部の石組の上の煉瓦積みは斜め積みで、アーチ表面の
煉瓦列をそのまま延長したもので他にあまり例を見ない手法である。もう少し
現地で注意深く観察しなかった基が悔やまれる。
三条通りのホテル側には広い水路跡があり、その傍らに雄々しい金色の
男性像が置かれており、その銘板の言葉にも元気あふれる字が並んでいる。
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