愈々庵気まぐれ日記

愈々庵気まぐれ日記

2014.12.04
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カテゴリ: 小さな一日旅
  • 国宝神獣鏡・金錯銘鉄剣

  • 古代史を考える上で特にここでの発見は稲荷山古墳の発掘品で、その一つは下の
  • 「画文帯環状乳神獣鏡」。直径15,6センチの小さなものであるが中国で造られた
  • ものである。

  • RP1130328.JPG

  • 興味深いのは同じ鋳型で作られた同型の鏡が他に宮崎県、福岡県、三重県、
  • 千葉県、群馬県に亘る5か所から出土していることである。こうなると考えられるのは
  • 大和の王権がこれらを中国から輸入して各地の王(豪族)に配布したものと思われる。
  • 我々はこれらの地を陸地地図で考えてしまうが人物・文明・文化の流通路が海川水路
  • に限られたであろう古墳の時代では港と港を結ぶ線であり、陸路での距離は意味が
  • 無かったのではなかろうか。

  • 稲荷山古墳から出土したもう一つのもので古代史に燦然と輝く資料は有名な
  • 「金錯銘鉄剣」であろう。1978年稲荷山古墳の副葬品をX線透視するとサビで膨れ
  • 上がった鉄剣に金象眼の文字が浮かび出た。古墳時代に鉄を彫り金を流し込んだ
  • 「金石文」と言うのが知られていたそうで、115文字に及ぶ銘文が発見された。
  • この時大々的に報道され大いに沸いた記憶が鮮明に甦ってきた。私の記憶はその
  • 時で停まっていたが今回さきたま博物館を訪れてみると鮮やかな金文字が浮かび
  • 上がった鉄剣が二重ガラスケースに収められ酸化が進まないように窒素ガスで
  • 封印されて吊るされている。両面に金文字が彫られているので平置き出来ず吊るして
  • 展示されている。

  • RP1130319.JPG RP1130320.JPG

  • 思わず係の人にこれはレプリカですかと尋ねてしまった。
  • 「皆さんにそう聞かれるのですが本物の出土品で勿論一級の国宝です」との答え。
  • 奈良国立文化財センターの手で細かく錆びを剥がし、一部錆びでずれていた金文字を
  • 元に戻して修復したものだと言う。鉄剣の両面に金象眼された文字が輝いている。
  • パンフレットの写真を再現すると下の様で折れることも無く文字も明瞭である。

  • RP1130530.JPG

  • これを現代の名工が復元制作したものがあり、現在は浦和の県立博物館に
  • 収められているようである。

  • RP1130531.JPG

  • 銘文には表面に「辛亥の年7月これを記す。私の名はオワケの臣、遠い先祖
  • の名はオホヒコ、その子の名はタカリのスクネ、その子の名はテヨカリワケ、
  • その子の名はタカヒシワケ、その子の名はタサキワケ、その子の名はハヒテ」
  • とあり、さらに裏面にはカサヒヨが続き、その子供がこの銘を記したヲワケの臣で
  • これらの先祖代々大王の親衛隊長として仕えてきた。ワカタケル大王がシキ
  • の宮殿に居る時代私は大王が天下を治めるのをを補佐した。「よく鍛え上げ、
  • よく切れる刀を作らせて私と私の一族がこれまで大王に仕えた由緒を書き残して
  • おく」とある。大王は現在の天皇のことで、ヲワケの臣さんはその親衛隊長であった。
  • この辛亥の年は西暦471年か531年に当たり、ここでのワカタケル大王は
  • 雄略天皇か欽名明天皇と思われるが現在は前者と考える歴史学者が多い
  • とのことである。
  • いずれにしてもこんな歴史資料が金ぴかの文字ではっきり読み取れることには
  • 感動を抑えられなかった。





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Last updated  2014.12.04 11:31:31 コメントを書く
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