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2007.12.29
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カテゴリ: 読書/歴史系
「…勝者はけっして最初から勝者であったのではない。
無数の敗北や失敗を乗り越えてきたからこそ、彼らは勝ち残れたのであり、
だからこそローマの歴史は混迷する現代日本に暮らす私たちにも
無数の教訓やヒントを与えてくれると思うのです」 <本書の帯にもあった塩野さんの言葉>



ローマから日本が見える

本書は、「改革」をキーワードにして帝政樹立までのローマ史をコンパクトにまとめあげ、
それらをヒントに、現代日本の政治において何が必要なのかを考える本、とでもいったらいいでしょうか。

ローマ史には、その長い歴史の中に、さまざまな政治変遷があります。
王政から共和政へ、そして帝政へ。

その間には、内部での闘争や外部の脅威など、幾度も国家的危機がありました。
ローマ人はいかにしてそれらを乗り越え、大帝国を造りあげたのか。

それらの史実をつぶさに見ていくことは、現代政治においても大いに参考になることは間違いありません。

政治家のみなさんには、ぜひともそういう歴史をしっかり勉強していただけるとありがたいですね

ここで、ワタクシ自身の覚え書きのつもりで、いくつか印象に残った言葉を拾い上げてみたいと思います。

「ローマが千年以上にわたって続いたのは、けっして運がよかったからでもないし、彼らの資質が特別に優れていたからでもありません。ただ、彼らには自分たちのありのままの姿を直視し、それらを改善していこうという気概があった。だからこそ、ローマの繁栄はあれほど長続きしたのです」

「どんな制度であろうと、制度には制度の持つ『寿命』というものがあります。最初はうまくいっていたシステムでも、時代が変われば、弊害のほうが頭をもたげてくるものなのです」

「いかなる超大国といえども、長期にわたって安泰でありつづけることはできない。国外に敵を持たなくなっても、国内に敵を持つようになる。外からの敵は寄せつけない頑健そのものの肉体でも、身体の内部の疾患に、肉体の成長についていけなかったゆえの内臓疾患に、苦しまされることがあるのに似ている」(ハンニバル)

「どんなに悪い事例とされていることでも、それが始められたそもそものきっかけは立派なものであった」(カエサル)

「(官僚の天下りや道路公団など)そうやって善意で始まったさまざまなシステムが、ある時期を境にして害悪を撒き散らす存在に変わってしまった。ここに今の日本を考える上での出発点があると、私ならば考えます」



他にもたくさんありますが、書ききれません。。。

巻末の「英雄たちの通信簿」は、とても興味深かったですねぇ

指導者に求められる資質、知力・説得力・肉体上の耐久力・自己制御力・持続する意志について
塩野さんが採点しているのですが、
ローマ人のなかでオール100点満点なのは、カエサルのみ

…なるほど。
わかる気もする。。

ちなみに第2位は、ハドリアヌス。
そしてトライアヌス、アウグストゥスと続きます。
アウグストゥスは、病弱だったのと、演説下手だったのが、ちょっと響きましたね

そして最後に、本書での塩野さんの締めくくりの言葉を引用。

「『天国に行く最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである』
これもマキアヴェッリの言葉ですが、この言葉を私なりに意訳すれば、リーダーたらんとする人は自分が地獄に堕ちることを覚悟してこそ、国民を天国に導くことができる、ということになります。
ローマの名リーダーたちは、言ってみればみな地獄に堕ちることを覚悟していた人たちだった。そのことを知ってもらいたくて、私はローマ人の物語を書きつづけているのかもしれませんね」




●● 秋乃みかくの読んだ本リスト ●●





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最終更新日  2007.12.29 11:46:57
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