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山歩き&日々足跡(雑感)
親鸞/人生の迷いを断ち切る言葉
親鸞「嫌な自分」を克服する本/川村妙慶(真宗大谷派僧侶)
「悪人正機説」
悪人(欲を断ち切れない人)こそ救われるべき
嫌な自分、弱い自分を認めることができる人こそが強い人
一章「他力」なぜ親鸞を知ると「迷わなくなる」のか?
① まず合掌―右手は仏さま、左手はあなた
(独りよがりな自分を克服する)
「自我で生きる立場を離れ、自力の限界を知り、あとは如来にお任せしましょう」
② 風が吹いたら、一にも二にも「柳に風」
(固い心をふにゃふにゃに解きほぐす)
他力本願による生活とは、必ず仏にさせていただける身の幸せを喜び、
如来への報恩のために自分の力を精一杯出していく生活。
努力できることを喜びながら生活する。それが、心をおだやかに生きるコツ。
③ 心と体の緊張をすっと「ゆるます」
(プレッシャーに負けない自分を作る)
社会から評価されなくても、経済的に恵まれなくても、いのちはいのち。
お釈迦様は、金や名誉など「人の世で積み上げた富は無価値」とされました。
いくら富を積み上げようと、やがては無となる。
④ すぐに見返りを「求めない」
(「人生の迷い」を断ち切る)
阿弥陀さまは、あなたが失敗しようが、成功しようが、健康であっても病気
になっても、全てにおいて、おさめとってくださる。
「憑むーたのむ」とは、身をまかせること。
「憑む」は、「こうなりたい」という注文の心を捨て、幸も不幸も、善も悪も、
生も死も全てを阿弥陀さまにお任せし切って、安心して日々を重ねることのできる
確かな足場に立たせていただくということなのです。
⑤ 「日」さえ当たれば「月」さえ「明」るくなる
(「新しい自分」に出会う)
阿弥陀仏の本願力とは、私たちの暗い心、苦悩の絶えない心を打ち破り、
心を晴れやかにしてくれる力―つまり他力のことです。
⑥ 感謝されたら「お互いさま」
(「やさしい言葉」が自然に出る)
⑦ 輝く玉も最初は「ただの石ころ」
(「自分の心」を縛らない)
世の中にはさまざまな人々がおり、その中に自分がいるのだということを
理解することが大切日本では他の人の悲しみや苦しみに無関心すぎないだろうか
⑧ 今日一日、「自分を否定しない」
(「心の虚しさ」を解消する)
裸で生まれ、裸で死んでいくのが私たちです。
棺の中にお金を入れても、持っていくことはできないのです。
お念仏の中に阿弥陀如来にすべてをお任せの世界が開かれてくるのです。
阿弥陀さまにいだかれながら、阿弥陀さまと共に彼岸の世界へ、懐かしい人
が待っていてくださるお浄土へ参らせていただくのです。
⑨ 人生の「五つの汚れ」に気をつける
(「心の柔軟体操」を習慣にする)
阿弥陀さまの光に照らされて、信じていきていってほしい
思いの中のもがくのではなく、そういうあがきを捨て、川に身をゆだねながら浅瀬を
求めていこう。力を抜きましょう「心の柔軟体操」をしましょう
⑩ 逆らわない。仏さまにゆだねる
(「不安な気持ち」を打ち消す)
お念仏の人は、死ねことはお浄土に生まれるだけのことだと知らされますから
ちっとも恐ろしいことではない。このことを「生死一如しょうじいちにょ」
二章「悪人」なぜ親鸞を知ると、「くじけなくなる」のか?
⑪「平凡な自分」がいい
(「虚栄心」を捨てる)
「愚者になりて往生す」という言葉は、親鸞上人のお師匠さんである法然上人
の言葉です
親鸞聖人は生涯、この法然上人の言葉を大切にしていかれました。
愚者とは「自分は知っているようで何も気がついていませんでした」
とうなだれる人のことです
⑫「いい人をやめる」とラクになる
(「重くなった心」を軽くする)
「悪人正機:善人でさえ往生できるのだから、悪人は言うにおよばない。」
私たちは皆、悪の心を持っている。だからこそ弥陀にすがるしかない身なんだと。
要するに、悪人と自覚できる人こそ「往生の正因」。そう言ったわけです。
煩悩をかかえ罪を重ねて苦悩する人間(凡夫)こそ救うという、阿弥陀さまの慈悲
の心を表した言葉なのです。
⑬仏さまは「悪い心も包み込んでくれる」
(「ないものねだり」しなくなる)
「私も多くの人に支えられてきたのだ」と心から振り返らせていただく。
「私は何の役に立ってない。迷惑の連続だ」と自覚している人は救いようがある。
⑭好きも「縁」、嫌いもまた「縁」
(「情に流される自分」と決別する。)
どうか目の前の人を大切にできる人になってください。それは、自分を大切に
できる人でもあるのです。
⑮逃げたいときこそ「求められている」
(「自分の世界」が広くなる)
「信なり、計なり、召なり」は、常に私たちは自分の意思で生きているわけでは
なく、すべて阿弥陀仏に願われて生きているということなのです。
⑯一日の最後に「必ず反省」
(「傲慢な心」を断ち切る)
「本当に何もできない。何も聞き取れない自分をよく知る。どうしようもない自分
を知ったとき、大いなるものに身をお任せする」
⑰「賢いフリ」はしない
(「やましい心」を打ち消す)
親鸞聖人は自ら「愚禿釈親鸞ぐとくしゃくしんらん」と名乗り生涯を生き
抜いた人です。凡夫は凡夫なりに救われていけばいい。
⑱善人ばかりだと「争いが絶えない」
(「煩悩の炎」を消す)
人には、必ず心の中にトゲがあるものです。
どんなに穏やかで誠実そうに見える人でも、心の中はわかりません。
⑲「今のあなた」には「今のあなた」がちょうどいい
(「小さなこと」で怒らなくなる)
「今、ふりかかってくることは、今の自分にちょうどいい」と思うことです。
あなたが処理できない問題は、絶対にふりかかってはこないのです。
⑳伴侶は「自分の心を映し出す鏡」
(「自分の弱さ」を克服する)
悪人だからと開き直るのではなく、私はいつでも本能の牙を持った人間だ。
だからこそ正しい、生きる智慧を阿弥陀さまからいただいていこう。
それがお念仏なんだ。
㉑人生は海、阿弥陀仏は海を渡る船
(「人間として」一気に成長する)
親鸞は、生きていく苦しみの人生を海にたとえて「難度海」とし
「思いはかることのできない阿弥陀仏の本願は、渡ることのできない迷いの海を
渡してくださる大きな船ですよ」と言った。
思い通りにならない人生だからこそ、その事実から目をそらすことなく、悩みの
本質に向き合うことが大切なのです。
㉒人間は「偉いもの」でなく「尊いもの」
(「劣等感」をきれいに克服する)
昔の出来事をいくら引きずっていても取り戻せません。
それは恨むということで執着を強くしているだけにすぎない。
忘れることは負けることとは違います。
忘れるとは「どうでもいいと思えること」なのです。
どうでもいいと思えたとき、私たちは過去の恨みから、解放されていくのです。
㉓人に「期待しない」
(「好調の波」を安定させる)
健康に自信があっても縁がくれば難しい病気になることもある。
依頼心を捨てましょう。依頼する心から少し離れてみるのです。
不安が起きたり、一時的には苦痛をなめたりしても人生全体は安定しているのです。
㉔一皮むけば「欲」、二皮むけば「嘘」、三皮むけば?
(「客観的に見る目」を持つ)
㉕言葉は「いただくもの」
(「学んだこと」を血肉化する)
「阿弥陀仏の教えに生きる同じ身でありながら、信仰の理解がそれぞれで違う。
そのようなことがないように、悲しみ嘆きながら筆をとった」
これが、異なった信心を嘆く書、「歎異抄」という名の由来です。
念仏をし、自身の悪行に目覚める人こそ、救いがあるという悪人正機
の教えが生まれた。
㉖阿弥陀仏は「そんなこと百も承知」
(「相手のいいところ」を見抜く)
浄土へ急いでいきたいという気持ちがないくせに、少しばかり疲れたことがあった
だけで、死ぬのではないかと心細く思うのは、執着心という煩悩のしわざです。
いくらこの世に未練があっても、この世との縁が尽きたとき、お浄土に生まれ
させていただくことになります。
㉗親鸞が歩いた道を、あとからそのまま歩けばいい
(「ありのままの自分」で生きる)
たとえ才能が豊かであっても、それはたまたま恵まれたもの。
また、どんなに財産があろうとも、社会的な地位が高かろうとも、それは自分自身の
本質とは関係ありません。
うぬぼれは、知らず知らずのうちに人の心に巣くって、真実を見えなくして
しまいます。おごらず、飾らず、ありのままの自分として生きていけばいいのです。
㉘まずは、目の前の人と「向き合う」
(「先入観」を捨てる)
永年生きていると「先入観」が生まれます。
先入観を捨てないと、新しい出会いはありません。
まずは柔軟になりませんか?あなたの決めつけは本当の答えではありません。
㉙一日の一つ「集中」
(「余計なもの」を捨てる)
㉚「偏りのある自分」でいい
(「固い頭」を柔軟にしてみる)
自分の考え方だけに依存していくことは大変危険なことなのです。
㉛「人の目」で見る。「人の耳」で聞く。
(「慢心」を断ち切る)
人間というものは自分中心的な考え方しかできないからです。
事実を事実として見ることができない生き物なのです。
㉜「精一杯」を全力でやる
(「足るを知る心」が生まれる)
「汝足るを知るべし」という教えもあります。
日々の生活の中で、「足るを知り」そのご恩に感謝しながらの暮らしは大切
なことです。
㉝笑うときも謝るときも「自分から」
(「短気な自分」を克服する)
㉞すぐ「善」「悪」で考えない
(「杓子定規の考え方」を捨てる)
人間は案外、自分のことはよくわかっていないのです。
「俺は何もわかってなかったな。今まで何をしてきたのだろう。結局、自分の努力ではどうにもならない」と思っている人は、自分を親鸞聖人が言うところの「悪人」と自覚している人です。
仏さまの眼で見ないと、何が善で、悪かわかりません。人間の勝手な都合で善し悪しを決めてもダメです。なぜなら、人間のすることは、すべて、うそと偽りに満ちています。そういう自分であると気付かせてくれるのが仏さまです。仏さま、すなわち、お念仏だけが真実だと言うのです。
㉟いつも一緒にいる人に「お疲れさま」
(「心」がやさしくなる)
㊱「ご先祖さま」を思い出す。
(「悲しみ」が癒される)
日々、煩い悩みは尽きず、悲しみや苦しみが波のように押し寄せるのが人生です。
そこから逃れようとするから自分が苦しくなるのです。
人が亡くなるとき、「息を引き取る」と言います。
引き取るとは、死んでいく人の言葉ではなく、目の前の人が最後に吐く息を
引き受けさせていただくことなのです。
㊲「水に流す」習慣をついける。
(「人間関係」が上手になる)
逆切れとは、「他人が干渉してくることが許せない」という理由からくる行為
なのです。
㊳あなたの「物差し」、仏さまの「物差し」
(「心の器」を大きくする)
㊴40歳を境に「美しくなる人」「醜くなる人」
(「人に嫉妬しない自分」を作る)
㊵凡夫のまま。凡夫のまま救われればいい。
(「マイナス思考」がなくなる)
私たちは、賢くなんかなれません。凡夫のまま救われればいいのです。
自分を大きく見せようと箱から上がれば、足元を見られます。
壁の中でいくらあがいても、その壁は超えられません。
最後は、阿弥陀さまの知恵の世界にお任せするしかないのです。
五章「浄土」―なぜ親鸞を知ると、「恐れなくなる」のか?
㊶今、命が「あなた」を生きている
(「不満を感じる自分」を克服する)
長生きすると老いの苦しみ、病の苦しみ、その果てに、最後は死んでいく。
このいのちの事実から逃れることはできません。
親鸞聖人は、人間の価値は立派になることでは決まらないと言いました。
上を向くばかりの人生ではなく、自分の足元をしっかり見ていける
人生を歩きましょう。
㊷有ることは難しー「ありがとう」を味わう
(「ささくれだった心」が穏やかになる)
「ありがとう」の言葉は、如来さまへの感謝の言葉であり、親の名乗りを受ける子の
「安心の心」なのです。
㊸いつも、もう一人、あなたには味方がいる
(「過去」に縛られなくなる)
親鸞聖人は、世の中は移り変わる世界であって、すべては虚しく、いつわりで、真実と言えるものは何一つないとおっしゃっていました。その中にあって、「ただ念仏だけが真実である」と言い、お念仏を称えられたのです。
㊹苦しいことがあるから「謙虚」になれる
(「いのちのありがたさ」に気がつく)
人は病気になってはじめて謙虚になる。
南無阿弥陀仏というお念仏は「私は何もわかっていなかった」とうなだれるということなのです。そしてこの私に「いのちのありがたさに気づかせていただく」それが仏法に出会う、親鸞聖人が導いてくれた南無阿弥陀仏なのです。
㊺「「命日」にお墓参りをする。
(「老い」が不安でなくなる)
誰も自分の死は決められません。人生は一度きりです。
どうかお任せしましょう。あなたが何もしなくても心臓は動いてくださいます。
何もしなくても自分の体の中で働いてくださいます。
「命日」とは「命の日」と書きます。そこには、亡き人が残していってくださった
「大切な贈り物」という意味が込められているのです。
㊻「恥ずかしい」気持ちを大事にする。
(「自分の背筋」がピンと伸びる)
㊼恩を忘れた者を「餓鬼」という
(「感謝の気持ち」に包まれる)
人間は、一人で生きていくことはできません。たくさんの人に支えられているから、生きていけるのです。世間は、恩という陰の力が働いている。その力によって私たちは生かされているのです。
㊽「いのちの根」をしっかり育てる
(「縁」が無限に広がる)
諸仏となられたご先祖は、阿弥陀さまのおられる仏となります。仏さまになられた方は、供養しないからと罰などあてません。むしろ、生きている私たちに、「どうか人間としての生き方に目覚めてほしい」と願い続けているのです。
「先祖供養をする」と、体裁のよいことを言っていますが、結局は我が身のため、その保全を願ってのことなのです。すべて私たちは阿弥陀さまの元へ還らせていただくのです。わが父、わが母だけではない、だから念仏を私ごとに使ってはなりません。
㊾倒れても「大地が支えてくれる」
(「暗い気持ち」が明るくなる)
人間らしく生きる中にこそ本当の救いがあるということがわかったのです。
親鸞というお坊さんは、人生のどん底を経験したときに、本当の救いが見えるとおっしゃいました。だから倒れていいのです。
失敗したらまたそこからやり直せばいい。成功したら調子に乗るなよと足元を見ればいいのです。大切なのは正しい教えをいただき、それを信じて歩いていくことです。
正しいというのは、「止まる」に「一」という字の組み合わせです。
㊿日々「あなたは試されている」
(「イヤな自分」がいなくなる)
結局、人間の心は、都合のよいことが好きで都合の悪いことが嫌い。
何とか都合よくなろうとする心のもがきが表れているということです。
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