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2019.03.13
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カテゴリ: 読書
amazonで唐突に安売りされていた『獅子王アレクサンドロス』を買った。中学生のころ読んだから,20年ぶりくらいの再読になる。といっても,実はkindleを起動させ,iPhoneの音声読み上げ機能を使って移動中などに聞いていたので,読んだというと多少の語弊があるかもしれないけど。


獅子王アレクサンドロス【電子書籍】[ 阿刀田高 ]

タイトル通り,内容はアレクサンドロス大王の生涯を描いた長編小説になる。
この作中,アレクサンドロスは「獅子」とか「獅子王」いうあだ名で呼ばれていて,それがタイトルにも反映されているのだろう。こういう風に,アレクサンドロスを獅子と呼ぶ文献はこの小説以外に見たことがないので,たぶん,著者の創作なのではないかと思う。この小説と対峙するわけでもないが,著者の『新トロイア物語』なんかでも,主人公のアイネイアスは「銀」というあだ名で呼ばせていたから。

かなりの長編小説だし,色々と感想もあるのだけど,ここはあえてバルシネにしぼって書こうかなと思う。
バルシネはアレクサンドロスの愛妾で,アレクサンドロスの子どもを産むのだ。
この子は,ヘラクレスでさえ陥落させられなかったという伝説のある都市を攻略した記念で,ヘラクレスと名付けられる。アレクサンドロスとしては,父である自分を超えて欲しいという思いも込めて,ギリシア神話最強の英雄の名前を付けたわけだな。
ところが,バルシネはこれが気に入らない。そんな名前をつけたら,戦いばかりの人生になるのではないか,と。このあたり,命より名誉を求める父と,子どもには幸せになって欲しいという母が対比されてて,なんというか阿刀田高の味が出ていると思う。

ギリシア神話最強の英雄の名前をもらってしまったヘラクレスと,その母バルシネの気苦労を思うと,悲しい気持ちになる。実際,暗殺されて死んじゃうからね。

また,バルシネがアレクサンドロスが部下を殺しまくることに苦言を呈すシーンも割といい。
実際,中盤以降に目立つのだが,アレクサンドロスはけっこう部下を殺しまくってる。
幼馴染といってもいいクレイトスやフィロタスを,父の代から仕えた忠臣パルメニオンなんかも殺してしまってる。三国志で言えば,劉備が関羽や張飛を殺してしまうくらいの衝撃である。
特に,僕なんてクレイトスの気持ちを考えると,やりきれない。

ところで,アレクサンドロスについては本書が出版されてから20年以上も経つと,色々な文献が出てきた。
その白眉というべき作品は,『ヒストリエ』だろう。
アレクサンドロスを二重人格にしちゃうとか,ほぼ連載がストップしているとか,色々と文句を言いたいところもあるが,読まずにはいられなない。
ここで,気になるのがバルシネである。1巻から登場してて,4巻では表紙も飾っている。


ヒストリエ4巻【電子書籍】[ 岩明均 ]


ふと,Wikipediaで調べると,アレクサンドロスは紀元前356年生まれ,バルシネは紀元前363年生まれ。7歳くらい,バルシネの方が年上で,『ヒストリエ』の描写が正しいようだ。
ま,アレクサンドロスの愛妾になる前の時点でバツ2で子どももいたというのだから,その方が自然なんだろうな。





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最終更新日  2019.03.13 15:43:58
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