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2019.03.31
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カテゴリ: 漫画
最近,土山しげるの漫画ばかり読んでいるので,とりあえず『どぶ』の感想を書いていく。全4巻なのでわりとさっくり読める。土山しげるは,『荒野のグルメ』とか『極道めし』のようなほのぼの食事漫画ばかりではなく,こういうアングラ漫画も描いていたということだ。


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『どぶ』のあらすじは,だいたいこうだ。
主人公は42歳。平凡なサラリーマンだったが,部下にハメられ,風俗店に出入りしているところを写真に撮られてしまう。そして,その写真が会社に報告されたことで理不尽にもリストラされ,妻子も失ってしまう。
主人公はやむなく風俗店でアルバイトをするのだが,もともと営業マンとして働いていた経験などをいかして才能を発揮していく,という流れ。

弁護士的な発想からすれば,たかがピンサロに出入りしているところを写真に撮られたところで解雇は明らかに不当だと思うし,裁判に勝てるんだろうとは思うが,それはそれだ。
ちなみに,主人公は物語冒頭の風俗には,彼をハメた部下に誘われる形で行っているので,主人公のハメられやすい,というかどこか騙されやすいところが出ている。

こうして主人公が風俗で黒服として働き始めてからが本編スタートなんだけど,風俗業界はあんまよくわからないので参考になる。


見どころとしては,主人公の成り上がりっぷり,アイディアの出し方である。
青年漫画だと主人公は仕事を成功させ,地位と金を得ていくところを見て,読者は楽しみを得るのである。そんな主人公は風俗店を任され色々なアイディアを出すのだ。
まずは,デリヘルとキャバクラを合わせたようなデリサロ。出張サラリーマンのために女の子をホテルに派遣し,酒を飲ませる。飲んで性欲が沸いてきたらヘルス行為。飲むだけで満足したらキャバクラ行為で終了というもの。
また,65歳以上の老人をターゲットにしぼったデリヘルなんかもそう。保険証なんかで年齢確認をしたうえでやり,行為後に血圧を測ってあげたり,簡単な健康診断をやるというきめ細かいサービルが売りだ。
最終的に,主人公はコンパニオン派遣でさびれた温泉街を立て直したところで終了となる。

面白いアイディアは多いが,本当に実現できるのかな,と思わないでもない。特に,主人公はピンサロでもデリサロでも二輪車,つまり1人の客に嬢を2人つけるという,客からすればコスパの良さを押し出して成り上がるわけだが,女の子からすれば単価は安くなってしまうのではないかな。また,デリヘルのサービスとして健康診断は法的に問題がないのか,考えれば色々ある。
著者の土山しげるといえばグルメ漫画なんだけど,『食キング』みたいなビジネス漫画も扱っているし,主人公の成り上がりを楽しむ漫画なので細かなことは言うまい。
いや,でも温泉コンパニオンとかは完全に下火だとは思うのだけどね…。

あと,本筋から離れすのだけど,主人公はもともと大阪で風俗店をやっていたのだけど,物語中盤から拠点を北陸のI県に移す。このI県は作中ではイニシャル表記だが,「北陸でも有数の教育県」,「県庁所在地のK市には一軒の風俗店もない」と言われているが,まあ,石川県の金沢市のことだろうな。ただ,物語の書かれた当時は知らんが,いまの金沢は普通にデリヘルくらいあるはず。
また,終盤で温泉コンパニオンを「となりのT県の南部。都端温泉」で作るのだけど,これはたぶん富山県だろう。ただ,「都端」に該当するのが富山になさそう。恐らく,石川県の北部,「津幡町」のことだろう。
ちなみに,土山しげるは石川県の出身。故郷を舞台にするのにはばかられたのかな,と思わないでもない。


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最終更新日  2019.03.31 15:10:25
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