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2019.04.16
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カテゴリ: 漫画
『コロコロ創刊伝説』の4巻買った。今回のメインはビックリマンとカービィのひかわ先生だ。


コロコロ創刊伝説(4)【電子書籍】[ のむらしんぼ ]

目次はこんな感じ。
第21話 「星のカービィ デデデでプププなものがたり」誕生伝説
第22話 ピカリン引退伝説
第23話 「ビックリマン」遭遇伝説
第24話 「ビックリマン」誕生伝説
第25話 「ビックリマン大ブーム」伝説
第26話 漫画家・玉井たけし伝説
第27話 3代目編集長誕生伝説



まず,3話を使っているビックリマンがこの巻の最大の見せ場だろう。
ビックリマンシリーズは1977年に発売されていたそうなのだけど,実は1982年の時点では,いまひとつヒットにつながらなかったという。
これをロッテの企画部のサラリーマン,丹後四郎がデザイナーさんと協力してもりあげ,またコロコロコミックがコラボすることでヒット商品に押し上げていくのだ。
たぶん,子どものころの僕が読んでも面白くなかっただろうが,大人になって仕事をする僕が読むと本当に面白い。
自分の企画が認められ,大きくなっていくのは,仕事をするようになった大人ならば誰しもが夢見る話だろう。「悟空が修行して強くなる」というのもいいけど,大人のサクセスストーリーだ。

だが,個人的には21~22話で2話を使って語られた,「ぴかりん」こと星のカービィのひかわ博一先生の話の方が心に突き刺さった。
もともと,ひかわ先生はこの『コロコロ創刊伝説』の作者,野村先生のアシスタントだったという。漫画家の卵だった時代,売れない漫画家だった時代,そしてカービィのヒットで絶頂を迎えるひかわ先生のことを,師匠の野村先生の眼から描いている。
感じ入ったのが,絶頂期のひかわ先生に対し,野村先生が嫉妬するシーン。当時の野村先生は『ハゲ丸』が終わっていて,着実に売れない漫画家となっていた時代だ。そんな野村先生が,カービィの漫画でヒットして,激しく嫉妬するのだ(画像は4巻29~30頁より)。



実際はこんなこんなもんではなく,もっと思うところがあったろう。生きていれば,人の成功を心から祝福できないという精神状態になることがあるだろう。たとえば,自分が司法試験に落ちたのに,いっしょに勉強していたあいつが先に合格したときとかだ。そして,そんな自分の醜さに自己嫌悪するということもあるだろう。デジカメがうらやましいとか,そういう問題ではないのだ。


さらに,野村先生は金に困り,弟子だったひかわ先生に金を借りに行ったりもする。
漫画では喫茶店のトイレで号泣している様子が描かれている。野村先生の絵柄はコミカルだけど,これも実際こんなもんじゃなかったろうだな,と思うのだ。泣く気持ちも本当に分かるよ。


このあたりは,野村先生も自分の眼で見ていないのか,はばかりがあるのか,ひどく簡単な描写になっている。あえてであろうか,野村先生はこのころのひかわ先生の顔を描いていない(画像は4巻37頁より)。
表現力の限界を超えていたのか,それとも描きたくなかったのだろうか。
また,ネット上で噂になっていた,「ひかわ先生がほぼ絵を描いていなかった」という話が事実であるように描かれていて,ここもショックである。



そうはいっても,いまのひかわ先生は回復されていて,また漫画を描きたいと考えているよう。回復して何より,というか回復しているからこそ,こうして漫画にできるわけなんだろうけれど。

きっと,漫画家の世界でこういう状態になっているひかわ先生だけではないのだろう。いや,漫画家だけにとどまわず,そこらのサラリーマンだって弁護士だって,なにかの拍子で仕事が大成功することがあるだろうし,逆に前と同じ仕事ができなくなるということはありえる。





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最終更新日  2019.04.16 12:16:09
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