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2019.05.08
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カテゴリ: 読書
偉人の女体化といえば日本人の専売特許だと思ってたが、最近はアメリカ人もやってるというのがこの『シャーロット・ホームズの冒険』である。

この作品世界ではホームズたちは実在するという扱いになっているが、ヒロインのシャーロットは、あのシャーロック・ホームズの子孫であり、同じくジョン・ワトソンの子孫であるジェームズ・ワトソンといっしょにシェリングフォード高校で起きた殺人事件に挑むのだ。
まるで、日本のラノベみたいだけど、アメリカ人もこういうの書くのね。



女子高生探偵シャーロット・ホームズの冒険(上) (竹書房文庫) [ ブリタニー・ガヴァッラーロ ]

主役であるシャーロットの造形なのだが、16歳の少女で、日本の武道であるバリツ(原典にもあるが著者がブジュツを誤記したらしい)の達人で、あとで説明するけど、正直言って悪魔みたいな性格をしている。でも、容姿はそれなり以上に可愛いはずである。
また、シャーロック・ホームズも麻薬をやるクセがあったけど、このシャーロットもヘロインだとかオキシコドンなどのドラックをやってる。16歳なんだから、ちょいやりすぎではないかと思うが、原典ファン的には「まぁ、シャーロックもやってたし、欠点ごと愛そう。仕方ないね」という気持ちになる。
普段はツンツンしているのだけど、たまに演技派になって、ノリノリでワトソンのガールフレンド役をやってくれたりする。普段の悪魔みたいなシャーロットを知っていると超絶に気持ち悪いんだけど、そこがいいと思う人はいるのだろう。


色々思うことがあるけど、まずはいい点からあげていきたい。
まず、この作品については原点であるシャーロック・ホームズへの深い愛情が感じられる。
たとえば、主人公たちはシェリングフォード高校に通っているが、この「シェリングフォード」というのはシャーロックの企画段階の名前である。そして、シャーロットにはマイロという兄がいるけど、これはシャーロックの兄、マイクロフトから借用したのだろう。


さて、ここからがネタバレを含め、よくない点というか、人を選ぶ点だ。まず、マイルドなところから。
なんと言っても、シャーロットの性格が悪魔じみている。物語開始の16歳で麻薬をやってるが、実際は12歳のときから麻薬はやってる。で、14歳のとき、家庭教師に来たモリアーティ教授の子孫、オーガスタ・モリアーティに惚れたものの、相手の態度がそっけないというので彼を破滅させようと思い立つ。そこでシャーロットは自分が使う麻薬を彼に購入させ、その情報を警察に売り、オーガスタを逮捕させるという鬼畜な行動に出ている。
可哀想に、未成年に麻薬を売ったという前科もついて、オーガスタのキャリアの人生は破滅してしまうのである。
この辺までは、「シャーロックもADHD説があるくらいの変人だし、その欠点ごと愛そう」という上級シャーロキアンもいることだろう。

ここまでが前提。以下、完全なネタバレに入るので、読みたくない人は飛ばして欲しい。
さて、オーガスタがこのように破滅したものだから、これを恨みに思う人がいた。
この人はシャーロットのことを恨み、色々と画策をして、ある男子生徒をうまく使い、薬物でバッドトリップしてるシャーロットをレイプさせてしまう。さらに、ある人はこのレイプ犯を殺害したうえでシャーロットに不利な状況を作り、シャーロットを殺人罪で服役させようと企むのだ。
ちなみに、犯人の動機部分は最後の方に明かされるが、主人公の片割れであるワトソンがシェリングフォード高校に転入した時点でシャーロットがレイプされるところまでは終わって、早々にこの事実はワトソンにも開示される。
なので、ワトソンは想いを寄せるシャーロットをレイプしたもう一回殺したいような奴を殺した真犯人を探すという、全然楽しくない推理に協力しなきゃならないのである。

うーん、なんとも事件の背景が重いなぁ…。
ちなみに、ワトソンの両親は離婚済みなのだが、父親と再婚した義母は初対面のシャーロットに対し、「あなたたち、もうセックスはしたの?」とか聞いてしまう。


こんな殺伐とした世界観だけど、僕の楽しみはシャーロットの兄、マイロである。
だってコイツ、超有能な人物みたいな前評判だったクセに、初対面のワトソンは「オタクっぽい」と外見を評していて、シャーロットから「兄さん、椅子の下に蛇がいるわよ」と言われると飛び上がって驚くという可愛さがある。
このマイロがシャーロットのことを「ロッティ」と愛称で呼ぶシーンなんか、ワトソンと僕は「えっ!? ロッティだって?」みたいな反応をしてしまった。

次もあるみたいだし、まあ読んでいこうかな。


女子高生探偵 シャーロット・ホームズの冒険 下【電子書籍】[ ブリタニー・カヴァッラーロ ]





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最終更新日  2019.06.08 09:04:12
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