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2019.05.25
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テーマ: 楽天kobo(892)
カテゴリ: 読書
シャーロック・ホームズの長編4作目、『恐怖の谷』を読んだ。感想書いていく。



恐怖の谷【電子書籍】[ コナン・ドイル ]

あらすじとして、2部構成になっている。第1部でホームズの挑む殺人事件が語られ、第2部で事件の動機だとか背景が語られる。
ホームズの長編にはよくあるパターンである。

まずは第1部だが、ホームズのもとに怪しげな暗号文が届くのだ。これを解読すると、バールストンにいるダグラスという男に危険が迫っているというので、ホームズはワトソンとともにダグラス救出に向かう。ところが、ホームズが到着したときには、ダグラスは殺されてしまっていたのだ。
これについては、被害者であるダグラスの顔が潰れているので、分かる人にはある程度推理はできるのかもしれない。ちなみに、この手のトリックは作中の地名から「バールストン・トリック」と言われるトリックになるとのこと。比較的に、よく見るといえばよく見るトリックなのかもしれない。

さて、次は第2部である。ホームズの長編ものにはありがちなのだが、正直言って第2部の動機編の方が面白いと感じた。
こちらの物語の舞台は第1部から遡って開拓時代のアメリカ。
「自由民団」という、会員の相互扶助を目的とする団体が、いつしかヴァーミッサという土地では暴力団のような役割をするようになっていた。自由民団ヴァーミッサ支部の者たちは市民たちから財貨を搾取したり、支部に反対するものに殺し屋を送り込んだりして、暴力で町を支配するようになっていたのだ。この町を舞台に流れ者のジャック・マクマードという男が奮闘するというものだ。

ネタバレをしていまうと、第2部の主役であるジャック・マクマードという男こそ、第1部において殺されたというダグラスなのだ。彼は、第2部で自由民団ヴァーミッサ支部を壊滅させることに成功するが、それで恨みを買い、第1部の時点で名を変えていたたいうのだ。


さらに調べると、この第2部は実際の事件をモデルにしているとのこと。詳しくは、Wikipediaで『恐怖の谷』を検索してほしい。
ならず者に支配されている町を探偵が解放するだなんて、西部劇のような話だ。しかも、それをやったのがガンマンではなくてバーディ・エドワーズという探偵だというから、事実は小説より奇なり、といったところ。

ただ、結末は少し後味が悪い。
時系列的に、この『恐怖の谷』はホームズの宿敵であるモリアーティ教授がまだ暗躍していたころであり、彼が背後から糸を引いていたというのだ。そのため、ハッピーエンドっぽくはない。
僕としては明示されていない以上、「海に落ちて死亡したという彼」については、モリアーティに殺害されたのではなく、死んだことにして逃亡したのだと思いたいところ。

さて、これでホームズの長編は全て読み切ったことになる。
こうしてみると、『緋色の研究』、『四つの署名』、『パスカーヴィルの犬』、『恐怖の谷』の全てで殺人事件を扱っているのに気がつく。まだ、『パスカーヴィルの犬』以外の作品は2部構成になっている。

感想として、どの事件も短編で充分じゃないかな、という気がしないでもない。連続殺人というわけでもなく、せいぜい1人くらいしか死なないので、長編使わなくても話は成立するのだ。たぶん、ホームズの短編が56あるのに、長編が4作しかないというのは、読者が短編をより好んだからなのかもしれない。何より、短編は読みやすいからね。
ただ、動機を解明する2部の存在は無視できない。『緋色の研究』の2部なんて下手に犯人側に感情移入しちゃったせいで読むのが辛いという現象が起きちゃったし、『恐怖の谷』も事実をもとにしただけの迫力というか凄みがあった。
日本ではコナン・ドイルといえばホームズなのだが、動機解明編を読んでいると、それ以外も充分に面白い小説を書くじゃないか、と思うのだ。





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最終更新日  2019.05.25 23:12:31
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