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2019.09.05
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テーマ: 法律(508)
カテゴリ: 法律
マツコ・デラックスがどうだこうだ,裁判と最近は色々とあるけれど,ある人物がNHKに対して行った裁判が不当訴訟だとして賠償を命じられている判決があるという話を聞いた。Wikipediaでも普通に紹介されている事案だ。
普通に判例時報にも掲載されている事案なのだけど,読み飛ばしたのか,ほぼ記憶がない。バックナンバーを引っ張り出して紹介していく。

事案はこうだ(東京地裁H29.7.19判例時報2354号60頁)。
まず,被告が2人いるのだけど,話を分かりやすくするため,AとBだということにする。
ある日,NHKの職員は,Bの家を訪問し,受信料の支払いなどを請求した。これに対し,BはNHKに対し,受信料の請求が違法だとして,慰謝料を請求したのだ。
この訴訟には背後にAがおり,このAは弁護士ではなかったが,Bのために訴状を作成したり,Youtubeで色々とやっているのだ。
この裁判については,受信料の支払いを求めることに違法性はないということで,NHKが勝訴した。
問題はこの後で,NHK側がABが協力してNHKを訴えた点をもって不当訴訟だとして,賠償を求めたのが,今回見ていく東京地裁の判決である。

で,このAが前の裁判中,Youtubeで色々やったことだが,たとえば 「NHKの業務を妨害するために裁判してるんです。」 「NHKに対する嫌がらせなんです。」 とか言ってる。また,勝訴する気があったかについても, 「何も正直,勝ちに行ってないんです。」 とか述べたりもしている。これが普通に判決中も書かれてていて,どことなくカオス感が漂っている。
しかも,NHK側の主張によると,Aが扇動したことにより,平成24年から平成28年の期間に,「NHKによる戸別訪問が不法行為に当たる」という裁判を21件起こしているそうな。なお,この21件にA側の勝訴は1件もない。

こういった事実により,東京地裁はA,Bが前に行った裁判は,「事実的,法的根拠を欠く」し,そのことも理解していた,と認定されている。
ちなみに,賠償金は54万円だが,これはもともとNHKが前の裁判で支払った弁護士費用だけを損害額に計上していたためであり,請求金額が満額認められている。

感想として, 「面白くはあるが,あまり参考にはならないな」 という感覚。
僕も商売だから,「あぁ,これは敗訴確実だなぁ」と思いつつ裁判をすることはある。弁護士である僕が自ら敗訴確実だと思っていても,お客さんがそう思っていなかったりするし,5%くらいの確率で勝てるかもしれないので,それが不当訴訟とも限らない。
現に「絶対無理だよ…」と思いながらやってみたのに色々あって勝訴したケースも,その逆も経験がある。
何より,
また,さすがに類似の事件があったとして,もうこんな発言をYoutubeではやるまい。なので,本件はあまり参考にはならないかな…。


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最終更新日  2019.09.09 10:38:18
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