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2020.08.18
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カテゴリ: ラノベ
世間ではコロナウィルスのせいで暗いニュースばかりだけど,藤井聡太が最年少で棋聖になったり,4人目の中学生棋聖・渡辺明が名人になったりと色々あった。
さて,『りゅうおうのおしごと』の世界はどうなったかというと・・・。そんな大して進展はなかった。

​
りゅうおうのおしごと!13【電子書籍】[ 白鳥 士郎 ] ​

この13巻はドラマCD付き限定特装版のドラマCDの脚本を小説化したものが半分くらいを占めており,話は12巻の時点からほぼ進んでいない。初の女性棋士になった空銀子は相変わらず眠ったまんまだし,八一の帝位戦も全く進んでいない。
主軸としては,水越澪がフランスに引っ越すことになって,その途中途中に回想シーンということで過去の話をするという短編集みたいな扱いになっている。
なので,この巻は面白かったのかというと,僕個人としてはそんな好きにならん巻だったかな。別に女子小学生がイチャイチャしているのを読みたい,という人ならば楽しめるけれど,将棋ネタを楽しみたい人には向かないかもしれない。

なお,後書きを読んでいると,この巻がこういう構成になったのは,コロナウイルスの蔓延でほぼ取材ができなかったことにあるそうな。
正直,著者のこれまでのラノベは,それが『蒼海ガールズ』では海と帆船について,『のうりん!』であれば農業高校についてしっかりと取材をし,リアリティに富んだ描写が売りになっていたと思う。それがなくて,キャラの掛け合いだけで読むというのは,やや厳しかったかも知れない。


フランスに引っ越すことになった澪は,空港で日本最後の対局をあいに申し込むのだ。
このとき,澪はAIを駆使した対あい用の必死の研究で,ついにあいに勝利をする,ということになる。ずっとこの子,負け役の引き立て役だと思っていたが,決してそうではない。
一方で,少し微妙なのが八一と並んでもう1人の主役である雛鶴あいだ。この子はもう1人の主人公として活躍をするはずだったのだが,どうしても空銀子が確変でも起こしたように物語の中心にやってきたことでどうしても扱いが小さく,微妙になりつつある。過去の12巻感想で「著者は主人公の八一のことを,さほど好きではないのかもしれない」(​ 2020.2.15日記 ​)と書いたけれど,もしかして雛鶴あいのこともそれほど好きではないのかもしれない。あいは才能に関してはズバ抜けており,詰め将棋に限定すれば八一をも凌ぐほどの天才であり,脳内将棋盤の話からしても,明確に空銀子より才能がある。
才能のない,とされる人が必死で努力して,あがいて,苦しみながら進んでいく姿の方が,恐らく著者も好きなのだろう。
もちろん,八一やあいがさほど著者から愛情を持たれていないのではないか,と感じてしまうのは,著者がというより僕の方が,才能のない側に感情移入しているからかもしれないが。


・12巻感想(​ 2020.2.15 ​)
・11巻感想(​ 2019.8.9 ​)
・10巻感想(​ 2019.2.15



りゅうおうのおしごと!13【電子書籍】[ 白鳥 士郎 ] ​





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最終更新日  2020.08.18 17:11:16
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