たかたに社会保険労務士事務所

たかたに社会保険労務士事務所

養育費をめぐる問題が起こったとき



【 養育費支払を確保する方法 】
家庭裁判所による審判で決まったときは家庭裁判所による履行確保の方法があるが、協議離婚で当事者だけの話し合いで決めるときは、改めて法的な手続が最初から必要となる。

1.家事債務の確保方法
・ 履行勧告
 家庭裁判所による調停や審判で決められたことが履行されない場合、権利者の申出により、支払いを遅滞している義務者に対して、どのように決められたことを実行しているか必要な調査をしたうえで、正当な理由もないのに義務を実行しないものにその義務を自発的に履行するように助言・指導・催促をする。
 この履行勧告を受けた約75%は履行勧告の効果が出ている。
 勧告は強制執行・強制的措置でなく、あくまで義務者の自発的な実行を促すものである。

・ 履行命令
 履行勧告よりも強い手段。一定の期間を定めて義務を履行するよう命令する方法。
正当なり湯なくこの命令に従わない場合、10万円以下の過料に処することができる。
 履行勧告で、ある程度効果が上がるため、履行命令の申立ては少ないのが実情。

【 養育費の増減請求はできるか? 】
1.事情が変われば変更請求できる
 諸種の事情が変わったことによる養育費変更は可能。
 では、どのような事情が考慮されるものか?
【1】物価の変動に加えて、子の事情として、進学による教育費の増加、病気、事故などによる医療費の増加があり、その子の親権者・監護者の事情として、勤務先の倒産、病気、怪我など、止むを得ない事情により収入の低下を来たしたことが考えられる。
【2】支払う側の事情として、養育費を決めたときよりも収入が相当アップしていること、つまり養育費の増額に十分応じられる事情にあることが必要。一度決めた養育費を変更するに当たっては、支払う側のこのような事情も考慮せざるを得ない。
 養育費の増減額もまず親同士の話し合いで決める問題である。
 もし話し合いができないときは、家庭裁判所に養育費の増減額を求める調停の申立てができる。子の養育費は、「監護についての必要な事項」のうちの重要なものであり、「監護について相当な処分」として親権者から他方の親に養育費の分担を請求できることになっているため、その変更も求められる。(子の監護に関する処分の調停申立て)
 ただし、この監護に関する処分としての養育費の請求は、父と母が当事者で、お互いの養育費の分担の取り決めをするのであって、直接、子供の親に対する扶養請求権を拘束するものではない。
 そこで、子供としては足りない養育費を、親に対する扶養料増額請求というかたちの調停を申し立てることができる。(扶養料の増額請求の調停申立)

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: