タコ社長,オーストラリア・メルボルンのスローライフな日々

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タコ社長1952

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カテゴリ: タコ生徒・学生期
投宿しているサンホセからドナの運転する車でサンタクルーズの海岸に出た。ドナの運転する馬鹿でかいオンボロフォードはいやにやかましかった。そして、運転が本当に荒い。

私は22歳になっていた。大学3年の夏休みに約3ヶ月のアメリカ旅行に出かけていた。あと3日で日本に帰国する。感傷的にならざるを得ない日々。

顔の三分の一もありそうな大きな目をしたドナは本当に無口だった。白人女性でこれだけ無口な人をいまだに知らない。1分で終わる話を10分くらいにして話す人が多い。もともと無口なほうの私だが、当時はもっと無口、しかも慣れない英語だ。

ドナといてほとんど会話はないのに、彼女の上目遣いの妖しい微笑みがその場の雰囲気をしっかりカバーしてくれていた。サンタクルーズの海外の崖っぷちに座って、8月の太陽に映える彼女の金髪のうぶ毛に見とれていた。金髪は実によく光に耐える。こういうときは、情熱的なスペイン娘の黒いうぶ毛では申し訳ないが絵にならない。適材適所というのだろうか。

「いよいよお別れね。タコの住所を教えて。手紙書くわ。」とぎれとぎれにドナが熱く聞く。

私は、小さなメモ帳を出して書いた。その間、ドナは手持ち無沙汰をいいことに私の安物のスニーカーの紐をほどいたりしていてじゃれているが、それ以上はない。

私が、Higashimurayama-Shi と書いていると、ドナが言った。「随分長い名前ね。なんと読むの?」

カルフォルニア州、サンタクルーズの海岸で海風に響いた「東村山」の名前は、なんだか一気に格上げされて喜んでいるようにさえ思え、ついでに村祭りの話でもしたくなりそうだった。

ドナは17才だった。もしかしたら、運転免許を持っていなかったのかも知れない。危なっかしい運転でやっと家に戻った。







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Last updated  2007年01月28日 20時24分37秒
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