タコ社長,オーストラリア・メルボルンのスローライフな日々

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テーマ: 国際恋愛(198)
カテゴリ: カテゴリ未分類
干した大根の匂いがほのぼのと漂う東京の練馬の、大工なんかが住んでいたら怒られそうな警察官住宅で私は育った。「そんなことしたら、タイホされるよ!」というような言葉が日ごろの挨拶代わりに似合うような環境ですくすくと育ってしまった。
「タコ、面白い所に連れて行ってやるよ」。ある日、4歳年上で中学1年生だった茂男ちゃんが自転車でそこに連れて行ってくれるという。そこは「グラントハイツ」というバカでかいアメリカ軍の住宅地で、正に外国だった。私はこの日から、大根とは違った外国の匂いに魅せられて、勝手に入ってはいけないグラントハイツに、大きい声では言えないがたびたび勝手に入って遊んでいた。
小学校6年の春のある日、いつものように外国見たさにこのグラントハイツに1人で遊びに入った。日系二世のマユミという女の子が家の外のコンクリートの階段にポータブル・レコード・プレーヤーを出して曲に合わせて踊っていた。ビートルズの「ツイスト・アンド・シャウト」だった。5年生の時からビートルズにかぶれていた私は、父が買ってくれたトランジスター・ラジオをトイレにまで持っていってビートルズを聴いて踏ん張ったりしていた。
「シャウトって何 ? 」。日本語が少し分かるマユミに聞いた。黄色い短めのワンピースを着たマユミは髪を振り乱してくねくね踊りながら、一生懸命説明しようとして日本語を探していた。彼女はう~んと唸りながら、だんだん赤くて怖い顔になっていく。私は小太りなマユミがなんだか爆発してしまいそうに感じて恐れをなして後ずさりした。
すると、マユミは急に私に接近し、耳元で「ウアー」ととてつもない大声をあげて叫んだのだ。私は、びっくりして彼女を押し戻した。
「アメリカ人の女ってすごいヒステリーだね」。秋田出身の母は、時々TVのドラマで泣き叫ぶ女性を見て訛った英語で言っていた。日本の東北地方は「人間、辛抱だ!」を地で行く代表的な土地柄。母は、西洋の女性が自由にキレまくる姿に唖然としたのだろう。しかし、マユミが叫んだ時には母にいたく同意したい気がした。後で、兄から聞いてシャウトの意味が分かった。実はマユミは、この単語を全身で私に教えてくれたのだ。しかし、怖かった。
 その後の人生で、右から左に遠慮なく耳を通り抜けていった英単語は数限りなくある。だが、限られた方々からこうして体で覚えさせていただいたような言葉は決して逃げてはいかない置き土産となっている。
こうして私は小学校6年生の時、西洋女性のヒステリックな態度と、マユミという名前をしっかりと心に刻むことになり、同時に「shout」を深く理解した。ちなみに、この時の後遺症でタコ社長、金髪女性からの急接近は未だに苦手ではある。





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Last updated  2008年07月21日 15時20分40秒
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Re:体が忘れない(07/21)  
Yoshielives  さん
干し大根の匂いは独特ですものね。(とても美味しいんだけど)^^;
でもあまりにもグラントハイツとは対称的で
当時のタコ少年の感性がゆすぶられたのを
強くイメージしてしまいました。
はっきりとは説明できないけど
私も中1くらいの時に同じような感覚を覚えた事があります。
(2008年07月21日 21時49分43秒)

Re:体が忘れない(07/21)  
あーちゃん。 さん
楽しみにしていた「日本昔話」が、始まりましたね。
紙芝居さんの前で、水あめ食べながらの気分です♪ (2008年07月21日 23時23分38秒)

Re[1]:体が忘れない(07/21)  
Yoshielivesさん
>干し大根の匂いは独特ですものね。(とても美味しいんだけど)^^;
>でもあまりにもグラントハイツとは対称的で
>当時のタコ少年の感性がゆすぶられたのを
>強くイメージしてしまいました。
>はっきりとは説明できないけど
>私も中1くらいの時に同じような感覚を覚えた事があります。
-----
そうなんですね、やはり子供のときの原体験って、潜在的に大きなものを残しますね。広々とした芝生、家、色、何もかもが外国でした。匂いもそうでした。ここでの体験は大きいです。 (2008年07月22日 22時10分19秒)

Re[1]:体が忘れない(07/21)  
あーちゃん。さん
>楽しみにしていた「日本昔話」が、始まりましたね。
>紙芝居さんの前で、水あめ食べながらの気分です♪
-----
有難うございます。実は、私が一番しつこく書きたいのは、この練馬の子供の頃のことなんです。まさに三丁目のなんとかです。住んでいたのは二丁目でしたが。あの時代はいったいどこに消えてしまったのでしょうか。また、書いてみたいと思います。 (2008年07月22日 22時12分47秒)

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