タコ社長,オーストラリア・メルボルンのスローライフな日々

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カテゴリ: 移住模索期
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「私、ちょっときついから、下で待ってるわ。」
オランダ人のアデールはそういいながら、登ってきたエアーズロックを下り始めた。

私は、自慢じゃないが山の山頂を極めたのは東京八王子の高尾山くらいなもので、富士山は2回登頂に失敗してる。エアーズロックは、たかだか300メートルの高さだが、最初の100メートルは可也きつい。鎖があってそれを助けに登る。アデールとは、メルボルンからのバスの旅で途中のアデレードを過ぎたあたりから知り合って一緒の旅を続けた。オランダの訛りの強い英語を話す、私と同じ年の33歳だった。

「じゃ、僕1人で登るから下で待ってて。」そういって私は続けて登っていった。エアーズロックは、あんなにバカでかいが一枚岩として知られている。しかし、周りに何もなくものすごい風が吹いて人が吹き飛ばされ死ぬケースもある。何しろ、つかむ所がない。私も結構、苦労して山頂までたどり着いた。

その山頂には、コンクリートでできたモニュメントがあり、そこに郵便ポストの口のようなものがあった。そして、その中にノートが置いてあった。いわゆる、訪問者ノートだった。しかし、何人かの登頂者に聞いたことがあるが、そんなノートはなかったと言われた。

ここにその映像がある。立っているのも大変なくらいの強風の中、一緒に頂上にいたヨーロッパ系の男性が全身を使ってノートを押さえながら書いている。こんな調子だからノートは吹き飛ばされてしまったのかもしない。「母さん、あの24年前のノート、どこに行ったんでしょうね?」

7月はこちらな冬だが、アリススプリングは暑い。でも、山頂は寒かった。渡豪前に、新宿の伊勢丹で買った布製のジャンパーを着ている。伊勢丹の男物館には大きめ物が結構あって私も行っていた。数年前に、それを思い出しながら行ったのだが、とんでもなく高級品志向の館になっていて、エレベーターで上まで上がってそのまま下りてきた。昔は、私のように東村山辺りから来た青年にも優しい館だったのだが。

真新しい濃紺のジャンパーが、旅を続けていくうちにどんどん薄汚れていく。旅の最後のころには、結構思い切って買ったそのジャンパーがみすぼらしくなってしまい着なくなってしまった。この写真の頃はまだまだ伊勢丹だったが。

聖地としてこのエアーズロックには登らないで欲しいとアボリジニーの人たちは言っている。もう私も登ることはないだろう。ところで、誰がこの写真を撮ってくれたのかまったく記憶がないのだが、髪が豊かだった頃のいい思い出になっている。



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Last updated  2009年05月04日 09時12分53秒
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