タコ社長,オーストラリア・メルボルンのスローライフな日々

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タコ社長1952

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カテゴリ: 問題提起
ジーンズの上から刺してくる。アメリカの蚊は業務に徹底していて驚かされた。1974年、ワシントン州のスポキャーンの近くにあったキャンプ場で、2週間のボランティアをしたことがあった。私は、日本でも蚊には好かれるタイプの人間で、同じ所にいても喰われる回数が多かった。血が甘い、などと言って自慢さえしていたが、このアメリカでの攻勢には参ってしまった。

子どものとき、どこの家のも蚊帳があった。夏に蚊帳を吊るすのはいつも父の仕事だった。家は開け放たれ、外から中も見えてしまう。新しい蚊帳は特にまだ生地が硬くて匂いもする。パタパタとウチワで扇がずに入り怒られたりもする。蚊帳に囲まれて、家族がみな一緒だという気持ちで暑苦しいのに更に暖まる。

「タコさん、シンガポールには蚊がいないんですよ。すごいでしょう。この国は、ボウフラが浮くような水たまりなんかを徹底的になくしてるんです。更には個人でそんなことしたら罰金です。」
この国の国家統制力のすごさはいろいろと感じていたが、蚊まで統制されていたのだ。農業、酪農がないに等しい国であることも大きな理由だろう。

「お客さん、シンガポールには言論の自由はありません。」
タクシーが安いのでちょくちょく使うのだが、あるとき運転手がそう言った。そして、シンガポールはFineの国だと、言葉をかけて笑っていた。即ち、「罰金の国」ということだ。

電車に乗っての、道を訊いても本当に親切な人が多いのには驚かされる。落書きもなく、ゴミも落ちていない。気持ちがいい。でもそれは、統制の力の表れでもあるのかもしれないと思うと、ちょっとだけ背筋が寒くなる。

だが、この国の人は実際にはその統制を逆手にとってお上に従っているようでそうではないようなしたたかさもしっかりと見せてくれる。中国文化、インド文化、マレー文化などを統制していくにはどうしても力が必要なのだろうが、それらの文化が動じないで混在しているのも確か。

毎日、圧倒されて街を歩きまわっている。蚊がいないことは本当に嬉しいことではあるが、キンチョウの夏ではないのが不思議と少しだけ寂しくもある。勝手なもんだ。


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Last updated  2010年01月04日 07時39分36秒
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