タコ社長,オーストラリア・メルボルンのスローライフな日々

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カテゴリ: 忘れられない人々
「それにしても暑いね、ブリスベン。」

「メルボルンだよ。タコっていうんだ。」
「俺、ジョージ、前にメルボルンに住んでいた。いつかまた住みたいと思ってるよ。」

右も左も分からないブリスベンの街の最初の夜、一人で街のカフェに入った。正確には、外のテーブルについた。2004年1月4日のことだった。東京の夏の夜のような蒸し暑さだった。クイーンズランドにあるカフェのフランチャイズ「コーヒークラブ」で、チキンカルボナーラと、赤のグラスワイン2杯。ジョージが勧めただけあって、口いっぱいに広がった深い味が、ワインと絡まっていつまでも残った。その後、ブリスベン入りした夜は必ずここでこの同じメニューを楽しんだ。何回目かの訪問の夜、ジョージの姿がなかった。オーナーが代わり、スタッフも入れ替わっていた。会社のブリスベン支店は2004年4月にオープンした。

メルボルンの上り調子を背景に、他州に打って出たのだが急速な事業展開が裏目に出て、会社の舵取りも大きく見誤り、3年半でこの店を閉じることになってしまった。非常に多くの人々に迷惑をかけた。特に自分の会社のスタッフに。

2007年7月末で事務所閉鎖となった。閉鎖の少し前の最後の出張の時、やはりこのチキンカルボナーラを一人で食べに行った。味はそのまま引き継がれていた。季節はブリスベンも震え上らせる真冬。3年半前の真夏の浮いた気持ちとは全く逆に、気持ちが地べたを這いつくばって流れてしまいそうになる。この夜は、赤のシラーズグラスワイン、3杯となった。

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Last updated  2010年07月28日 22時24分42秒
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