2004年07月25日
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追加で飛魚の天麩羅と、にんにくの空揚げを注文。どれもこれも美味しくて、幸せな満腹感。特にこだわった調味料などを使っている風ではないのに、この美味はやはり素材の良さと大将の腕といったところでしょう。

すっかり満足して『漁火』を後にしました。首折れ鯖は明日入荷するという話を聞き、明日も来ようかなあなんて考えながら。
『漁火』から宿まで。夜の島歩きで出会ったものは、あまりに幻想的で、不思議な世界でした。僅かな街燈の明かりだけが頼りの夜道。その日は曇っていて、星明り一つ無い闇夜だったのですが、見上げると山の存在をそこに感じました。山肌を流れる乳白色の靄が、仄かに発光しながら揺らめいて見えるのです。山が見える訳ではありません。陽があった間も、島の上部は靄に包まれて、山は裾のごく一部しか見えていませんでした。だから山が一体どんな形なのか、いえ、本当にそこに山があるのかすら、その時は未だ知ってはいなかったのです。だからそれが一層、不思議なものに見えました。見えない山を、何処からくるか解らない光で感じたのですから。翌朝晴れ渡った中に山を見上げた時には、あれは幻だったのではと思える風景でした。
またこんな出会いもありました。何処からか聞こえてくる虫の声と、染み出る水の音。青臭い草の香り。そんなもの達を感じながら、夜道を歩いていると、ふいっと目前に飛び出してきた、一匹の蛍。ゆらりゆらりと浮遊するように飛びながら、ちょっと挨拶に出てきたよというように、暫し美しい光を愉しませてくれました。
宿に辿り着く頃には、未だ目指したものは何も見ていないというのに、すっかり屋久島の虜になっていました。





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最終更新日  2004年07月25日 14時50分54秒
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