Tamarindo

Jan 29, 2016
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カテゴリ: 法律復習
留置権

1 意義・要件
(意義)
他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権を有する場合、債権の弁済を受けるまで、
その物を留置(占有を継続)できる権利を留置権という(295)。
法律上当然に成立する法定担保物権である。
ex. Aが自動車の修理をBに依頼して修理を終えた後、修理代金の弁済を受けるまで自動車をAに返還しないで留置できる権利。当事者間の公平を図る趣旨。

(要件)

1、 債権者が他人の物を占有していること
   第三者の所有物も含む。例えば、借り物の時計の修理などによる。

2、 その物に関して生じた債権を有していること (最重要 要件)
   占有者の有する被担保債権は、その占有物に関して生じたものでなくてはならない。
   債権と物の牽連性
   判例1、建物が二重譲渡され引き渡しをされたものの、他の一方が先に登記を備え他場合
       債権(損害賠償請求権)と物(建物)との牽連性が存在するといえない。

   判例2、建物の必要費の償還する権利は建物自体から生じた債権なので牽連性が存在する。
   判例3、造作買取請求権は建物に関して生じた債権ではなく、牽連性がない。

   判例4、建物買取請求権の場合は、建物代金債権として建物自体から生じた債権であるの
       で、牽連性が認められ、また反射的に底地である土地も併せて留置できる。

3、 その債権が弁済期にあること
   弁済期が到来していない時は、留置権は成立しない(295−1但し書)。
   例えば、自動車を売却して、その売買代金支払いを1か月後にした場合などは、自動車を       


4、 占有が不法行為によって始まったものでないこと
   占有が不法行為により始まった場合は、留置権は成立しない(295−2)。

   判例1、当初の占有は適法であっても、その後に不法な占有となった場合も留置権は
       成立しない。

2 性質・効力等

1、物権性・担保物権性
(1)物権性
 留置権は、担保物権であるので、目的物が滅失すれば留置権も消滅する。
 不動産であっても登記できないが、登記がなくても第三者に対抗できる。
  判例1、留置権者は建物を第三者に売却されても留置権を買主にに対して主張できる。

 目的物の占有そのものが、公示手段といえる。

(2)担保物権性
 留置権は、付従性、随伴性、不可分性、留置的効力を有し、
 優先弁済を受ける効力と物上代位性はない。
  ただし、管理費用などの負担がかかる場合など、不便を考慮して競売申し立てが認められて
 いる。

 例外を除いて収益的効力もない。

2、効力
(1)留置物の返還請求訴訟で留置権の主張がなされた場合の判決

 判例1、
  抗弁として適法な留置権を主張した場合、被担保債権の弁済を受けるのと引換に留置物の
  引渡を命ずる「 引換給付判決 」をなすべきである。

(2)果実収取権
  意義
  留置権者は、留置物より生じる果実を収取し、これを他の債権者に優先して被担保債権の
  弁済に充当できる(297−1)。
  留置権は本来優先弁済的効力や収益的効力は認められないが、果実は通常少額なために
  認められている。なお、天然果実の他に法定果実も認められている。

  充当の順序
  留置物から収取した果実は、まず被担保債権の利息に充当し、残余があるときは元本に充当。
(3)留置物の保管義務
  1 善管注意義務
  2 留置物の使用・賃貸・担保供与の原則禁止
    債務者の承諾なしに、留置物を使用、賃貸、担保提供できない(298−2)
    ただし、保存行為は承諾不要
  3 義務違反の効果
    留置権者が、前記1、2に違反した場合、債務者は留置権者にに対して留置権の消滅を
    請求できる(298−3)。当然に消滅するのではない。
   判例1、留置物の所有者が譲渡等により第三者に移転しても、その前に前所有者から
       賃貸についての承諾を受けている時は、承諾の効果を新所有者に対抗でき、
       新所有者は留置権の消滅請求はできない。

(4)留置権者の費用償還請求権
 留置権を行使している間に、留置物の修繕、改良による必要費、有益費を支出した留置権者
 には償還請求権が認められる。

 必要費を支出した場合
  判例1、留置権者留置物にに対し必要費を支出した場合、現在行使している留置権と別に
      当該必要費の償還を受けるまでさらに建物などを留置できる。

 有益費を出した場合
  留置物の価値の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出額または増価額
  を償還させることができる(299−2)。
  ただし、所有者の請求によって、有益費の償還について相当の期限の猶予を裁判所が許与
  した場合、弁済期が到来していないことになるので、留置できない。

(5)被担保債権の消滅時効
 留置権を行使しても、被担保債権の消滅時効は妨げられない(300)。


3 留置権の消滅

  目的物の滅失、被担保債権の消滅、善管注意義務違反、留置物の無断使用による消滅請求

  上記以外に
 (1)代担保請求
 債務者は、相当の担保を提供して留置権の消滅を請求できる(301)。
 ただし、留置権者が承諾が必要(通説)。

 (2)留置物の占有喪失による留置権の消滅
 留置権者が留置物の占有を喪失すると、留置権は消滅する(302)。
 ただし、所有者の承諾を得て、賃貸や質入れした場合は代理占有が認められ消滅しない。


4 同時履行の抗弁権との比較

 共通点 1 当事者間の公平
     2 成立・行使の要件として弁済期が到来していること
     3 抗弁として留置権又は同時履行の抗弁権が主張され、その抗弁に理由ある時は
       引換給付判決をなすべきであるということ

 相違点 留置権が有す不可分性、代担保提供による消滅請求権、競売申立権が
     同時履行の抗弁権にはない





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Last updated  Feb 25, 2016 12:54:12 PM
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