Tamarindo

Feb 6, 2016
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カテゴリ: 法律復習
根抵当権 1

1 意 義

 1 意義
   不特定多数の債権を一括して担保するのに適しているのが根抵当権。
   一定の範囲に属する不特定の債権を、当事者の定める極度額の限度で担保するために
   設定される特殊な抵当権である(398の2−1)。

 2 根抵当権の設定

    根抵当権も約定担保物権たる抵当権の一種であり、根抵当権設定契約により成立する
    諾成契約である。

 (2)要件
    1)債権の範囲(被担保債権の範囲)
    2)債務者
    3)極度額
      が必要的要素である

  1 債権の範囲
    ア)債権者・債務者間の特定の継続的取引契約によって生じる債権(398−2の2)
       ex.電気製品供給契約など


       ex.売買取引、銀行取引など

    ウ)特定の原因に基づき、債権者・債務者間に継続して生じる債権(398−2の3)
       ex.手形債権、小切手債権など

    オ)特定の債権

      根抵当権で担保させることができる(先例)。

   2 債務者
      債務者は一人でなく複数でもかまわない。
      たとえば、AとBとの間の売買取引により生じる不特定の債権と、AとCとの間の
      金銭消費貸借取引により生じる不特定の債権を担保するために1個の根抵当権を
      設定できる(先例)。

   3 極度額
      極度額は根抵当権で担保される上限の額である。


 3 性質・効力
  (1)物権性
    約定担保物権であり、対抗要件は登記である。
    普通抵当と同様に、目的物の滅失、権利(根抵当権)の放棄、混同により消滅する。

  (2)担保物権性
    1 総 説
      不可分性(372、296)、物上代位性(372、304)、
      優先弁済的効力(369)を有す。
     ※付従性、随伴性については抵当権と大きく違うところである。

    2 優先弁済権の範囲(原則)
      優先弁済権を確定するには元本確定が必要である。
      根抵当権者は、極度額の範囲で、確定した元本とその利息・損害金等の全部に
      ついて優先弁済権を行使できる(398の3−1)

    3 優先弁済権の範囲(回り手形等に関する特則)
      手形債権、小切手債権などを債権の範囲に定めている場合、次のいずれかの事由が
      あった時は、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使できる。
      (398の3−2)
      ア)債務者の支払いの停止
      イ)債務者について破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始  
        の申立て
      ウ)抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え

      ただし、上記が発生した後でも、その事由を知らないで取得したものについては、
      根抵当権を行使できる。

    4 元本確定前の根抵当権に固有の性質
      ア)付従性の否定
        たとえ現存する債権がすべて消滅しても、根抵当権という枠の支配権は
        消滅しない。
      イ)随伴性の否定
        債権が譲渡されても、譲受人は根抵当権を行使できない。債権の範囲から
        外れてしまうためである。
        同様に、
        債務者に代わって代位弁済した者も、債務引受がなされた場合も引受人の債務
        について根抵当権を行使できない(398の7−2)。

        ※債権者又は債務者の交替による更改が行われても、その当事者は根抵当権を    
         更改後の債務に移すことはできない(398の7−3)。


2 根抵当権の変更

 1 債権の範囲の変更
  (1)態様・要件
    元本確定前であれば、根抵当権者と設定者の合意で変更できる(398の4−1)。

    交換的変更 売買取引を消費貸借取引に変更するなど
    追加的変更 売買取引に消費貸借取引を加えるなど
    縮減的変更 売買取引・消費貸借取引を売買取引のみにするなど

    債務者や後順位抵当権者、その他の第三者の承諾を得る必要はない(398の4−2)。
    元本確定前に登記しないと、変更がなかったものとみなされる。

  (2)効果
     債権の範囲の変更の効果は
     たとえば、売買取引を消費貸借取引に交換的変更の場合
     変更前、変更後の消費貸借取引について生じていた債権について担保される。
     売買取引については、変更前変更後どちらも担保されない。

 2 債務者の変更
  (1)態様・要件
    元本確定前であれば、根抵当権者と設定者との合意で変更できる(398の4−1)。

    交換的変更 債務者Aを債務者Bに変更するなど
    追加的変更 債務者Aを債務者Aと債務者Bに変更するなど
    縮減的変更 債務者AとBをAのみにするなど

    債務者の変更するにあたり、債務者や後順位の抵当権者その他第三者の承諾は不要
   (398の4−2)
    元本確定前に登記しないと、変更がなかったものとみなされる。

  (2)効果
     交換的変更の場合
     変更後の債務者Bに対する債権は変更前・変更後とも担保される
     変更前の債務者Aに対する債権は変更前・変更後とも担保されない

 3 確定期日の変更
   (1)確定期日の意義
     根抵当権の担保すべき元本の確定する期日のこと
     必ずしも定める必要はなく、あとから定めることもできる(398の6−1)。

   (2)確定期日の変更
      変更前の確定期日が到来する前に登記をしなければならない。
      廃止も同様であり、登記しなければ当初の確定期日で確定する。

 4 極度額の変更
    元本確定の前後を問わず、根抵当権者と設定者の合意で変更できるが、
    利害関係を有するものがいるときは、その者の承諾を得なければならない
    (398の5)。

   増額変更の場合、後順位抵当権者、当該根抵当権に後れる差押え債権者など
   減額変更の場合 当該根抵当権を目的とする転抵当権者など


3 元本確定前の当事者の包括承継

 1 相続の場合

 (1)被担保債権
  1、根抵当権者について相続が開始した場合
   ア)相続開始の時に存する債権
   イ)指定根抵当権者が相続の開始後に取得する債権

  2、債務者について相続が発生した場合
   ア)相続開始のときに存する債務
   イ)根抵当権者と設定者が合意で定めた指定債務者が相続の開始後に負担する債務

 (2)指定根抵当権者、指定債務者の合意
    どちらも人数に制限はない。相続人の一部でも全員でもよい。
    また、指定債務者等の合意をするにあたっては、債務者や後順位の抵当権者、その他
    の第三者の承諾は必要ない(398の8−3、398の4−2)。

    ただし、以上の合意をしても相続開始後6か月以内にその旨の登記をしなければ、
    元本は相続開始のときに確定したものとみなされる(398の8−4)。


2 合併の場合

   元本が確定しないことが原則となる。
 (1)被担保債権

  1、根抵当権者について合併があった場合
     元本の確定前に根抵当権者が合併で消滅した場合
    ア)合併の時に存する債権
    イ)存続会社又は新設会社が合併後に取得する債権
   つまり合併前に根抵当権者でなかった方の法人が取得していた債権は担保されない。

  2、債務者について合併があった場合
     元本の確定前に、債務者が合併により消滅した場合、根抵当権はつぎの債務を担保
    ア)合併の時に存する債務
    イ)存続会社又は新設会社が合併後に負担する債務

    合併前に債務者でなかった方の法人が負っていた債務は担保されない。


 (2)設定者による元本確定請求権
  1 意 義
    合併の当事者でない設定者が予想外の損害をこうむることを回避する機会を与える趣旨

    根抵当権者や債務者に合併があった場合、設定者は根抵当権の担保すべき元本の確定を
    請求できる(398の9−3)。
    ただし、債務者について合併があった場合で、債務者が設定者であるときは、元本確定
    請求は当然できない。

  2 要件・効果
    元本の確定請求は、根抵当権者に対する意思表示により行う。
    この請求が行われると元本は、合併の時に確定したものとみなされる(398の9−4)
    なお、設定者が合併のあったことを知った日から2週間を経過した時、又は合併の日か
    ら1か月を経過した時は元本確定請求はできない(398の9−5)。


3 会社分割の場合
 (1)被担保債権
  1、根抵当権を分割会社とする会社分割があった場合
   ア)会社分割のときに存する債権
   イ)分割会社と、分割による設立会社又は承継会社が分割後に取得する債権
     2つ以上に分かれるので、共有根抵当権になる。

  2、債務者を分割会社とする会社分割があった場合
   ア)会社分割の時に存する債務
   イ)分割会社と、分割による設立会社又は承継会社が、分割後に負担する債務
     共用根抵当権

 (2)設定者による元本の確定請求権
    根抵当権者や債務者を分割会社とする会社分割がった場合は、合併の規定が準用され
    設定者は元本の確定請求ができる。ただし、その債務者が設定者であるときは、元本
    確定請求はできないのも同様。
    元本確定請求があった時は、会社分割の時に確定したものとみなされる。
    また、設定者が会社分割があっとこを知った日から2週間を経過した時、又は会社分割
    の日から1か月を経過した時はできない。






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Last updated  Feb 25, 2016 11:01:51 PM
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